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2012年07月29日

我慢とか忍耐とか貢献とか省エネとか

暑い。大阪市内という環境下で、クーラーをかけないという生活スタイルがあって、ちょっとぐらいの暑さ「我慢」するわ。という自然志向的なスタイルは、それはそれで、カッコエエともおもうし、憧れもするが、「私」は、クーラーをかける派。

いや、それが、こんなふうに書き出してみると、今日の早朝も、夏休みに入った息子と二人でランニングして、暑さで、バテバテヘロヘロで、途中走るの止めよかなと思ったが、そんな心のぐたぐたに耳をかしても、家までたどり着かないので、ゆっくりと走って、家に到着し、家の前で、すでに何分か前に到着していた息子と二人で、Tシャツと短パンを着たまま、ホースで水を頭からお互いにかけ合いながら、なんともいえぬ笑顔になって、気持ち良さを満喫し、まぁそれをサブカルチャー風にナチュラルハイとでも呼ぶとして、つまり、それが、いったい全体、なにが面白くて、こんな暑い日に、「我慢」してまで、ランニングをするのかという訳。

ひょっとして、クーラーを「我慢」する方が、世のためになるのだ。電気エネルギーの消費を減らして、それは原子力問題に繋がる「我慢」な訳で、ランニングして、汗かいて、大量の水分補給して、体内から噴出する熱気と部屋からのじわっとした熱気の、うちそと二重に襲う熱気に我慢できず、クーラーをかけて、涼む。というのはひょっとしてとっても間違ったスタイルなのかも。「我慢」の仕方が違うのかも。と素直に反省するものの、いやそれは「我慢」でなくて「忍耐」なのだ。「我慢」はストレスをためるが、「忍耐」はなんか目指すようなものがあっての「我慢」で・・・と、とっても支離滅裂に言い訳がましい「私」。

「贅沢は敵だ」という世の中があって、それが「贅沢は素敵だ」という世の中になり、きっと「クーラーのある部屋」は、「贅沢は素敵だ商品」からうまれたライフスタイルなのだろう。木村工務店の1階の加工場には職人事務所なるものがあり、朝7時頃から職人さんが集まっていて、この暑い夏の日はクーラーをぎんぎんに効かして、30分ほどだけその中で過ごしながら、なんとなくミーティングをし、そんなあいまいな時間を通じて、日ごとに変化する気分のむらのようなものを調整し、灼熱の現場に出陣する職人さんたち。

灼熱の現場から帰ってきた職人さんは、クーラーがぎんぎんに効いた自宅で冷えたビールを飲んで至福のひとときを過ごし、「プチ贅沢」を味わっているのかもしれない。現場の職人さんにとっては、灼熱の現場とぎんぎんに冷えたクーラーが、灼熱のサウナと冷たい水風呂のような関係に近いものがあって、職人さんの体の構造もモダンになってきたのか、清見原神社を造ったオキ棟梁も、真夏の朝と午後3時と午後5時にぎんぎんに冷えた職人事務所で和む。そのベレー帽にサスペンダーに雪駄姿の棟梁を見て、あの厳しい棟梁もこんなのは「我慢」しないのだ。と妙に感心した事をおもいだした。

電気代金を節約するためにクーラーは我慢するわ。みたいな省エネ型の節約もあり、電気エネルギーの消費を少なくして原子力の問題に貢献するためにピーク時のクーラーを我慢するわ。みたいな貢献型の節約もあり、クーラーの効いた部屋で気持ちよく寛ぎたいわ。その代わり趣味のものに使うお金我慢するわ。クーラー代はタバコ代みたいな感覚で自分でお金払うから。みたいなプチ贅沢型我慢しない派もあり、どれもが、「我慢」というより、ちょとした気分と目標のための「忍耐」程度のものであって、それぞれが、楽しく忍耐しているのに、曖昧模糊として整理整頓されない電気エネルギー問題が、暑さ=電気エネルギー消費=原子力発電=罪悪感が、なんとなく結びつき、エネルギー問題は、どんなバランス感覚がエエものかと、ほんと、よおわかりまへん。

