2013年09月29日

心地良い気候。朝は、タオルケットに体を丸くしながらくるまって起きたぐらい肌寒くなってきた。近所に住むヨネクラさんと自転車に乗って、サンデーモーニングライドをする。最近は信貴山に登るコースが気に入っていて、「はぁはぁ」いうのだけれど、ちょっとした達成感があって、それなりに楽しい。

本日は「まちのえんがわ」でのケンチク椅子ワークショップがあるので、一緒にモーニングを食べる時間もなく、早々に、柏原の堅上の急な坂を下る。葡萄畑があり、法隆寺方面が綺麗に見える峠があり、大阪の富田林の町が自転車目線に飛び込んでくる急な下り坂もあり、点在する集落の間を通り抜け、田舎な感じの小学校では丁度、運動会を開催していて、運動会独特の校庭の雰囲気が目に飛び込んできて、秋晴れの天気とともに、「私」の小学生当時の運動会当日の微妙な緊張感がほんの一瞬だけ蘇ったが、流れゆく景色とともにさぁーっと消えていった。

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大阪から自転車で1時間ほどの距離に、こんな景色の場所があるのが、不思議な感じがして、サブカルチャー的な表現を使うのなら「トリップ」するっていう感覚に近いものがあって、もちろん、車でなく、自転車で、はぁはぁ、いいながら「峠」を越えたからこそ、こみ上げてくる、下り坂のスピード感と快楽で、それが、独特の景観と相まって、スーパーセンチメンタルな気分にさせるのだとおもう・・・。

ちょうど月末で、土曜日の夜は請求書の査定がまだまだ残っており、それ故に、以前にも書いたような押印ストレスのようなものが時々あって、その請求書査定の合間のちょっとした息抜きとして、インターネットで地図を見て、ストレスを解消するのだけれど、今月末はこんな地図が目にとまった・・・

resource
http://kodai.sakura.ne.jp/nihonnkennkokusi/1-2kusaezaka.htm
第一章 神武東征物語 (2)孔舎衛坂(くさかさか・くさえのさか)の戦いより引用
草香に上陸した神武軍侵攻の様子をたどってみよう。
はじめ生駒山地の南につながる、信貴山南麓あたり龍田越えで、奈良盆地への侵攻を試みる。だがその道は狭く、険しいので引き返す。
次に生駒山の北を越えて侵攻しようとするが、孔舎衛坂(くさかざか、またはくさえのさか)(東大阪市日下)で応戦した長髓彦(ながすねひこ)に敗れるのである。この戦いで長兄五瀬は脛(すね)に矢傷を負う。

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「だがその道は狭く、険しいので引き返す。」とあって、そんなコトバが、この自転車コースを走ると、妙な現実感を伴うようになってきて、神話の世界とともに、忘れかけていた「峠」というものの存在の面白さに気付く。そんなこんなで、暫くは、「峠」を遊んでみようかとおもう・・・。

それはそれとして、本日の「まちのえんがわ」ケンチク椅子ワークショップは、14組の参加者とともに、カップルやご家族でお見えになって、秋晴れの心地良い気候とともに心地良いワークショップとなった。建築家の矢部達也さんが考える「ケンチク椅子」には、3つのルールがあって、「1:仕口を使わない。2:トメを使わない。3:仕上げない」という、今までの椅子には全くないルールで、通常の大工のルールであれば「1:如何に美しく強い仕口を作るか。2:トメ加工によって木の小口は見せない。3:鉋で美しく光る仕上げとする。」となるのだが、誰でもが簡単に作れて、ある一定のクオリティーを保てる椅子を考案しようとしてうまれたのが、この「ケンチク椅子」で、昨年に引き続いてのシリーズ2でもある。

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ひと組だけ完成後の写真撮影を忘れて、この場を借りて陳謝申し上げます。なのだけれど、ものづくりにも「峠」のような時間と箇所が存在して、それを乗り越えるためには、粘り強く続けていくしかない訳で、そんな意味では、参加者の皆さん、ほんとうにご苦労様でした。それにしても、「峠」か・・・と、その存在をあらためておもう・・・。

投稿者 木村貴一 : 2013年09月29日 23:33 « 木村家本舗へのお誘い | メイン | 緑の文化 »


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