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2007年11月25日

ちょこっと京都、ちょこっと奈良

天気が良かった。それに寒くもなかった。それで、ちょこっとだけ奈良に行って、すぐに、帰ってこようということになった。 事の始まりは、先月のことだ。

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何気なく本屋さんで、カーサブルータスの「知らないと恥ずかしい!」「日本建築、デザインの基礎知識」 を買った。 読んでいると、そういやぁ、仕事で京都に行くことはあっても、意外と京都の建築、見たことないなぁ・・・・とおもいながら別冊付録の 「京都建築早わかりガイド」を眺めた。

ちょうど、その数週間前に、小学生の息子の遠足があって、それが、鶴見緑地かどこかの公園に行ったというのだ。そういえば、 前回もどこかの公園のようだった。私たちの頃は奈良などにバスや電車で連れて行ってもらえて、それが、何となく「日本」を知る機会だった。

次の週の日曜日、お昼から時間が空いた。カーサブルータスの題のごとく、私も奥方も息子も日本建築の事、知らないなぁ・・・と思えた。 パカッと開いて、「京都建築早わかりガイド」の001が三十三間堂だった。大阪に住みながら、本の副題のごとく、確かに、 恥ずかしながら、一度も行ったことがない・・・。七条なら近い。ちょこっと行って、すぐ帰ればええか。

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そん な訳で、ちらほらっと雨が降る天気だったけれど、昼過ぎに家を出て、京阪で七条に向かい、三十三間堂に着いたのは3時前だった。京都は相変わらず、 国際色豊かな観光客でいっぱいだ。

圧倒的に長く続く奥行きの建物の中に、圧倒的な数の千手観音があって、その仏像に圧倒されてしまうのだが、 仏像のことは少し脇に置いておいて、ここは、カーサブルータスに従い、そして何よりも職業柄としても、建築的な目線で、三十三間堂を眺めてみる・・・・・。

ゆっくりと見学した後、単純明快な繰り返しが続く、シンプルで美しい建築の印象をかみしめながら、帰りは、JRで帰る事にして、 タクシーで京都駅に向かった。こちらも恥ずかしながら、JRの京都駅に降り立つのは2度目だった。だいたい京都へは車で行く方が多かったし、 電車の時は、ほとんど、京阪か・・・。

P1070940あの京都駅の大階段をはじめて目にした息子は、「うわー、凄い」 「さっきの三十三間堂よりこっちの方が格好ええわー」と言いながら下から上まで元気よく階段を駆け上がって行った。なんだか、 複雑な心境に陥る「私」・・・・・。まぁ、そんなこんなで、夕刻には、家に帰り着いていた。 何というのか、 ほんのちょこっとの京都観光だった。

面倒くさがらずに、ちょこっと出かければ、意外に京都観光も出来るな。ということに味をしめ、今日は、ほんのちょこっと、散歩がてら、 奈良観光をする事にした。今回は昼前に息子を送り届けた後、夫婦だけで、近鉄電車に乗って、奈良へ向かう。東大寺を見て、 ぶらぶら奈良公園を散歩しながら、そのまま直ぐに、家へ帰ろうという計画だった。

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P1090103何十年ぶりかの東大寺だ。勿論、建築的な目線で、東大寺を眺めたことなどなかった。そうだ。 外壁は土壁ではなく、板張りに白く塗られていたのだ。柱は集成材のように木を寄せ集めて一本にしているのだ。 それにしてもでかいななぁ・・・・。そうそう小さい頃、あの穴くぐったけ・・・・。それら、なんだかんだ、実際に見て、 再確認した。

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それ以外にも、中から見る開口部。その影が映る床の素材。芝生の緑。意外な物に心を奪われもした・・・・・。

そのまま帰るつもりだったが、二月堂に立ち寄ることになった。以前、訪れたはのは、何時、誰と・・・。記憶が定かでない。 建築的な目線で見ると、いやぁ・・、ほんと、凄くいいなぁ・・・と、再認識する。

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こんな雰囲気をもった現代建築、住宅、あるよなぁ・・・・。

P1090251 帰り道、若草山の近くで以前に施工した貸衣装屋さんの店舗アンテリーベが入るヒルトップテラスで、 若草山と紅葉を眺めながらコーヒーを飲み、奈良町などを少し散策して、夕刻には家に帰り着いていた。

ほんのちょこっとの奈良観光だった。

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2007年11月18日

循環

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先日まで、暖かかったのに、今日は、木枯らしが吹いた。そろそろ冬がやってきたのだなぁ・・・・。六甲山に行く所用があって、 表六甲ドライブウェーを走ると、これからそろそろ紅葉が始まります・・・・と、そんな印象だった。道路には葉っぱがいっぱい落ちて、 風に吹かれて、くるくると舞っていた。 

