2012年09月23日

暮らしを楽しむコト。

朝、枕元で、目を開けずに耳を澄ますと、雨音がしている。あっ、今日はランニング出来ないなとおもうと、残念な気持ち以上に、嬉しい気持ちもかなりあって、誰と約束をしている訳でもないのに、ランニングをしない堂々とした言い訳ができる事に、ほっとしている「私」がいて、こういう人間心理って、どこから生まれてくるのだろうか・・・・と、夢うつつで苦笑しながら、そのまま、寝入る。

今日は月一回の住宅相談会があって、3組のお客さんとあれやこれやとお話をする。ひと組目の若いご家族は、奥さんのお婆さんが亡くなって、その住んでいた長屋を譲り受ける事になって、そこをリフォームして住みたいというご相談。幼稚園前の女の子とご主人と3人でお見えになり、奥さんは1月に出産予定だとか・・・・。まず、現地調査に行くスケジュールを決めて、2階の応接室から1階路面店の「まちのえんがわ」に移って、杉の素材感や、部屋の中に見える木の量と好みについて四方山話。

ふた組目は大手ゼネコンにお勤めのご家族で、木造2階建て新築工事の打ち合わせ。実施設計の打ち合わせもほとんど終盤で、確認申請を出す一歩手前まで来ていて、最後の見積調整の段階。普段は日曜日には設計の込み入った打ち合わせはしないのだけれど、今日は、確認事項をお互いに確認し合うための打ち合わせ。それで、ちょっとした隙間のような時間で四方山話をする。お互いに建築に従事するものとして、建築に費用を費やすと、大工さんや左官屋さんやその他多くの職人さんたちにお金が回っていき、それにわりとパーとお金を使う人たちでもあって、経済効果はあるし、世間が思っているほど、会社に残るお金は少ないのよね・・・。なんていう話で頷き合う。

三組目は、築80年のご両親が住む長屋があって、その家をリフォームして2世帯で住むのか、壊して建て替えるのかという相談。お父さんと息子さんのお二人でお見えになったのだけれど、この相談会に申し込んでから今日までの間に、親子げんかをしまして・・・。それで、いま・・・・。なんて言う出来事をにこやかに話された。2世帯が同居して、新築やリフォームをするためには、私たちが想像する以上に、様々な家族間の葛藤を経て、うちの会社にお見えになるのだなぁ・・・と、今までご相談にお見えになった方々の顔を思い出しながら、あらためていろいろと考えさせられた。

「いま」というご時世に、こういう相談会をしてみると、自動車や家電ではなくて、「暮らしを楽しむ」という事に費やすエネルギーとかお金が、それは、時には、「省エネ」という暮らしを楽しむ家であったり、「木」を楽しむ暮らしであったり、「家具」を楽しむ空間であったり、「緑」と親しむ家であったり、「食べる」を楽しむ暮らしであったり、その他いろいろな「暮らしを楽しむ」ためにに費やすお金が、生活に潤いを持たせて、閉塞しそうな世の中を豊かにし経済的効果も生むひとつの「コト」となり得るのではとおもえてくるのだが・・・。

IMG_3767そうそう、相談会が終わり日も暮れかかった頃、木村家本舗の完成したフライヤーを持って、デザイナ-の平田くんが「まちのえんがわ」にやって来た。

ヒラタくんは、建築家矢部達也さんの大学での教え子で、就職難民なのだけれど、その才能をヤベさんがすくい上げて、自邸の1階にあるカットザコーナーと呼ばれるオープンスペースを使って、ヒラタくんによる、週間デザインLIVEという無料デザイン相談会のようなものを開催していて、そこで、知り合う。それで、木村家本舗の総合プロデューサーでもあるコトバノイエ加藤さんが指導しながら、夜を徹して、IMG_3766仕上げたのが、このフライヤーで、そういうひとの「縁」によって何かを作っていくのが木村家本舗のものづくりなのだとおもう。

ということで、今朝のよく降った雨はもうすっかり止んで、あの残暑から一転して急に涼しくなった大阪生野区の下町小路。そんな場所で、木村家本舗というオープンホームを10月の週末に開催予定で、今年は、それぞれのライフスタイルで暮らしを楽しむ8人のナビゲーターが、自らのエネルギーを皆とシエアーして一緒に遊び宴会を催す予定。暮らしを楽しむ「コト」を通じて、ひとが、集い繋がり「こころ」の広がりを持てればとおもう・・・。

image

投稿者 木村貴一 : 2012年09月23日 23:59 « 台風と椅子 | メイン | 木村家本舗 3 »


Share (facebook)