2011年01月09日

年頭所感

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お正月に宿泊したホテルの露天風呂から日の出を見た。しばし、考えた。いわゆるクラシックホテルを増改築し、リニューアルしたらしい。建築を媒介にして、自然に接しているわけで、建築空間や食事やホスピタリティー(おもてなし)やそこで寛ぐ時間に、お金を払っているわけで、そのなかでの建築空間の占める割合は、かなり大きい。建築のもつ力。というと、大げさすぎるが、そんな事をふとおもった。

確か、経済3団体の年頭所感だったのか・・・・

日本経済は長期の景気低迷にあえいでいますが、個々の企業とすれば「守り」から「攻め」へ転じる時にきています。つまり、新事業の推進やビジネスモデル再構築による「成長戦略」の展開であり、企業はそれ無しには持続可能性を維持できません。

新事業やビジネスモデルの再構築を助けるための「建築力」が求められているのだ。と、リニューアルされたホテルを体験して感じた。同様に、住宅に於いても、新しい住まい方や今までの住まい方の再構築がなければ、いまとこれからの家族関係やライフスタイルが成立しにくいのが、現代社会なのだろう。それに相応しい住まいへの建築力や工務店力が求められているのだ・・・・・。

ホテルで、我、何となく、思う。客室やメインダイニングやロビーでの、素敵な内装が、大切な要素のひとつだろうが、それ以上に、心地良い、嫌みのないディテールが、より求められているのだな。と。内部空間偏重の座敷牢的、ラブホテル的空間よりも、外部空間との、心地良い関係性をもつための空間、例えば、露天風呂とか、縁側的な部分とか、そういうものが、より求められていて、そのための窓やその他のディテールが、ほんと大切だな。と。そういえば、年末に立ち寄った京都とらやでも、同じような事を感じた。

昨年末の宴での事。ある設計者が、笑い飯は笑われヘン。銀シャリがスキ。スタイルよりもディテールが大切なのだ。と言った。なるほど。別の設計者から、最近の職人や現場監督の良心と意識の問題を指摘された。確かに。

いま、求められている、住まいや家づくりとは、それは、いったい、何なんだろうか・・・。そんな事を皆と一緒に模索しながら、施主さんや設計事務所さんや職人さんや社員と、家づくりの「良好な過程」を一緒に共有できる、プロフェッショナルな集団として、精進していきたいものだな。と、ほんとにおもう。

建築のもつ力が、自然環境や地域社会や界隈に与える影響と恩恵を模索しながら、ちょっとした社会貢献が出来ればエエね。ささやかだけれど役に立つ工務店として、存在したいものだね。を、2011の年頭所感としておこうかね・・・・・。

年賀状2011

投稿者 木村貴一 : 2011年01月09日 18:16 « 運命 | メイン | 継続 »


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