2008年07月27日

苦楽

散髪屋さんで、若い店員さんが、私のヒゲを剃らして欲しいというので、剃ってもらうことにした。肌が柔らかくて、髭が堅いので、 剃りにくいヒゲらしい。今までは、マスターが剃ってくれていた。

剃ってもらって気付くのは、刃が肌にあたる角度とか、一回のストロークの長さとか、そのスピードとかが、マスターと全く違う。 ということだった。「ちょっと痛い」と微妙に顔をしかめると。スミマセンでした。と恐縮しながら、謝って、終了後、 ひげ剃りの感想を求めてきた。

答えながら、気付いたのだけれど、、ひげ剃りの刃から伝わる、角度やスピードやその他の雰囲気を感じ取って、「肌」は、 緊張したり安心したりしているのだ・・・とおもった。それを、「肌が」とよぶのが良いのか、「私が」とよぶのが良いのかは判断がつかないが、 とにかく、「髭よりも肌」の方に注意をはらうことが、大事なのかも・・・・・・。

図と地」 なんていう言葉が浮かぶ。

そういえば、散髪屋さんのマスターが、「ひげ剃りのコツは、左手で張り手をして、しっかりと肌を引っ張りながら、右手に持った刃で、 髭をきっちりと・・・・。左手を上手に使うのがコツで・・・・。」なんていう言葉を思い出す。

「次回は、マスターに髭を剃ってもらって、それをよく見てみようとおもいます。その時、仕事が暇で、見学できる時間があるのかどうか・ ・・。」という。という事は、私は、店の閉店間際に、髭を伸ばして、散髪に行けばエエのやね・・・・・・。

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そんな、会話をしながら、うちの若い大工さんたちの姿が浮かんだ。「鋸を真っ直ぐに切るというのは、難しくて、 なかなか真っ直ぐに切れませんワー」という。棟梁に叱咤激励を受けながら、続ける。勿論、私から見れば、充分に真っ直ぐなのだけれど、 「いや、いや、まだまだ・・・」らしい。一生かかって、「真っ直ぐに切り、真っ直ぐに削り、真っ直ぐに彫る」を探求するのが大工だ・・・・・ ・・とも。

「今の若いもんは・・・」なんていう言い方もあるけれど、シンプルな作業の中にシンプルな喜びをみいだそうと、「苦楽」 している若者だって、きっと、潜在的には、沢山いるのだろう・・・・・とおもう。

DSC00111 シンプルな喜びで、思い出したのだけれど、今週の大阪は、とにかく、暑い、そして、 現場に行くと、もっともっと暑い。現場の打ち合わせに参加すると、大工さんたちが、とにかく窓を開けて、風を入れていた。 時には扇風機なども持ち込んでいる。その窓から、心地良いええ風が吹いてくると、「あぁ、涼しいいい!!」と、皆で、実感する。 そして、シンプルに嬉しい。

クーラーでない、自然の涼風。会社で、冷房がしっかりと効いた快適な部屋で過ごす時間が長くなると、ついつい、 自然の涼風を忘れがちになって・・・・。  高気密高断熱であっても涼しい風が通り抜け、太陽の恩恵もいっぱい受けて、 自然素材にも囲まれ、デザイン性もあって、やっぱり収納も充実してて・・・・・・と。

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確かに、気密、断熱、耐震というのは今や、社会的に求められている大切な技術で、新築は勿論、リフォームでも、 しっかりと考えることが求められている。

リフォームの時は特に、構造設計士や環境アドバイザーに意見を聞き、構造や環境の「数値」を第一義にしながらも、その現場に応じた 「カイゼン」や「応用」が必要になってくる。まぁ、そんな事も、リフォームの「苦楽」であったりするのだ。

お施主さんと一緒にちょっとした「苦楽」を共にしながらつくったリフォームのオープンハウスをします。ご都合がつくようでしたら是非。

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投稿者 木村貴一 : 2008年07月27日 18:54 « 朝の滴 | メイン | それぞれの夏がはじまる »


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