2013年07月21日

ある種のエネルギーが「私」の中のある場所に補給されたのか。

84歳の紳士が、青いストライプのシャツにベージュの綿パン、それにベージュのスニーカー風の靴を履いて、「まちのえんがわ」にお越しになったのがお昼前の事。今日は、「暮らしを彩る収納」というワークショップを金城貞美さんが講師となって、13時30分から開催する事になっていて、その葉書が会社に届いたので、どんなのか興味があって、選挙に行くついでに立ち寄ってみたのです。と仰るのだった。

大阪市内で、主にキャラクターを使って、鏡のファンシーグッズなどを企画販売をしている、その業界では有名な会社の会長さんで、うちで、只今、その事務所のリフォーム工事の施工中なのだけれど、なによりも、80歳を越えているのに、ひとりで車に乗って、「まちのえんがわ」のワークショップに興味を持たれて、私は特に「デザイン」に興味があるので、どんなんかなぁ・・・・と思って、ちょっと見学に立ち寄ったたのです・・・・と仰る、その好奇心に、とっても驚くとともに、活気のあるエネルギーに敬服した。

「まちのえんがわ」「縁側」に腰掛けながら、一時間近くお話を拝聴する。かの有名なキャラクター商品を取り扱うに至ったエピソードと、そのキャラクター商品の会社社長との出会いとお付き合いの経緯。特攻隊の話。ゴルフで、76歳の時にバックティーからエイジ-シュートした話。この業界で生き残って行くための苦労と、人生を生きていくための、度量と機会を逃さない生きるためのコツが、まるでメッセージのごとく満載された面白可笑しなエピソードであった。

迫り来るワークショップの時間に内面の一部では、かなり焦りながら、でも、ある一部では、もっと、ゆっくりと話をお聞きしたいという興味津々な気持ちもあったのだけれど、何となく、こちらの様子を察して頂き、デザインではなく、収納のワークショップなんですか、それでは、今日は、ここらで。と仰って、お車をお見送りすることになった。

老人という言い方は相応しくないのだけれど、長老の方から、経験によるエピソードを聴くと、それはまるで、「私」に、メッセージを届けに来てくれた、聖なるひとのような気分にもなって、ある種のエネルギーが、「私」のある部分に、きっと、それは、より注意深く、でも勇気をもって生きなさい!みたいな、もっと注意深く生きるためのエネルギーとなって補給されるのだった・・・・。



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そうそう、昨日は、西宮ガーデンにあるNHK文化センターで、光る泥団子のワークショップを2時間枠2回、つまり出張ワークショップダブルヘッダーで開催し、どちらともに18名の小学生と2名のお母さんが参加されて、4時間に36名もの小学生の子供達と付き合った経験が全くなく、小学校の先生って、エライねぇ・・・と、大まじめに敬服した次第。

左官山本組のヤマモトさんと二人で講師を務めながら、光る泥団子を作れるように子供達に指導したのだけれど、最後の15分で、泥団子選手権を開催し、自分以外の作品に一票を入れて、一番人気には、「まちのえんがわ」の多肉植物を進呈するという、そんな選手権だった。それが、予想外に、その事に向けて、一生懸命に頑張る子供達の姿があって、それとともに、一番を目指すための、子供同士の人間模様や、その子供固有の性格のようなものが表出してきて、やっぱり、今回も、こんな選手権をして良かったのかどうか、妙な迷いのようなものが、いまだに残る・・・・。

ただ、他の人の作品が、どんなかんじに色を付け、どんなふうに磨いたのか、それを見る事もモノづくりのためには大切な事で、そのためのちょっとした遊びなのだけれど、想像以上に子供達の一番になりたい、そしてなれなかった事への、反応の大きさに、驚く次第で、それにしても、「まちのえんがわ」のワークショップでは、作品としての「不完全」さを許容し、それを楽しみながらも、なによりも「完成した」という事が大切で、どの作品も素晴らしい事を伝えて、拍手を持って終了するのだった。

沢山の子供さん達を相手にするのは、慣れない「私」にとっては、それなりに神経を使うわけで、終わると、ホットして、ふぅー。とため息すら漏れるのだ・・・。それにしても、子供さん達が発するある種のエネルギーが、「私」の中のある部分に、ものづくりに立ち向かうための、リセットされた、新鮮なエネルギーとして、補給されたように感じるのも事実で、この場を借りて、子供さん達に、感謝の気持ちを伝えておきたいとおもう。そうそう、帰りの車の中で、左官山本組のヤマモトさんが、もうこんな小さな小さな小学生の頃から、左官屋さんに向いてそうな子供と、そうでない子供と、はっきりと解って、面白いねぇ。今からスカウトしてもエエかな・・・・と。語り合うのだった・・・。


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「暮らしを彩る収納術」というキンジョウさんによるワークショップは、この読者の皆さんがどんな印象を持たれているのか、興味があるのだけれど、おそらく、想像以上にエエ内容のワークショップで、その良さと面白さをお伝えできないのが、とっても残念。そういえば、「私」にも、何となく、整理整頓や収納に関しては、「知ったかぶり」なところもあって、そんな話は聞かなくても解っているわ!なんていう、傲慢なところも大いにあって、でも、素直に、お話を聞いてみると、なるほどなるほどと、あらためて、「整理収納整頓片付け」として頭が整理されて、それとともに、あの「整理収納整頓片付け」という、とてつもない面倒くささが、心の中に、どんよりと忍び寄ってくる、その作業に対して、よし、やってみよ!・・・という勇気や決心のようなものが、湧いてきたりするのが、金城さんのワークショップの良さなのだとおもう・・・・。

モノや体や心や頭の「整理収納整頓片付け」は、創造性を育むためにも必要不可欠で、ところがそのことに対する面倒くささがあって、それを乗り越えるために、内面的に湧き起こる、面倒くさぁ!というブツクサに対して考慮することなく、まず目の前のモノを整理し、そのための収納を考え、そのための収納を作る事が、大切な作業で、そのためのエネルギーのようなものが、キンジョウさんのワークショップを通じて、「私」のある部分に補給されたのだとおもう・・・・。


14日日曜日と15日海の記念日は、しまなみ海道と、とびしま海道を合計180kmほどサイクリングしてきて、それは、体のエネルギーをかなり消耗しつつも、リフレッシュされた肉体エネルギーとなって、「私」のある部分に補給されたのだとおもうのだけれど、その話はまた、来週にでも譲るとして、それにしても、モノであれ、体であれ、心であれ、頭であれ、「エネルギーを得るためにはエネルギーがいる」のだとおもう・・・。

投稿者 木村貴一 : 2013年07月21日 23:59 « 岬めぐり | メイン | 汗を流しながら・・・ »


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