それにしても、太陽光パネルが、ほんとうにエエのかどうか、確かにピーク時の電力を補うことには大いに役立ちそうだと想像できるので、ピーク電力カットに貢献する太陽光パネルは取り付けるとしても、おもいのほか高い電気代金のエネルギーを創造することになって、ほんとうに将来の子供達のためのエネルギーになるのかどうか。太陽光パネル利権とか売電利権とか新たな利権が発生しないの・・・。勿論、当然、あんな恐ろしい結末を招く原子力発電をそのまま安易に許容することもできず。とにかく、もっとも曖昧模糊として整理整頓できていないのは「私」の脳内なのです・・・。

そんなエネルギー問題の整理整頓のためのワークショップが先週にあって、それは前回のブログにも書いたのだけれど、その整理整頓ワークショップに参加して頂いたお客さんが、こんなブログ→を書いてくれて、そのブログを読んだ奥さんが、本日の住宅相談会に参加して下さり、その打ち合わせの席で、そのブログの事を教えてもらった。それで、ちょっと一部を引用させてもらうと・・・、

Pop Angel

桃谷駅近くのカフェ「アニィ」で、ランチをやってます
お茶だけでもOKなので、お気軽に遊びにきて下さい
ワークショップなどのイベントなどもありますので、出会いと交流の場として、皆様のお越しをおまちしてます

木村工務店のワークショップ

(前略)

次は一級建築士の米谷良章さんエネルギーの整理整頓のお話・・

これもまた、え~!!そうやったん!!って叫んでしまうほど、今まで信じ込んでたことが

全く違ってたんです汗

省エネって言うけど、冷房を節約ぐらいしかできないなあ~けど、暑いし!と思ってたら、意外にも冷房より給湯や冷蔵庫などの家電の電気代がけっこうかかってたり・・

シャワーのだしっぱなしは絶対NGダウン出来れば、節水ヘッドをつけるのがいいみたいニコニコ

今は1985年の消費エネルギーと比べて、産業部門は変わらないのに対し、家庭は倍以上になってるんです!!!

パソコンのつけっぱなしもダメダメNG

原発反対と言うだけでなく、その前に家庭で省エネをすることも必要ですともおっしゃてました

それくらい家庭での消費はすごいんです叫び

明るく楽しく省エネしましょう音譜それが、ひいては私達の地球を大切にすることにつながっていくと思います合格

(後略)

「まちのえんがわ」のワークショップとその参加者によるブログとそれを読んだお客さんにご来店頂いたという、「縁」が「繋がる」という事が、「縁側」の本質的なところで、とっても嬉しい出来事なのだけれど、それよりも、「私」にとっても、まだまだ整理整頓できていない省エネの問題を、我慢したり忍耐したり貢献したり我慢しなかったりしながら、時には省エネに費用もかけて、この暑い夏を楽しく過ごしたいものだなぁ・・・・。

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2012年07月22日

収納と家庭のエネルギーとお金の整理整頓

3つのエコ「収納・省エネ・お金」の整理整頓というワークショップを催す。参加者は8人と、今までのワークショップの中ではたいへん少ない人数で、まぁ、でも、とってもアットホームなワークショップになって、なんと言っても、それぞれの講師の内容がとっても良くて、できれば多くの人にその話を聞いてもらって、一緒に共有したい内容だった。

DSC05269最初は「住まいの整理整頓」で、講師は、BAIL.INTERIOR(ベイルインテリア)金城貞美さん(http://bail-interior.com/)だった。もちろん、「私」にとっても収納のお話を聞くのは初体験で、聞くまでは、どことなく、それぐらい、知ってるわ。的な気持ちだったが、なるほど、そうなんだ。そうそう、そうだよな。みたいなノリで、この内容なら、なにも片付けができない主婦向けではなくて、うちの社員や大工さん、それだけではなくて、協力業者の皆さんにも聞かせたい内容だった。

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こんな表があって、「整理」は必要なモノと必要でないモノとを分ける事で、「収納」はそれらの分類されたモノを使いやすい場所に納めることであり、「整頓」とは、その納められたモノを整えることで、「片付け」は、使ったモノを元に戻す事であるという。だから収納さえ適切に出来ていれば、「片付け」は誰でもできるようになるので、まず「整理」をしっかりと考えることが大切なのだと・・・・。

