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2007年04月29日

記憶の中の再訪

昨年の5月の連休に旅行した五島列島の教会のひとつに江袋教会という教会があって、木造の教会としては日本最古の教会らしい。 その時の訪問した様子をブログに書いた。

つい先日、その写真を見た人から、突然メールをもらった。「郷里のその教会が今年の2月に全焼して、落ち込んでいたのだけれど、 写真の中に、幼い頃見た光や色や景色がそこにあって、嬉しかった・・・・。」というような内容だった。

メールをもらった嬉しさと共に、えー、江袋教会が火災に・・・、全く、知らなかったなぁ・・・と驚いた。それで、 インターネットを検索すると、確かに、焼け残った教会の写真が掲載されていた。 その写真を見ているうちに、ちょっとした寂しさと共に、その日の記憶が蘇り、なんともいえない不思議な印象をもった。

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江袋教会に行った、あの日のあの朝のあの穏やかな天気。真っ青な空と海。黄色い花と教会。周辺の集落と教会とのほどよい関係性。 あの独特の平和な雰囲気。あらためて、その日の写真を見ながらその日の事を思い出すと、体に、 あの時のあの場所の感覚が記憶として残っていることに気付いた。そして、焼失の空虚感を忘れて、記憶の中で再訪し、何となく、 幸せな気持ちになった。

いつか、もう一度行ってみたいなぁ・・・ と想っていただけに、非常に残念だなぁ・・・・。復元工事によって、 目に見えないあの独特のムードがどのように再現されるのだろうかと、気になるが、考えてみれば、法隆寺だって再建されたという説もあるし、 金閣寺だって、復元されたのだから、復元によって、教会としての人気がでるかもしれないなぁ・・・。復元された時には、是非、再訪して、 記憶の感覚と比べてみたいものだなぁ・・・・。

それにしても、ブログは、不思議なコミュニケーションだなと思った。あらためて、頂戴したメールに感謝。

 


追伸
木村工務店では、ゴールデンウィークは暦通りの営業です。家造りのお問い合わせは、5月1日(火)か2日(水)、もしくは5月7日(月) 以降によろしくお願い致します。


 

 

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2007年04月22日

最近何をしていたのだろう

ここ最近、何をしてたのかなぁ・・・と、想起してみた。

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●19日にオープンした、なんばパークスへ行ってきた。
ビルの谷間に沈む夕日が美しかったなぁ・・・・・。

2階のスターバックスの隣にある「DOORS」という店舗を施工をしたのだ。
設計は森田建築設計事務所だ。
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店舗だけれど、自然素材を使った内装だった。
うちの大工で制作した古材を使ったテーブルと棚。
大谷石のディスプレー。
漆喰の壁。
モルタル仕上げの床。
細いスチールの棚。
白に塗られた古材の引き戸。
どれも、いつも住宅をいっしょに作っている職人さん達と一緒に仕上げた。
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●会社の近くにある、くるみ愛育園の運動場を施工中だ。
柔らかなカーブを描いた杉板の塀を作ってみた。
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●あるお宅にお邪魔すると、
漆喰の壁とステンドグラスの照明が美しい応接間に通された。
こういう部屋もいいよなぁ・・・・と、素直にそう思った。
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ダイナワンというタイルメーカーのショールームと
サンワカンパニーという建材メーカーのショールームに行く機会があった。
小さなチップや写真で見るのと、実物はかなり違って見えるなぁ・・・・・・・
と、今更ながらに実感をする。
黒は黒で微妙な違いがあり、白は白で、ベージュはベージュでと。
人間の微妙な感覚とは不可思議なものだなぁ・・・と、いつも思う。
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●リフォームの現場やコンクリートの新築の現場や、
その他数カ所の現場が動いていて、
最近は、打ち合わせも含めて、会社にいる時も多いのだが、
現場に行くと、やっぱり、現場はいいなぁ・・・・と思うのだ。
それは、五感を刺激するからかもしれない・・・・。
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●ヴォーリスが作った小さな教会の建て替えすることになり、
その最後の礼拝があって、一緒に参加する機会を得た。
何とも言えない寂しいムードと、新たな教会への期待が入り交じった、
複雑な雰囲気があたりに満ちていたのだ・・・・・。
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●地鎮祭というのは、上棟の喜びとはまた違う味わいがあって、
土地の神様への「感謝」と、無事に家が建ちますようにという「祈り」に、
厳粛なムードがあり、ちょっとした緊張感もともなって、やっぱり好きだなぁ。
数日前に経験した教会のムードとその作法とは全く違うのだけれど、
「祈り」という質においては同じだなぁ・・・。なんて、思えた。
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●本日は、ささやかだけれど、久しぶりにオープンハウスをした。
ご来場いただいた皆様、有り難うございました。
これからも、よろしくお願いします。
また、この機会をご提供して下さったお施主さま、
どうも有り難うございました。
次回は5月27日頃、川西で予定していますので、
そちらもよろしくお願いします。
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と、こんな事を最近していたのだなぁ・・・・・。

