2009年05月24日

断熱(北斎と富士とB級グルメの旅その4)


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家の断熱というものをどのように考えるのか・・・・。そんな事を、あらためて、勉強してみようという事になり、社員や大工さんや手伝いさんを交えて、野池さんに、講習会を開いてもらったのは、今週の事だった。

それは、省エネ改修促進税制 とやらが、4月1日から創設されたのだとか・・・・。次世代省エネ基準が等級4で、それは・・・・。等級3が、通称、新省エネルギー基準と呼ばれ、それがつまり・・・・・。それぞれの壁の断熱材はグラスウール相当で、これぐらいを入れる必要があり、天井は・・・、床は・・・・。と、野池さんが語ると、大工が、「グラスウールかぁ。あれ、カユイからイヤやなぁ! 大工の体に悪いのは、住んでいる人にもエエことないでぇ!!」と。椅子席から、ヤジを飛ばす。皆から笑いがわき起こると共に、「なるほど」と、なんだか納得したりして・・・・。

そんなこんなの、吉本新喜劇風の、ベタなやりとりや、ヤジが飛び交う、講習会ではあったものの、次世代省エネルギー基準とやらが、ほんとうに、この大阪を中心とした、関西の住宅にとって、相応しい基準なのかどうか・・・・。確かに、それは、間接的に、CO2削減に貢献し、地球環境に貢献するのだろう・・・・。まぁ、とにかく、そんな事が、住宅の善し悪しを決める基準のひとつになるのら、それぐらいの事は、いつでも簡単にクリアー出来る、その態勢は、整えておきたい。と、おもう。

最近のリフォームでは、断熱性能を上げたいという要望と、耐震性能を上げたいという要望は、ベーシックな事柄になってきているようだなぁ・・・・・。なんて事と、新型インフルエンザと白いマスクと休校の学生達とそれらが及ぼす経済への影響と家にいる子供の姿が支離滅裂に錯綜するのだった。

 

そうそう、「ゴールデンウィーク、北斎と富士とB級グルメの旅」の続きでも・・・・・。

DSC07632大井川での宿泊は、列車が鉄橋を渡る音が、時として、うるさく、2、3回、眠りから引き戻されそうになる。いや、それは、「風情」だと思えば、それなりに、「フゼイ」でもあった。夜の9時頃に寝るなんて事は、年に、数度の事で、流石に、目覚めは早く、夜明けと共に、鳥の合唱があちらこちらから聞こえてきた・・・・・・。

DSC07634折りたたみ自転車を取り出して、川沿いを一時間ほど散策すると、家族も起き出し、息子はスケートボードを取り出して、ゴロゴロと滑り出し・・・。そん事をしている間に、お腹も空いてきて・・・・。そんな通常とは違う朝だった。

  次のチェックポイントは「駿州江尻」で、それは清水港の周辺で、富士を見る予定で、国道を使っても1時間もかからない距離で、到着まで○○分です。と、ナビが、女性の声で、それが、親切か不親切かは別として、伝えてくれていたとおもう。

DSC07641とりあえず、製紙工場の煙突から出る煙を眺めながら、出発した。その大きな工場を見て、「そうそう、このあたりは、パルプで有名なんや」と、「現役」の息子が、社会科の知識を言うと、そうそう、習ったワ・・・・と、夫婦そろって同時に発声し、少々の見栄などもはりながら、朝早くのガランとした島田の町を通り抜けた。

朝ご飯を探しに、取り敢えず、焼津港に立ち寄ってみる。朝の7時過ぎなので、開いてる店は、マクドナルドとか・・・。流石に、そこで、食べる気は起こらず、それは、今回の旅は、B級グルメの旅でもあって・・・、それじゃぁ、マクドナルドは、いったい何級なのぉ・・・と、考える事ぐらいにとどめておいて、通り過ぎる。

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焼津港周辺をうらちょろして、諦めかけた頃に、開いてる店を見つけた。漁業組合が経営しているのだろうか、朝の8時前だというのに、満員で、地元の人らしき人や、観光客らしき人、ライダーなどなどが、ぞくぞくと、入ってきた。結局、朝食が出てくるまでに30分ほど待つことになる。