「収納」というのは、まず「整理」してからでないとできないし、元に戻す場所が決まっていなければ、「片付け」もできないのだという。確かにそのとおりで、家庭での収納も大事だが、「社長」という、いま会社での立ち位置を考えると、社員や現場の職人さんとの間で、こういう図式が共通理解となるように努力しなければならないのだろう・・・。

他にも面白そうな話がいっぱいあって、うちで家を建てる人に、こういう収納アドバイスのサービスが提供できればと、大まじめに考えてみた・・・。実は、金城さんと知り合ったのは、「まちのえんがわ」のワークショップに参加してくれた事が「縁」で、なんというのか、こういう繋がりはとっても嬉しい。

休憩をはさんで、次は、家庭のエネルギーの整理整頓で、講師は米谷良章設計工房 一級建築士 米谷良章さん(http://mai-a.jp/)で、関西大学の木造設計製図の授業を一緒に担当している間柄でもあり、音宴の仲間でもあって、そんな事よりも本当にすごいエコ住宅をつくる本『本当にすごいエコ住宅をつくる方法』(野池政宏氏と共著 2011)/エックスナレッジ の著者であって、家庭の省エネには、めっぽう詳しい。うちの奥方は、米谷さんが作成した「冷蔵庫買い換え省エネ度合いは何%」という資料を見て、即断で冷蔵庫を買い換えた・・・

「私」にとっては、それなりのレベルで理解しはじめている省エネの話なのだけれど、参加者の皆さんにとっては、新鮮な話だったようで、前回のブログに書いた1985住宅ジャンルの話も面白かったが、一緒に参加した奥方が言うのには、消費電力の話が特に印象に残ったらしい。

電力消費量が「kwh」と表示されて、その「wh」は消費電力×時DSC05275間の事で、例えば、一日に約1000ワットの電子レンジを約10分ほど使うと、1000w×0.2h=200whとなるのだけれど、蛍光灯40ワットを一日付けっぱなしにすると、40w×24h=960whとなって、電子レンジ使うより蛍光灯の付けっぱなしの方がアカンでぇ・・・。という話。

もっとエエ話がいっぱいありそうだったが、残念ながら1時間で時間切れとなる。珈琲&ケーキの休憩をはさんで、最後は、(株)ビジネスアスリート 後藤俊孝さん(http://mbp-osaka.com/biz-athlete/)が講師となって「お金の整理整頓」のお話。後藤さんとは普段は仕事上で、新築やリフォーム工事での住宅ローンアドバイスを望むお施主さんにむけて個別アドバイスしてもらっていて、特にリフォーム工事で、住宅ローンとして借りられるように、銀行と面倒くさがらず丹念に交渉してくれるのは、後藤さんならではとおもう。

今回のワークショップでは、そういう住宅ローンの話ではなく、家庭のキャッシュフローとライプランの話だった。「収入ー支出=貯蓄」で貯蓄を殖やすには収入を増やして支出を減らすという至極当たり前の話なのだけれど、例えば収入を増やすのには、奥様が働き、それが、103万円までなら税制の問題で扶養家族としたままで、税金を取られずにまるまる収入となって・・・。なんていう税制の問題を整理整頓して話してくれた。

DSC05281支出を減らす事は、(1)基本生活費 (2)住居費 (3)教育費 (4)自動車 (5)保険 が主な項目で、基本生活費の削減は「収納の整理整頓」とも大いに関わり、住居費の削減は「省エネの問題」と大きくリンクする。また、教育費がいかに費用として、大きな支出であり、そして削減しにくい数字であるかと表で示してくれて、後藤さんの専門分野である保険費の話などは、オタク的で、入院保険や火災保険など、たいへん興味深い話だった。「私」はいつも後藤さんのことを、住宅ローンと保険のマニアックなオタクと呼んでいるたのだけれど、ますますそのオタク度的印象を深めた・・・・。

ワークショップ終了後、何回かワークショップに参加してくれている大学生のBくんが、学校の授業より、勉強になる話ばかりで、話を聞いていると、『本当にすごいエコ住宅をつくる方法』という本を買おうと決めました。同級生や後輩にもワークショップの参加を勧めているんです。なんていう表現をしてくれて、少ない人数で、講師の方々には申し訳なかったけれど、開催して良かったなぁ・・・・と。