 

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2007年04月15日

ゴミ

散髪屋さんで髪を切ってもらいながら店主が、「今年桜見した?」と話しかけてきたので、前回のブログのような話しをすると、店主が 「近くの新町公園の桜も綺麗やったけど、バーベキュー禁止になっているらしいでぇ・・・」と。今年は桜の期間が意外と長かったなぁ。

なんでも、後片付けがされず、ゴミだらけで、どうしようもないらしい・・・。続けて、店主が「大阪城公園の桜も凄い綺麗やけど、 やっぱり、ゴミが凄いらしい・・・。なかには、翌朝に行くと、宴会したそのままの姿で残っている宴席があるとか・・・・・」と。 その光景を想像してみた。映像的には、ちょっと面白いけれど・・・・と、茶化す訳にはいかないよなぁ。確かに強烈やね・・・・。

続けて店主が「田舎の川に、夏になるとバーベキューをしに沢山の人が押し寄せてきて・・・、 川底にビールの空き缶とかいっぱい捨ててあって、特にスーパードライの空き缶はキラキラ光るねんなぁ・・・・。地元の人にとってはねぇ・・・ ・」と。「吉野の桜でも翌日はゴミいっぱいで、地元の人にとってはねぇ・・・・」と。

どうやら、いやいや当たり前のことなのだけれど、美しい日本、美しい桜とその宴席を守るためには、浮かれっぱなしではダメなんだ。 後片付けが必要なんだ・・・・と促された。耳元に響く、心地よいチョッキンチョッキンというハサミの音を聞きながら、 建築現場に置き換えてみた・・・・・。確かに、いつもいつも美しいというわけにはいかないよなぁ・・・。私も含めて、 うちの社員も心しなくては・・・・・。

そういえば、あるキャンプ場に行った時だ。ゴミはお持ち帰り下さい。と言われた。その時、ちょいと、複雑な心境に陥った。 お金を取ってでもゴミを引き取るべきではないのかと・・・・。帰りの車中に、なんとなく漂ってくるゴミの臭いを嗅ぎながら、 サービスエリアに停車したその時、ここにゴミを捨てようかなぁ・・・と思った。それで、ゴミ置き場を見ると、 車から出るゴミとは思えないものまで、山積みだった。おかげで、未遂に終わったのだけれど、どこでもいい、お金を払うから、 ゴミを引き取って頂戴!・・・と思った。そんな経験も踏まえると、公園もゴミ捨てに、お金を取ったほうが良いのかもしれない・・・・・。え、 不法投棄が増えるかね?

建築現場では見積書の中に廃材処理費とかがあって、考えてみれば、お客様にお金を出していただいて、ゴミを捨てている訳なのだけれど、 ゴミという問題は大切な問題だなぁ・・・と、自分の白髪交じりの髪の毛が床にゴミとして落ちているのを見ながら、あらためて、 じっくりと考えなおしみたいと思った。

ゴミの出さない生活。ゴミの出さないキャンプ。ゴミの出さない現場。というのを目指すのが大切なのではないのかぁ・・・ という声も聞こえてきた。ということで、ゴミを捨てるモラルとゴミを出さない技術という、そのバランスが大切ってとこにしておこうかね。 いずれにしても「ゴミ=お金」の時代がやってきたのかな。

