2013年02月10日

加工BARでの祈り

いつ頃からあるのか定かでないが、お稲荷さんが会社にあって、それをお祭りする初午稲荷祭という社内行事が、継続的に続いていて、その日は会社の社員だけでなく、精親会と呼ばれている協力会社36社の職人さんや大工さんや手伝いさんも参加して、安全祈願と商売繁盛をお祈りし、宴を催す。

初午祭とは
初午祭とは、2月最初の午の日に行う稲荷神社の祭礼をいいます。稲荷神社は全国各地にありますが、京都伏見の稲荷神社が総本社となっています。京都伏見の稲荷神社には、和銅4年(711年)の2月の初めの午の日にここの祭神が、降臨(こうりん)されたと伝えられ、平安時代から初午参拝でにぎわいをみせ、参拝者が、稲荷山の杉の小枝を折って帰るという、いわゆる「しるしの杉」と呼ばれる風習がありました。
初午祭の由来
もともと、初午祭は、その年の豊作を祈った農村のお祭が原型で、それに、稲荷信仰が結びついたものといわれています。さらに、各地で商業や、その土地の産業などと結びついて、初午の行事もにぎやかに行われるようになりました。初午詣でをすると農家は五穀豊穣(ごこくほうじょう)、商家は商売繁盛のご利益があるとされています。稲荷は、「稲生」と書き、農家の神様だったといわれていますが、その後、長寿、息災(そくさい)、栄進(えいしん)、子孫繁栄、商売繁盛などあらゆる祈願の対象となっています。

インターネットで検索するとこんなコトが書いてあって、伏見稲荷大社のおいなりさん物語にはこんなエピソードも書いてあるのだけれど、まぁ、それはともかく、90名近いひとと一緒に祈願をし御神酒を頂いたあと、加工場に集まって、1時間30分ほど「私」が話をする。建築というのは、なんだかんだとそれなりの理屈をつけたところで、最終的には「職人さん」が現場で「手仕事」をするわけで、特に、木村工務店では、伝統的にそのコトへの拘りもあって、精親会という専門工事会社の親睦会が50年以上も継続していることは、初代や先代のお陰であり、3代目の「私」にとっても大きな財産だとおもう。

それで、出来るだけ多くの職人さんに参加してもらって、親睦を深めるめるのだけれど、ただ宴会をするだけでなく、この機会を利用して、いま、木村工務店が考えている事を職人さんと共有するコトに力を注いでいる。例えば、「手仕事」を「親切丁寧」にやっていこうよとか、「手仕事」を「効率よくスピーディー」にするためのコミュニケーションの技術を如何に磨いていくのかとか、ただ「腕」があるだけでは駄目で、「専門知識」をもった職人になるように精進しなければ、プロフェッショナルな職人として生き残っていけない時代であるよとか、「信用」とか「信頼」とかを大切にしながら、専門工事会社も含めたひとつの「チーム」として一緒に共存共栄を目指しましょうよ。なんて、感じ。

そうそう、こんな考え方をぐたぐた言っても、工務店というものづくりに携わる人間として、日々やるべき事はとってもシンプルで、「朝」「挨拶」「掃除」「整理整頓」「親切丁寧」なんていう「習慣的な力」を利用する事が最も大切だったりする訳で、そんなシンプルな事を継続的にやり続けるのが以外と面倒くさくなってくるわけ・・・・。ま、こんな話を共有しながら、宴会に突入する。

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今年の加工場のセッティングは、今まで以上に趣向を凝らした。左に米松のカウンター、真ん中に幅1m×長さ6mの品合板の大テーブル、右端には700mm×4000mmの地松一枚板テーブルがあって、それらは、昨年の木村家本舗や「まちのえんがわ」ワークショップで製作した「アイテム」の残存物で、カマドや囲炉裏の他に・・・・・
本舗アイテム●例えば米松のカウンターは建築家のヤベさんと製作し、「出座何酒店in木村家本舗」の時のカウンターを使用した。

●真ん中の大テーブルは、建築家の橋本健二さんと製作した「BAR 橋本工務点 reprise」 でのカウンターを横向きにしテーブルとして使用。

●地松の一枚板のテーブルは、木村家本舗の庭で催した、鞍田崇さんと鞍田愛希子さんのワークショップのために製作したテーブルとベンチ。

DSC04097メインイベントは、カウンターの中に社員全員が入って、職人さん達を「もてなそう!」という「加工BAR」企画。あるものは焼鳥屋のお兄ちゃんに、あるものは焼きそば屋のおっちゃんに、豚汁売りのお姉さんに、おでん屋さんのおばちゃん、バーテンダーなどなど、カウンターの中から職人さん達を接客しながら、あーだこーだとコミュニケーションをする社員と職人さんたち・・・。

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「親切丁寧」の親切は「愛情」のコトだし、丁寧は「きっちり」とする「きっちりとしたこと」をするコトなのだろう、「きっちりとしたこと」をするというのは、専門知識を知り、それに基づいて「きっちりとした仕事」をするコトになるのだろう。ここで書くほどに物事がそうそう上手く行かないのが人と現場の関係なのだけれど、かなりのバカ騒ぎをしながらも、親切丁寧を精進していこうよ!というのが、初午稲荷祭での木村工務店ものづくりの仲間たちの祈りだったとおもう・・・。

投稿者 木村貴一 : 2013年02月10日 23:59 « 材料とのコミュニケーション。 | メイン | 言霊 »


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