「収納と家庭のエネルギーとお金」の整理整頓のお話は、家づくりと関わる話なのだけれど、家を新築したりリフォームしたりする人のためだけではなく、広く多くの人たちに知って欲しいエエ話で、機会があれば、是非もう一度、このスペシャルな3人と、「3つのエコ」を再演できたらなぁ・・・・とおもう。

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2012年07月15日

省エネな夏の暮らしのための「窓」

蒸し暑い。とうとう夏がやって来た感じ。この夏は、省エネの夏なのだろうが、エネルギー問題の世情が、曖昧模糊としていて、よし、省エネ頑張るぞ!みたいな気分が、いまいち盛り上がらないのは「私」だけなのか・・・。

家庭のエネルギー消費量と電力消費量を半分に減らそうという運動があって、それが1985運動と名付けられ、そういう住宅を1985住宅と呼ばれているのだけれど、まぁ、その運動のコトはともかくとして、いま、電力供給制限の可能性があるわけで、そんなご時世を考えると、それぞれの家庭の電力消費が半分になれば、原子力問題も解決するかも・・・・。まぁ、原子力問題は、そんな単純な話ではなさそうだけれどね。

それに、地球温暖化=co2削減というテーマもあって、それはいわゆる化石燃料の消費の事なのだという。ちなみに核エネルギーは化石燃料ではないので、地球温暖化の障害にならないらしい。それで、その化石燃料の消費エネルギーを算出するのに、電気ガス石油の消費エネルギー、ちなみにそれを2次消費エネルギーというらしいが、その使用量から電気ガス石油のそれぞれに決められた換算係数をかけ合わせて算出されるのが、一般にいわれる消費エネルギーの事で、それは一次消費エネルギーというらしい。兎に角、その一次消費エネルギーも半分に減らし、電力消費も半分にするという住宅モデルを考えようよ。というのが1985運動のテーマで、下がその表。

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一般的によくある電気+ガス併用の2011年標準モデルは、大阪に住む4人家族を想定し、ある条件の元で消費エネルギーを算出していて、左端のように試算できるらしい。それで、一般的なガスと電気併用住宅では、普通の断熱性能でも、4KWの太陽光発電を乗せれば、電力消費半分で一次エネルギーも半分の住宅になるという。また、オール電化住宅では、次世代省エネ基準という高断熱な性能に、エコキュートと3KW程度の太陽光発電を設置する必要があって、それは電力消費量を半分にするための条件がオール電化故に厳しくなってしまう事が、当たり前といえば当たり前の要因。

右端はガス+電気併用住宅で、断熱性能を次世代省エネ基準という高い断熱性にリフォームし、ガス給湯器をエコジョーズに交換し、高効率の冷蔵庫やエアコンに換え、夏の日射遮蔽と通風がキッチリとでき、冬の太陽熱を室内に取り込める窓を工夫した、そんな家をパッシブな家というのだそうだが、そういうパッシブな窓にして、太陽熱温水器を取り付ければ、太陽光発電を付けなくても電気消費半分、一次エネルギー半分の1985住宅になるらしい・・・。詳しくはこちらのリンクから見て欲しい

今度は、そういう機能を付加するのにどれくらいの費用がいるのかを試算した表もあって、それが以下の表で、まぁ、ここ最近は、太陽光発電の金額はどんどん下がってきているので大ざっぱな金額だとおもって欲しい・・・
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それを
イニシャルコストとランニングコストで試算した表が以下で・・・

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つまり、パッシブのための「窓」を取り付けるのが、費用対光熱費削減効果と費用対省エネ効果で一番有効で、ちなみに次点は太陽熱給湯を設置する事。太陽光発電ばかりに目を向けなくても、断熱をして、パッシブな「窓」に焦点を絞れば、省エネな住宅がローコストで実現できるという・・・。