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木曜日、和歌山の橋本にある、新築やリフォームを何度かさせて頂いているお宅にお邪魔する機会があった。その日は、 日和も良く 、のどかな農家の風景とも相まって、「里山」っていいなぁ・・・と、心底おもった。「今年は暑い日が続いたので、 柿の味はもうひとつやな。」と言って頂戴した柿は、それでも美味しかった。

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3年ほど前にお風呂のリフォームをしてから、灯油のボイラーのタンクの石油は4分の1ほどしか使用しておらず、 ほとんどのエネルギーを太陽熱温水器からの給湯と薪でお風呂を沸かす事でまかなっているという。すごい省エネルギーだなぁ・・・・。

リフォーム時に、何で、いま時、薪のボイラーを使うのですか?と聞いた。薪の木を作る作業は、雑木林を手入れするためでもあって、 里山の自然を手入れし、守っていくことが、生活のエネルギーも産み出しているのだという。商用エネルギーを使う方が「楽」だけれど、「らく」 するわけにはいかんわなぁ・・・と、語ってくれた話を思い出した。そうそう、これは自立循環型住宅のひとつだなぁ・・・。

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ちょうど、六甲山の家で、暖炉やペレットストーブの話をした後でもあって、 そんな話を今年はじめて火を点けた自宅の暖炉の炎を見ながら思い返した。 それにしても、薪の木を燃やした時、 CO2は、いったいどれぐらいでるのだろうかと調べると、「CO2を出しますが、その発生量は樹木が成長過程で大気から吸収した、 CO2とほぼ同量です」 へぇー、そんな考え方をするのか。木が成長過程でCO2を吸収し、燃焼によって再び大気に戻す。そんな考え方で、 省エネルギーとして、ええのかどうか、よく分からないけれど、意外とたいした事がないらしい・・・?

「木」というものを考えると、いつも「循環」に遭遇するなぁ・・・とおもった。

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2007年11月11日

ナショジオ

気がついたら11月だ。もうすぐ12月で、クリスマスと正月がやってくるのか・・・と考えてみると、一年を反省してみたくもなる。 そうそう、建築確認申請の手続きが、おかしな調子で、、3ヶ月ほど掛かっても確認申請が降りない木造3階建て住宅があり、 地鎮祭は済ましているものの、未だに着工できない。

最初は笑っていたのだけれど、流石にもうすぐ12月かと思うと、だんだん腹立たしくなってきた。施主にとっても迷惑な話だよなぁ・・・ ・・。5ヶ月前までは、2週間、時には1週間ほどで降りていた確認申請が、突如、3ヶ月も、掛かるようになるなんて・・・・。 極端すぎるよなぁ・・・・。バランス悪いよなぁ・・・・。社会全体への経済的ダメージも大きいよなぁ・・・・。と、 ブツクサと言いたい気分だ・・・・・。

このような事態は、日本人の国民性がそうさせるのかどうか、よくわからいけれど、何が根にあるのか・・・と、・・・・書いていたら、 突然、スーパー銭湯に行こうということになった。こんな事考えるより、お風呂でゆっくりして、癒されるほうが、ええんとちゃう・・・ というわけだ。それも、まぁええか・・・・・。

高井田にある銭湯の男湯は子供でいっぱいだった。静かな雰囲気というわけにはいかなかった。後で、奥方に聞くと、 女湯は空いていたという。どうも、女湯の奥様達は、ご主人に子供を預けて、ゆっくりと、湯船でくつろいでいたようだ・・・。

サウナのテレビに映し出されるさんまのドラマを見ているうちに気がついた。最近、続けてドラマを見たことがない。近いところでは、 「白い巨塔」があるか、あれも3回ほど抜けたなぁ・・・。そうそう、かなり前に「冬のソナタ」を続けて見て、し・ま・っ・た・ のが続けてみたドラマの最後か。

実は、ここ2週間、ナショジオベスト30を続けて見ている。 ケーブルテレビのナシュナルジオグラフィックのドキュメンタリー番組で、あなたが選ぶベスト30の事だ。それが、意外と面白い。 今週はベスト5が放映され、いったい、どんな作品がベスト1になるのかなぁと、興味深い。

ドラマやお笑いばかり見ていると、たまに見るドキュメンタリーが面白く思える。ナショジオのドキュメンタリーは、 日本のドキュメンタリーほど、こってりとした人間模様を描いていなくて、淡々と描かれて、意外に、あっさりしている。 気がついたら寝てしまっている事も半分ほどあって、それぐらい、あっさりしているのだ。

そうそう、日本と外国のドキュメンタリーの違いでこじつけると、最近の確認申請が、急に長引き出すのは、 日本人のこってりした心情好きによることから、長々となるのかなぁ・・・・。とサウナでそんなことがよぎった。