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そういえば、先日、上棟式と桜が重なった幸運に出会った。初めての経験だった。考えてみれば、意外とそんな確率は少ないのだなぁ・・・・・。


 


20070415_220616859突然ですが、高槻で木造2階建て、
木の家のオープンハウスをすることになりました。

4月22日(日) 10:00~16:00 要予約です。
0120-06-4414 または [email protected] 担当:田中まで。


 

 

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2007年04月08日

P1030666 車を運転していても、桜が美しいなぁ。と思えるようになったのはいつ頃からだろう。 そんなふうに考え出すと、中学生や高校生の頃は、全く、桜の記憶などないし、桜への興味など全くなかったなぁ・・・・。 小さい頃の桜の記憶を探ってみるけれど、さしたる思い出がない・・・。桜への思いは年齢がそうさせるのだろうか・・・・。

そういえば、長屋が並ぶ町並みの小さな前庭に植えられた桜が、大きく道にはみ出して咲いている、そんな桜の姿が、 小さい頃からの印象としてある。そんな桜が街角のどこかに数本はあったとおもうのだが、家の建て替えと共にどんどん切り取られ、 この街角から消え去っていった。「はみだす」事が許されにくい社会でもあるからなぁ・・・・。 緑の少ない町並みに彩りをあたえてくれていたのだなぁ・・・・と、春になって、道路の先を眺め、塀から道にはみ出る桜がなくなってはじめて、 小さい頃からの記憶の奥底のどこかに、桜が宿っていたのだなぁ・・・と知る。

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木村工務店では、本年も例年のように、社員や大工さんたちと花見をした。 感嘆の声をあげるにはまだまだほど遠い小さな小さな桜の木なのだけれど、それでも、一本の桜のおかげで、春の訪れを喜びながら、 祝宴をあげれるのはありがたい。ほとんどは、焼き肉を見て、桜は見ず。ってとこだけどね。

昨日は雨が降り、花見をしようと思っていた人たちは、残念だったのかもしれない。桜だって多くの人に愛でてもらえるところだったのに。 今朝、日が照って、おだやかな日曜日の朝。家の杉の床板や畳、栂の床板、米杉の デッキ、 漆喰の壁に映し出される朝の穏やかな日差しと影が心地よいと感じた。そんな影を見ながら、多くの人が桜見に出かけたのだろうかなと、 想像してみた。

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桜の美しさは、人の中に去来する、さまざまなブツクサを一瞬だけ止めて、いまここに、ほんの一瞬だけ、存在させてくれる。 なんてことをブツクサと考えてみたくなるような朝だった。桜の木で美しい大阪を作ろうという「桜の会・平成の通り抜け」 というプロジェクトが、大阪の下町にも広がればいいなぁ・・・・とさえ思えた。

 

 

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2007年04月01日

商売

洗濯機が潰れた。どうしよう・・・と、言いながらも奥方の顔には満面の笑みがあった。以前ブログに書いた「潰れて欲しい家電製品」 の洗濯機が潰れたのだ。いやぁ、正確には、ネズミにコンセントを噛み切られた。古い家とつながっている我が家には、 どうしても板では塞ぎきれないような隙間があって、ネズミがちょくちょく出没する。先日、うちの大工に頼んで、 イガイガのネズミがいやがる針金のようなものを隙間に詰めこんでもらった。

おそらくその影響だとおもう。メインの部屋に入れなくなったネズミが腹を立てたのだろう。 洗濯室の隙間から洗濯機の電線コードを噛み切った。まるで、アメリカのアニメのトムとジェリーのような状況だった。どちらにしても、 リフォームの時は隣家とつながる屋根裏や床下の板では塞ぎきれないちょっとした隙間は、何らかの形で塞ぐ必要があるよなぁ・・・という、 私にとっては、教訓でもあった。

本当はそんなコードを直すことはたやすいのだが、もう、22年も使ったのだから、もうこの際、潰れたと言うことでどぉ・・・? という訳だった。まぁ、お互い、そういう事でぇ・・・・と、夫婦間の政治的な決直としたのだ。