そんな事を踏まえた上で、夏の省エネに有効な「窓」を検討するための表があって・・・
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上の表が表現したい事は、いわゆる遮熱型のLow-E硝子をつけると、日差しは、50%ほどカットされるのだけれど、それよりも普通の窓にレースカーテンや内付けブラインドを取り付けても、約50%ほどの日差しがカットされるらしい。何よりも普通の硝子窓に紙障子をつけると、38%の日差しか入ってこなくなり、なんと外付けブラインドや葦簀などを取り付けると19%の量しか日差しが入ってこないらしい。あらためて葦簀や朝顔やゴーヤなど窓の外に取り付ける日本の知恵の有効性に驚かされる・・・。
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それで、夏の暮らし方はどうしたら良いのだろうか・・・・という模索の中で、1985住宅にはこんな表があって、断熱性能が高い、いわゆるQ値が2.5以下の住宅を新築したりリフォームすると、先ほどの表のように、「窓」になんらかの「日射遮蔽」を取り付け、住まい方を工夫すれば、上記のような快適な夏の暮らしが実現できるという・・・・

うちの家の断熱性はQ値になおすと5.0以上ありそうで、まずは断熱リフォームを考えるべきなのだけれど、そう簡単には壁や天井や床に断熱材を充填することはできそうにない。それで、前述のように、まずは「窓」の工夫が費用対効果から見ても一番良さそうなので、昨年の春に、木製雨戸を外部用の葦戸にリメークして、「窓」からの省エネを楽しむ事にした。

DSC04899DSC04901

↑ 木製雨戸の戸板をとって、既製品の葦を取り付けた「外部葦戸」で、これは早朝とか夜間とか外気温の低い日。昼間でも風のある日。などなど、日射遮蔽しながら風を通す「外部葦戸だけモード」で、28℃以下とか、28℃~30℃で風のある日という区分になるのだろう。すごく心地良いモード。

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←は、少しわかりにくいが、外部葦戸の手前にガラス戸が入っていて、28℃~30℃で風がない日で、クーラーをかける時の窓。前述の日射遮蔽の表によると、外付けブラインドと同じ、19%まで日差しをカットする数値に近い。外部ブラインドと違って、柔らかな光と景色が見えて、心も涼しい気持ちにさせるのが葦戸の「効用」かもしれない・・・・。

DSC04907 ←は、上の写真の状態からさらに障子を取り付けた様子で、とにかく暑い30℃以上の日中や夜に、「クーラーをかける障子モード」。前述の日射遮蔽の表によると。外部ブラインドの19%にカット+、障子の38%にカットで、10%以下の日射遮蔽になるのだろう。日射遮蔽をして、光のない暗い部屋で過ごすのはちょっと寂しい気分だが、外部葦戸による、うっすらとした自然光に、障子が行灯のようなほのかな光に変換してくれて、落ち着いた暗さが、この「侘びしいモード」の魅力なのかもしれない・・・・。

「窓を工夫しながら楽しく省エネして暮らす蒸し暑い日本の夏」として、あれやこれやとクリエイティブに楽しく消費電力をサポートするのはどうかね・・・。

ps
そうそう、省エネ問題を整理整頓するためのワークショップが、収納の整理整頓と資金計画の整理整頓を併せて、3つのエコワークショップとして、7月23日の日曜日に催します。ご興味があれば、お気軽にお越し下さい。

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2012年07月08日

まとわりつく

ヒッグス粒子というのが発見されたらしい。こんな風にアナウンサーが喋っていた。「ヒッグス粒子が光速で動き回る粒子の行く手を阻むように、まとわりついて、遅くさせた。これが「質量を持つ」ことの意味だという。」へぇー、そうなんだ。「まとわりつく」というコトバが「私」の脳内の一部にまとわりつく。

「まとわりつく」事がなければ、自由に飛び回わってどこかへ行ってしまい、物質はできないらしい。「まとわりつく」ことで、動きにくさがうまれて、動きにくさが質量で、そして物質がうまれるのだという。なんだか、そんな出来事、まわりにいっぱいありそう。たとえば、恋愛なんて言う現象も男女がまとわりつく事で、なんというのか、恋いうのか愛というのか、そういう質量のようなものがうまれて、あの独特の感覚が物質のように存在するのかも。その元は「まとわりつく」事だったのか・・・と妙に感心する「私」。