お風呂屋さんの露天風呂に浸かりながら、沢山の子供さんの姿を見ていると、今週はお子さんの姿を沢山見たなぁ・・・・とおもった。

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↑東大阪の若江岩田で、アールエイディ設計による乳幼児保育園の工事が、11月1日にオープンして、その様子を見に行くと、 親子連れの子供さん達で、大変賑わっていた。カウンターや机や棚や下駄箱はJパネルを使って造作した。

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 ↑リフォーム雑誌の取材があって、久しぶりに城東区のK邸に訪れると、会社での打ち合わせの時から元気だった兄弟が、 ますます元気そうで活き活きとしていた。将来は大工さんになるのだぁーーと豪語していた。

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↑京都のS邸に行く機会があって、こちらも兄弟がいて、お兄ちゃんは収納の一部に組み込んだ折りたたみ式の勉強机を使ってくれていた。弟は、 メジャーを持ち出して、あちこちの寸法を測って教えてくれた。将来は建築家になるのだろうか・・・・。

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↑本日は、尼崎で、引き渡しがあって、打ち合わせの時はまだ、赤ちゃんだったのに、もうすっかり、女の子になって、 新しい家を走り回っていた。打ち合わせ時は、ひとり子だったのに、新たな生命も誕生するそうだ・・・・。

ブログもちょっとしたドキュメンタリーだなぁ・・・・・。

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2007年11月04日

頭を柔らかく使う?

天気の良い日曜日だったけれど、肌寒かった。紅葉はいつ頃かなと、少し意識した。奥方は、ゴソゴソと衣替えをしていた。 長く伸びすぎていた髪を切りに散髪屋さんに行く。

店の男の子が、髪の毛を洗い、頭をマッサージしながら、「頭柔らかいですね」と言った。「最近、エステで、 頭のマッサージをやっていると、頭の固い人が多くて・・・。3人もすると、腱鞘炎になりそうです」「久しぶりに柔らかい頭に触りました」 と言いながら、しっかりと、マッサージしてくれた。ああ、頭皮の柔らかさが、頭脳の柔らかさと同じだったらええのになぁ・・・・と、 心をよぎっていった。

最近、頭を柔らかく使う事って、何かやってるかね。と考えると、そうそう、つい先日、「自立循環型住宅」の講習会に行った事を思い出した。そういえば、 一年間ほど「木造住宅の耐震診断・ 耐震補強を考える会」に参加して、講習も受けたっけ。

P1080471どちらにも共通していて、興味深い事は、国土交通省が監修するテキストを元に、 講習がおこなわれ、どちらのテキストも大変参考になる良くできたテキストだという事だ。

それと、先日の自立循環型の講習会の講師は、以前からシロアリや羊毛断熱材を依頼していた住まいと環境社の野池さんで、それは、 大変分かり易い講習会だった。

「木造住宅の耐震診断と補強方法」のテキストの解説を中心にした「木造住宅の耐震診断・耐震補強を考える会」は木構造研究所 田原の田原さんとその所員の人が講師をしていて、 弊社の施工する何軒かの新築建物や耐震改修の構造を依頼している。

自立循環型の住宅というのは、すでに実用化あるいは製品化している身近な技術を用いて、 エネルギー消費の半減を目指す住宅をさすらしい。大きく3つのテーマがあって、 自然エネルギーを活用する技術と建物外皮の熱遮断技術と省エネルギー設備技術で、その中にある13の技術と手法で、 省エネルギー効果を目指すとのこと。

13要素のどれもが、弊社でも今まで何らかの形で、施工している技術である。断熱、遮蔽、通気、通風、省エネ設備、その他・・・・。 それらを分かり易く、しかも体系的にまとめられているのが、良い。そして、それを、基準の住宅に対して、 何パーセント省エネになるのかを数値化して、説明出来るところが、面白い。

うちの会社にとっては、外断熱か内断熱かというような議論に巻き込まれず、わりと曖昧に議論されていた事が、それなりに明確化され、 今まで、弊社で取り組んでいるそれらの事柄に素直な取り組みを続けながら、素直な説明をできそうに思えた。

考えてみれば、耐震診断にしても、現状の建物を基準にして、どれほど強くなるかを数値として知りたいわけだし、 温熱環境も断熱材やペアガラス、その他の様々な手法にお金を費やしつつも、それが、数値として、 どれほど省エネルギーになるかを知りたかったのだと思う。我慢することだって必要だしね・・・・・。

耐震診断にしても自立循環型住宅にしても、その信憑性はともかくとして、目新しい技術を使わずに、今まである技術をもとにして、 新たな関係性を再構築しているところに新しさを感じたりする。いずれにしても、 空間性やデザインや収納と共に構造と温熱環境をしっかりと取り組んでいくことが、これからの住宅には必要不可欠な要素だなぁ・・・・。

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