さて、どこで、家電製品を買うかだった。最近なら価格ドットコムかなぁ・・・。大阪育ちの私たちは、J新やNミヤの「家電屋さん文化」 に慣れ親しんでいたのだが、最近、イマイチなのだ。そこで、どうやら、ナンバに出来たY電機の評判がええらしい・・・・。と、 奥方が聞きつけてきて、言われるままに連行された。ちょうど、洗濯機や冷蔵庫の最新の様子やその大きさを知るには良い機会でもあった。

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最新のドラム式の洗濯機の奥行きが700mm近くあるらしい。洗濯パンに載るのかなぁと思っていたら、係員の人が、 足は普通の洗濯パンに載るように設計できてますよ。という事だった。それにしも、普通の洗面化粧台が奥行き600mmちょいだから、 洗面台と洗濯機を並べると洗濯機の方がかなり前に出てくるのだなぁ・・・・・。 ドラム式にすると高さが1000mmほどから上に物が置けるとうたい文句されている。機種によっては、1100mmとか1200mmとか。 やっぱり、上が使えるのは便利そうだなぁ。乾燥も引き続いて出来るらしい。なんでも洗濯機の中にヒートポンプが入っていて、 除湿した乾いた空気で、乾燥をする・・・・。と、親切係と名札を付けた店員さんが、丁寧に説明してくれた。

P1030600ついでに、冷蔵庫の大きさも見てみた。「450Lの設置サイズなのに530Lの大容量」 といううたい文句の冷蔵庫をみると、幅は685mmで同じなのだが、 奥行きはドア角まで610mmが660mmと50mmほど大きくなっている。足下では699mmもあるらしい。 P1030598食品庫のようにスライド式で出てくる最新式の冷蔵庫にいたっては、幅が748mmもあり、 奥行きも708mmと、 かなり大きめのサイズだ。キッチンの設計の時に冷蔵庫の幅を何cm確保するのか、 キッチンと冷蔵庫の通路の間隔を何cmにするのかって、結構、悩ましい問題でもあるのだなぁ・・・・。 

これで、用が済んだのかとおもったら、液晶テレビのブースに連れて行かれた。寝室に置く、小さな液晶テレビを物色中だとか・・・。 確かに、夜遅く仕事から帰った日には、寝床で、その日のニュースでも見ながら寝たい日も、ままあるのだなぁ。  何でもその日限りの10000ポイントが加算されて、洗濯機を買ったポイントが50000ポイント近くになって、 50000円分の品物が買えるらしい・・・。へぇー。

P1030587そんな訳で、ポイント計算とか現金特別割引とか、あれやこれや、何だかゲーム感覚で、 金額が割り出され、結局、今回は、ポイントをもらうことなく、 現金で32000円ほどの金額をだした方がお得ですよ。 と割り出されて、 シャープの最新型20インチ液晶をゲットしたという訳だった。得したのかどうか・・・・ 何だかよく分からないけれど、 気分が良かった事は確かだ。

家に帰って、早速、価格ドットコムで最低販売価格を見てみると、洗濯機と液晶テレビと1台づつを別個に買うと、確かに、 価格ドットコムの方が安いのだが、2台を合計すると、Y電機の方が20000円近くも安かったのだ・・・。得したなぁ・・・ と思わせるところが、商売として巧いよなぁ・・・・・。

大阪流の値切り交渉で、J電機などで、悪戦苦闘して、販売員と値切りたおして交渉しても、 価格ドットコムより安くなることはないしなぁ・・・・。そんな事を考えれば、常にY電機で家電を買い続ければ、かなりお得です・・・。 となれば、インターネットで買うよりも、実店舗まで足を運ぶ値打ちも出てくると・・・・。たしかに、 大阪流の商売もターニングポイントに来ているのだろうなぁ・・・・・。

そうそう何よりも驚かされたのは、ナンバの店舗まで、大阪駅からシャトルバスが出て、大勢のお客さんが乗っていた事だった。まるで、 海外旅行で免税店に駆け込む団体客を想像させられた。それだけ、その店に足を運ぶ値打ちがあると言うことなんだろうなぁ・・・・・。「商売」 って、凄いなぁ・・・面白いなぁ・・・・とおもった。

 

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