いやいや、そうじゃなくて、ある男性とある女性の間にヒッグス粒子のようなもの、「まとわりつく」ような空気とかムードが存在しなければ、恋とか愛とかは、生まれないのだ。と考える方が良いのかもしれない。

NHKの解説によると

ヒッグス粒子が担っている最も大きな役割は、宇宙のすべての物質に「質量」、つまり「重さ」を与えることです。

およそ137億年前、宇宙が誕生したビッグバンの大爆発によって生み出された大量の素粒子は、当初、質量がなく、自由に飛び回っていました。

ところが、その後、ヒッグス粒子が宇宙空間をぎっしりと満たしたため、素粒子がヒッグス粒子とぶつかることで次第に動きにくくなり、物質を構成していったと物理学者たちは考えたのです。

ヒッグス粒子にぶつかることで動きにくくなる、この「動きにくさ」が質量そのものだと考えられているのです。

ヒッグス粒子はよくパーティー会場のたとえ話で説明されます。
会場を訪れた大勢の人たちが「ヒッグス粒子」だとします。
その人波の中を、人気アイドルが通りすぎようとすると、たちまち多くの人にまとわりつかれて動きづらくなります。
この「動きづらさ」が、質量・重さだというのです。

「動きづらさ」が「重さ」なのか・・・。とおもう。重さというか負荷のようなものがあるおかげで、前に進もうとするエネルギーや、アイデアや、創意工夫が生まれる時があって、歳を重ねるにつれて、そんな経験も重ねる。それに「動きづらさ」のようなものがあるおかげで、様々な「気づき」をもたらしてくれるし、痛みとか失敗という経験が何かに「目覚め」させてくれたりもする。それもこれも「まとわりつく」何か粒子のようなものがあるからなのか・・・。

「動きづらさ」を想像してみると、身動きの取れない状態を思い起こして、なんか、解放されたい気分になり、「軽やかさ」とは何だろうか。と。物理の言葉を使って検索することなどめったにないので、「軽やかさ 物理」でグッグってみると、「思考の飛躍―アインシュタインの頭脳」という本にぶつかる。

アインシュタインと同時代にも大勢の有能な物理学者がいた。では、なぜ、アインシュタインだけがずばぬけて頭角を現したのであろうか。著者は、その理由を、「彼が伝統のしがらみを飛び越える軽やかさを持っていたからである」と看破する。

「伝統のしがらみ」というコトバが「まとわりつく」を連想させ、「まとわりつく」が「動きにくさ」に結びつき、「動きにくさ」が「質量」を思い起こさせ、「質量からの解放=動きにくさからの解放」が「軽やかさ」を想起させる。「軽やかさ」とは、「しがらみ」とか「とらわれ」とかいわれるものが「まとわりつく」ことで、「動きにくさ」がうまれていて、そういう環境の中で、軽快に動き回れる力のコトなのか・・・・と。

どこにでも存在していると考えられているヒッグス粒子ですが、発見に向けた道のりは、平坦ではありませんでした。
非常に小さく、空間に密集して存在しているため、空間からヒッグス粒子をはじき出すためには、宇宙が生まれたときと同じような極めて大きなエネルギーが必要とされたのです。
このため、CERN=ヨーロッパ合同原子核研究機関は、1周が27キロある巨大な「加速器」と呼ばれる実験装置を建設し、人類史上、最大のエネルギーで、2つの陽子を衝突させ、宇宙誕生の直後を再現する実験を続けてきました。

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目に見えない粒子を発見するために、地下100mのところに周囲27kmに及ぶ巨大な装置をつくるのが、ちょっと馬鹿げていて、でも凄いなとおもう。装置そのものが、なんか、ものづくりの心を刺激して、とってもカッコエエ。なんてコトより、やっぱり、「まとわりつく」という感覚がオモロイのだ。真空は何もない状態じゃなく、ヒッグス粒子で溢れているのだそうだ。素粒子はヒッグス粒子と相互作用して質量を持つのだそうだ。

