2010年09月19日

イヤホンとモノと縄文土器

朝晩が涼しい。

990d33d6-af1f-4d55-838c-4d354415c2e2以前に試聴して、気になっていた、Ultimate Ears Triple.fi 10 PRO というイヤホンを買う。ネットを見ていて、それなりの激安を見つけ、ついついクリックしてしまった。きっと、気候のせいだとおもう。涼しくなったのが、影響したのだ・・・。

現在は、ゼンハイザーのイヤホンを使っていて、高校生の頃から、026f3409-76b6-4524-964e-dc47cbdfe789ゼンハイザーのヘッドホンを使い続けてきたので、ゼンハイザーファンであるのだけれど、それで、ゼンハイザーのIE8を買うつもりで、試聴してみる。いま持っているイヤホンなんて、何だ、これ、とおもうぐらい、エエ音。

もののついでに、話題のメーカーのUltimate Earsをはじめて試聴してみる。あの小さなイヤホンの中に小型スピーカー1基と中型スピーカー2基が、入っているらしい、Triple.fi 10 PROというやつ。何だ何だ何だと、二つ三つ続けたくなるぐらい、こんなの聞いたことないよ。とおもうほど、不思議な音感と解像度。バランスド・アーマチュア型ヘッドホンと呼ぶらしい。

店員さんに、他にどれかエエのぉ。と聞くと、shure(シュア)を進めてくれた。レコード全盛の時には、shure(シュア)の針を使っていた事を想い出しながら、shure535を試聴する。BA型ヘッドホンで、これもなかなか凄い。UEのTriple.fi 10 とまったく違うが、甲乙つけがたい。もう、ダイナミック型ヘッドホンと呼ばられるIE8は候補からはずれてしまうが、いずれにしても、3、4万円以上の価格がして、衝動買いする気には、全くなれない金額。それが、一ヶ月ほど前に、息子と二人でぶらついた日本橋での出来事だった。

そんな伏線があり、3万円を切る価格の10Proを見て、気候のせいもあって、クリックしてしまう。そして、即納された10Proを聞く・・・。家で、ゆっくり聞くと、思った以上にキンキンした音。ピアノの音が辛い。家で聞いているスピーカーと真空管アンプから出る、柔らかい音に慣れているからだろう。shure535とかゼンハイザーIE8の方が良かったかなと、後悔が起こり始める。

まま、人間の心理なんて、そんなもんだ。とおもう。常に、迷いとか後悔とか諦めとか見切とかが、つきまとうものだ。手持ちのダイナミック型イヤホンと呼ばれるゼンハイザーの方が、意外にエエと思える曲があって、失敗じゃないのぉと、迷いが募る。家づくりにおいての決め事も、きっと、同じなのだろう・・・・。そう言えば、誰かが、今は、「失敗をしたくない時代」だと言っていた。

こうなると、shure535やIE8を買って、じっくりと聞き比べたいという、探求心とか、その構造のしくみと違いを知りたいとか、物欲というのも湧いてくる訳で、そういうジャンルの「遊び方」な訳であって、私のような世代は、伊丹十三とか、ポパイなんていう雑誌に影響され、「カタログ」を見る楽しさとか、「モノ」へのこだわりのレクチャーを受けたから、そうなってしまったかもしれない・・・・・。

─────────── 2010年のお盆休暇 「縄文土器」 ───────────────
お盆の旅行の初日に、能生で、カニを食べた後、小雨交じりのどんよりした天気の中で、海水浴をする。海水浴には、シュノーケルとか、フィンとか、ボディーボードを持参し、岩場が多いところなら潜るし、かなり遠くに岩場があれば、遠泳をするし、波があれば、ボディーボードでもする。、穏やかであれば、ひたすら浮かぶ。どれもが楽しい。今回は、そこそこの波があったので、ボディーボード。サーフフインでないのが、気恥ずかしいが・・・・。

本来なら、そんな事で、一日中海に浮かんでいるのだけれど、生憎の雨混じりの上に、少々、年齢がいった事もあって、根気も薄れ気味で、とにかく、温泉にゆっくりと浸かりたい気分になって、早々に引き上げることにした。それで、糸魚川温泉まで戻る事に決める。あっ、そうそう、糸魚川まで戻るのなら、ジオパークとかフォッサマグナミュージアムとか長者ケ原考古館で縄文土器も見たい・・・・。という「モノ」への衝動。

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私の「モノ」への衝動の中で、縄文土器 への憧れは、なぜだか強い。理由はよくわからないが、かなりゾクゾクする。一種のジョウモンフェチだね・・・・・・・。村松貞次郎さんの大工道具の歴史という本によると「材料と対話し、それをモノにするための、その対話の通訳者になってくれるのが道具である。」とあって、それは、大工道具のノコやカンナの話であるわけだけれど、日本人の大工さんが、材料と大工道具で対話する、そのルーツには、縄文土器というモノ造りの先人たちの、「モノ心」が、宿っているからではないのか・・・・・などと、考えて見るのが、ある種のジョウモンアソビであって、これが、意外と楽しい。

長者原考古館で、ケースに入っていない火焔土器を見ていると、手にとって、抱きかかえたい、という衝動が、ふつふつと湧いて来て、誰かが見ていない空きに・・・、などと、よこしまな気持ちと葛藤を繰り返している「私」が、そこにいたのだった。

そうそう、フォッサマグナミュージアムには、「石」がいっぱいあって、奥方が、いままで見たミュージアムの中で、もっとも興味深く見ていたのが、妙に印象に残った。なぜ、女性は「石」が好きなんだろうかね・・・。そういえば、ヒスイの産地でもあって、縄文人はヒスイ玉という「モノ」に憧れていたらしい。モノのルーツはジョウモンにあり。かね?
─────────── 2010年のお盆休暇 つづくかも ───────────────

Ultimate Ears Triple.fi 10 PRO というイヤホンをiphoneに差し込んで、聴きながら、この最後の段落を書くことにする。この音の好き嫌いは別にして、確かに刺激的な音であって、脳幹を刺激する何かがあることは確か。「モノ」造りの面白さを感じるわけで、昨晩は、これを耳に差し込んだまま、食事をし、家の中をウロチョロし、そのあと、刺激的な音を聴きながら、窓を開け放ち、ソファでゴロっとしていると、気がついたら、寝ていて、秋の気配を感じる肌寒さの中で、目が覚めたのが、朝の4時の事だった・・・・。

素敵な連休を!

投稿者 木村貴一 : 2010年09月19日 00:02 « 山ガールと「木村家本舗」のお知らせ | メイン | サヌカイト石の風鈴 »


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