2007年02月18日

通天閣

P1020365 大阪に住んでいながら、通天閣に上がったことがない。いやぁ、ひょっとして、 幼い頃、おばあちゃんか、両親に連れられて、1度あるのかもしれないが、ハッキリとした記憶としては思い出せないのだ。何よりも、 通天閣のあたりをウロチョロしたのだって、3度ほどしかないのだ。かつては、なんとないうか、 かなり怖い場所というイメージだった。作業服姿のおっちゃん達が、昼間から、酒臭い臭いを振りまきながら、上機嫌のようで不機嫌、 不機嫌のようで上機嫌なオーラをまき散らし歩いていた。目と目が合うと、なんか、声かけられてきそうで・・・・、 何とも言えない、独特の雰囲気があった。

通天閣の近くにあるスパワールドが1000円の入場料で、世界のお風呂もプールも入れます。 という折り込みチラシをめざとく見つけた息子が、オレの誕生日やから連れて行けと、それは、当然でしょう。と宣うので、お風呂で、 ゆっくりするのも、たまにはええか。とも思えたので、出かけた。どうせなら、朝早く行って、昼過ぎには、帰ろうと考えて、 10時の開店の5分前に着くと、なんとなんと、100人以上の行列ができていた。

それを見たとたん、帰りたくなった。近くのスーパー銭湯でも十分とちゃう。と息子を説得にかかると、 スーパー銭湯にはプールあれへんやろ。と、軽く、あしらわれた。15分ほど、通天閣を眺めながら待って、ようやく中に入れた。さぁ、 お風呂でゆっくりしょうか。と言うと、まずは、プールに入って、それからお風呂でゆっくりくつろぐねん。と、誕生日のワイルドカードを早速、 行使されたので、渋々、水着に着替えた。どうも、最近、水着姿が様にならない体型になってきたのだ。自分の、姿とはうらはらに、 はつらつとした姿の息子に、はよ、着替えてや。と、促されながら、水着を着たまま、専用エレベーターに乗って、プール階へ向かった。

流水プールだった。どうせ、泳ぐなら、50mプールで、しっかりと泳ぎたいナァ・・・、なんて思いながら、水の流れに身を任せて、 泳いでいるうちに、どんどん人が増えてきて、まるで、真夏のプールを彷彿させる賑わいだった。プールで、流れながら、肩が、痛いなぁ・・・、 これって、50肩というやつかなぁ・・・、とか、しっかりと、泳ぐほうが、やっぱええよなぁ・・・・。なんて、ブツクサ言いながらも、 年甲斐もなく、ウオータースライダーに乗ったりして・・・・、それなりに、楽しんだのだ。

自然光が入らないお風呂というのは、何となく、息苦しいなぁ・・・・。とおもえた。露天風呂以外は、自然光がまったく入らない、 テーマパークのようなお風呂屋さんだった。くつろぐとか気持ちよさとかは、「テーマ」とはあんまり、関係ないよなぁ・・・。なんて、 考えながら、お昼を食べようとレストラン階に行くと、待ち時間ができるほど、混雑していた。大広間で、 ゲームやカラオケやテレビを見ながら食べるのもなぁ・・・・・。

P1020366そんな訳で、スパワールドを出ると、ドーンと通天閣が見えていた。 息子も奥方も私も通天閣に登った記憶が思い出せないので、行ってみることにした。通りを歩くと、えー、人で、いっぱいだ。それも、 若いカップルや、家族連れ、それに観光客。「ディープなおっちゃん達」の姿が見あたらないではないか・・・・・。 ミナミとかわらない雰囲気になってきている・・・・。通天閣=ディープなおっちゃん達の町という構図はもはや崩れ、 通天閣=串カツの町という新たな図式がうまれていたのだった。右向いても左向いても串カツ屋さん。タレの2度付け禁止。元祖。 なんていう大々的な看板が、あちこち、にあった。

P1020381 通天閣の前に立つと、行列ができていた。へー、と思わず、呟いてしまった。 30分以上待たされそうだった。奥方も私もすぐに諦めることにした。通天閣とその界隈が、 こんなに賑わっているとは知らなかったなぁ・・・・・。それで、お腹も空いていたので、串カツを食べることにした。「だるま」 の前を通ると、かなりの行列ができている・・・。そこで、じゃんじゃん横町の「八重勝」に向かった。だるまほどでないが、 やっぱり、行列が・・・・。たじろぐ、私と息子を尻目に、奥方は行列に並ぶではないか・・・・。30分ほど並ばなアカン・・・ イヤや。と息子はブツクサと猛反対したが、こういう時の奥方のワイルドカードには威力があるのだった。男二人は奥方の後に、 黙ってくっついて、「参列」することになった。

並んでまで食べるもんとちゃうでぇー・・・・という、ディープなおっちゃん達の声が聞こえてきそうだったが、ほんとうに30分ほど、 待って、ようやく順番がきた。食べヘンでぇー、とブツクサ言い続けていた息子が、最もたくさん、何本も何本も串を注文した。 長い年月をかけて、「ディープなおっちゃん達が育てた」串カツ店の味は、子供達にも十分通用する味だったのだ。

 

投稿者 木村貴一 : 2007年02月18日 20:48 « 変化 | メイン | スイーツな上棟式 »


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