なんか解ったような解らんような話だが、とにかく、人にまとわりつくような情報がヒッグス粒子のような状態で、まわりに溢れていて、本とか、インターネットとか、テレビとか、噂とか、そんな自己相互作用をした情報が、ある人と相互作用して、ある人に、まとわりつき、動きにくさがうまれ、質量となり、その人に負荷のようなものを与える。それを飛び越えようとする「軽やかさ」が、生きるためのエネルギー源となったり、ものづくりを生み出す原動力になったりするのか・・・。

と思索する気分になったのは、涼しい小暑の夜だったからだな。

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2012年07月01日

「ハート」

加工場で大工さんが構造材の刻み加工をしていて、そこで、コバヤシ大工さんと久しぶりに会う。で、職人事務所の中で、あれやこれやと話をしていると、「材木屋の岡房商店のシンチャンから聞いたけど、毎週、日曜日ランニングしているらしいな。一年ほど続いているらいしやんか。」と言う。「毎週やないけど・・・。」などと、にこやかに答えながらあれこれと短時間に交わす何気ない会話の中に、「ハート」のやりとりのようなものがあって、「大工さんがんばってや、よろしく頼むで、よっしゃわかった、まかしとき。」みたいな事が、会話の背後に含まれているのだとおもう・・・。

今朝、起きると、ちょい雨。6月の日曜日は1回だけしか走っていなくて、それは、会社の慰安旅行があったり、雨だったり、朝から予定が詰まっていて、何となく躊躇したり、それに、走らないでエエような理由や出来事を何となく探しているような「心」が、言い訳がましく、うだうだと呟いている6月でもあって、そんな状況下で、何となく、前日の夜から大工さんとの会話が背後霊のように付きまとっていて、そんな個人的な事情とは関係なく、仕事として朝9時頃からお客さんが来る打ち合わせがあり、そのあと、例の住宅風呂巡礼が、ブッキングの都合で、2周連続になってしまって、ちょいハードな予定が重なって、それらの予定がやっぱり背後霊のようにくっついていて、まぁ、でも、ここは、あの時の大工さんとの会話の力を借りて、ランニングをする事にした。

「ハート」に従うなんていう心のありようもあるが、内的にぶつくさぶつくさと言い訳がましく呟く「心」のありようもあって、そういう内的な、ぶつくさとした呟きに考慮することなく、物事を為す事をもって、無と呼ぶのか、無為と言うのか、それは全く定かではないが、とにかく「心」というのはあれやこれやと面倒くさいもので、意外と言い訳がましい。なのに「ハート」のつながりややりとりが、物事を動かすエンジンの役目を担って原動力となりながら物事を為していくのであって・・・と、心とか「心」とか「ハート」とか、そういうあいまいな表現で、エエ加減な使い方をしている訳で、まぁ、そんな面倒くさい話より、小さな事実は、兎に角、小雨の中で、ランニングをした。それを助けてくれたのは、大工さんとの会話である。そして、「心」のぶつくさに耳をかさなかったことである。・・・。

朝早くから新築の打ち合わせに来て下さったお客さんとの打ち合わせを終え、お昼から第八回住宅風呂巡礼があって、今回は、演出やブッキングを協力をしてくれている、コトバノイエのカトウさん宅で催された。撮影そのものは、「身内」的な乗りで、そんな事情もあるので、縁のある見学者に観客として参加してもらいながらの住宅風呂巡礼だった。

見知らぬ温泉ソムリエぐっちが我が家のお風呂に入り、それを大まじめに撮影するという「馬鹿みたいな出来事」という面白さがあるものの、その撮影後の雰囲気からうまれる「家族写真撮影」というのが、新に加わった楽しみのひとつ。それに今回は、その撮影後の雰囲気からうまれる「小宴会」をする。という楽しみがもうひとつ加わった。

なぜか、独特の和み感が家全体を包む小宴会。「住人力」と住まいの雰囲気が持つ「建築力」という根源力が最も大きいが、住宅風呂巡礼というチンドン屋さん的ちょっとした馬鹿騒ぎの後に、参加者の中に育まれる「ハート」のつながりとやりとり。本当に、そんなやりとりががあったのかどうか、全く定かでないが、「お互い、楽しく、創造的に生きよね。仕事も気楽に、でも、がんばろね。ちょっとした反骨精神もいるよね。」なんていうやりとりがあったような、なかったような・・・。

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