2007年07月15日

台風の接近

日曜日の今朝、起きると、猛烈な台風が襲っている様子を想像していたのだが、空はどんよりとしているものの、穏やかな天気で、 肩すかしをくらったような感じだった。でも、現場のことを考えると安堵した。横に寝ている息子が起きた途端に、台風は?と聞き、その「姿」 を見逃した事に残念がっていた。子供の頃は、私も同じだったなぁ。

台風がやって来るというアナウンスがあると、建築の、特に現場に携わる私たちは、にわかに、慌ただしくなる。「足場はどうなっている・ ・・。足場のシート養生をはずさなくては・・・。バリケードはしっかりと固定されているのか・・・。 風で飛ばされるような資材を置いていないのか・・・」 と、急遽、職人さんを手配し、台風養生をする。多くの建築関係者が、 自分たちの家のこと以上に、現場を心配し、雲行き、雨音、風の唸り声に神経質になって、いつも以上に外の気配に意識を向ける。

うちの会社のある大阪では、土曜日の朝に、建築保険会社から「大型台風4号が接近しているので、充分に注意して下さい」  というFAXが流れて来て、より一層、台風ムードが高まる。テレビの放送やインターネットの被害報告を見聞きして、 コースがもっと海よりになって欲しいと願う。

P1050868P1050866そんなムードが漂う土曜日の朝、京都でリフォーム工事の打ち合わせがあった。 ワイワイガヤガヤ、アーダコーダとお客さんも交えての打ち合わせが終わり、その帰りがけ、そこのお子さんが、ひとりで、 一緒に歩きながら、駐車した場所まで見送りに来てくれた。その時は、次の予定に遅れ気味だったこともあり、「バイバイ」 「アリガトウ」「キイツケテカエリヤァ」と、慌ただしく言って、分かれた。今、こうやって、写真を見て、思い返すと、 その時以上に「カワイイなぁ。アリガトウ」なんて、想う。 こんなかわいらしさ、私の子供時代にはなかったなぁ・・・・。などど、 フラッシュバックする。

昼からは、どんどん風雨が強くなってくる中で、引き渡しがあった。大阪市内の木の家だ。まだ、外構工事が残る。 うちの設計施工の家造りは、お客さんとのコミュニケーションによって、紆余曲折を繰り返しながら出来上がる。 この家も奥様の熱意とオーラを受けて、設計の田中くんと、現場監督の守田くんと、大工の西岡さんが根気強く何度もコミュニケートする事で、 デザインが生まれた。カッコイイとかワルイとかスキとかキライとかヨシワルシは別にして、細部まで奥様のオモイが詰まっているのが嬉しい。 新しい家に触れて、子供達が元気に走り回る。

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P1050920夕刻になり、時折、猛烈に強くなる風雨を、居間の戸に取り付けた、雨戸件面格子件網戸という、 複雑怪奇な、でもわりとカッコイイ戸をちょっとだけ開け、台風の接近をわくわくする気持ちでのぞき込んでいる男の子の姿は、 子供達に共通の好奇心だなぁ・・・と、今朝のうちの子供の姿とダブらせながら、思い返した。

 

投稿者 木村貴一 : 2007年07月15日 13:23 « 耐震補強 | メイン | チュー »


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