朝から、丼もんを食べた記憶がないのだけれど、とにかく、廻りの人々の食べる勢いと、その皿のその美味しそうな雰囲気に圧倒されて、マグロが入った三色丼とやらを食べる。目の前の同じような観光客が注文した桜エビのよせ揚げを見て、あぁ、それにすれば良かった・・・と、恨めしく思えるほど、美味しそうに見えた。それにしても、待ちくたびれたことを帳消しにするほどの、かなりの満腹感と満足感。

だいたい、満腹になると思考回路もだらしなくなりだし、道路標識にあった、「登呂遺跡」というのに、反応してしまい、予定には全くなかったのだけれど、ちょっとだけ、寄り道をしてみようという気が起こる。まぁ、考えてみれば、この旅全体が寄り道のような旅でもあった。

DSC07657 縄文の遺跡には、野や山や川や海や湖があり、風光明媚で、あちらこちら、それなりに巡ったのだけれど、弥生の遺跡には、あまり馴染みがなかった。あらためて、見ると、それは狩猟採集でなく、水田だぁ。稲作だぁ。とおもった。

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ほんとうに、その当時の木組みが、こんなふうであったのかどうかは、定かでなく、疑問の余地もあるのだけれど、木組みの、小屋組の、原型のような展示だなぁ・・・・と、考えながら、水田跡のあぜ道を歩いていると、気になるアプローチに出くわす。

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芹沢美術館というらしい。アフリカの造形という展示をしているらしい。朝食におもわぬ時間がかかり、予定外の登呂遺跡に立ち寄り、もう既に10時になっていたのだけれど、寄り道ついでにもう少し寄り道を・・・と、おもわせるほど、ちょっと、ぞくっとするアプローチだった。今回の旅では、「感動的な富士山」を見ることはできなかったのだけれど、何よりもの感動は、この建物だったのかもしれない・・・・・。

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入り口に入りると、石とナラらしき木組み風の天井が不思議な融合をし、やっぱり、ぞくっとする。受付の人に設計者の名前を聞くと、 白井晟一 だと・・・・。そうか・・・。そういえば、五島列島を旅行し佐世保に立ち寄った時に、親和銀行を見忘れた事に、少々後悔した事を思いだした。写真撮影してもいいですか、と聞くと、観覧者に迷惑でないようにお願いしますと、笑顔で、快く応じてくれる。

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不思議な世界感だった。展示の関係か、自然光が入らないように、窓にカーテンがしてあり、そのため中庭の池がみえなくて・・・、光が入った空間が見れなくて・・・、それが、何よりも残念だったのだけれど、見学して良かったなぁ・・・・、寄り道して良かったなぁ・・・・と、おもえた。

そうそう、近くにあった移築された芹沢邸が、最近の工務店がつくる、木組みの家づくりの原型のようでもあって、それはそれで興味深くもあり・・・・・。

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そんな訳で、ブログ上でもクドクドと寄り道をしてしまい、まったく、先に進まず、そろそろ、この旅のブログも疲れが見えはじめ、もっと、端折って書いて、次回で終わりにしようとおもうものの、富士の旅のはずなのに、富士の写真がほとんどなく・・・・。いやぁ、最後まで、その写真をお見せできそうにもなく、あぁ、「おち」がない事にも気づきはじめ、その自分自身と、この旅のブログへの焦燥感なども、少々わいてきたりして、ちょっとした、断熱状態に陥りそう。そういえば、新型インフルエンザからは断熱したいねぇ・・・・。

という事で、唐突ですが、冒頭の写真は、芹沢美術館でのラウンジからの庭の眺め。そこで頂いたお茶が、その部屋の雰囲気と相まって、美味しく感じたなぁ・・・・・。

投稿者 木村貴一 : 2009年05月24日 23:54 « 桜えびの味(北斎と富士とB級グルメの旅その5) | メイン | 保険(北斎と富士とB級グルメの旅その3) »


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