2014年04月13日

衣食住の「食」

「衣食住」という耳慣れたコトバがあって、父や母が歳がいくとともに、病気に襲われて、なんでもない「衣食住」が「まとも」に出来ない姿に接すると、普通に当たり前に「衣食住」を喜びと共にこなせるライフスタイルが、なによりもの「幸せ」というものではないのかと考えさせられたりする、そんな今日この頃。「住」の立場から、老後を大まじめに考えると、1階の断熱がしっかり施された寝室に、ベットと便所と洗面所と浴室と衣類の収納が一部屋のなかにあるホテル形式がベストで、寝るだけの部屋として独立した寝室なら、限りなく近い位置関係に、便所と洗面と浴室と収納が必要日なってくるのは、今や常識なのだろう・・・・。ま、食事は寝室でもとれるので、LDKは、老後生活にはどのように考えればエエのか。

そういえば、数年前に「住宅風呂巡礼」という大まじめなお遊びをし、建築家のヤベさんの自邸に温泉ソムリエぐっちが入浴するシーンを撮影したのだけれど、その部屋は、まさしく一室にベットとソファーとお風呂と洗面と便所と収納があって、一般的には、ちょっとそれ、やりすぎちゃぅのぉ・・・みたいな感じなのだが、でも、こんな部屋のほうが介護もしやすいしね。っと、あらためて考え直してみる。

住宅風呂巡礼

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「工務店」という立ち位置に「私」が存在しているので、「住」の話からスタートしたのだけれど、「食」というのも、それも栄養のある食事を摂るのが大切な事なのだと、やはり、ここ数ヶ月の父や母から学ぶのだけれど、それで、本来なら素朴で栄養価の高い「食」の話がエエのだが、その話題は、かなり苦手で、いまの「私」には到底無理。「グルメ」も得意ではなく、あてがわれた食事で、案外大丈夫で、あっ、そうそう、それが、大学時代の友達に堺で老舗の鰻やさんを営む、鰻や「竹うち」のタケウチくんがいて、月曜日がお休みで、その月曜日に、気になるお店の食べ歩きに付き合って欲しいという、話題になって、じゃぁ、2ヶ月に1回ぐらい、やってみよか・・・。

そんなこんなの第一回が1月13日の祝日の月曜日で、京都の祇園にある、鰻やさんの「う」に決まった。ところが、その日が近づいてくると、55のオッサン二人でグルメをしている姿を想像しただけで、なんか、寂し~い、気分が大きく支配してきて、それで、その当日に「まちのえんがわ」フェースブック上で呼びかけると、マンガ皿のツタイミカが参加を表明してくれた。ちなみに、当然ながらゲスト女子の食事費は男子二人で持つという、それらしいルールを決めて、そうそう、ツタイミカは、先ほどの建築家ヤベさんが、才能のある女子を目利きしたひとりで、通称ヤベガールと呼ばれていて、そういえば、イラストレーターのヤマサキミノリもヤベガールのひとりで、彼女は木村工務店のものづくりの仲間たちの精親会版を製作してくれた。そんな訳で、ヤベガールの恩恵に授かっているので、この場をかりてヤベさんに感謝の意を捧げておこうとおもう・・・。

DSC08016その祇園の「う」の鰻は、桶に鰻が3匹分並んでいて、それをお茶碗によそって食べる。う桶と呼ばれるその蓋が赤色の漆塗りで、そういう鰻を運んでくるスタイルもカッコ良かったりする。赤い蓋を取った時の桶に美味しそうな鰻が並ぶ姿の喜び・・・・。白焼きやう巻きも美味しいのだけれど、鰻は、蒸して、炭火で焼いているらしい、それをハイブリット蒲焼きと呼んでもエエのかどうかはとってもええ加減だが、タケウチくんの話では、蒸すと中まで柔らかくなるが、本来の旨味はとんで、炭火で、じっくりと蒸すかのごとく焼くのがエエのだと云う。串刺し3年焼き一生らしい・・・。

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第二回目が3月31日月曜日で、本町にある「びすとろぽたじぇ Bistrot Pota J」に行くことになった。辻調理師学校の先生をしていて(超有名人らしい)定年退職後、息子さんと二人がシェフとして、それぞれの奥様と共に家族でこの店をオープンしたとのこと。そのお店の雰囲気がとっても素朴でエエ感じ。キッチンもニトリの家庭用キッチンを二つ、背中合わせに合わせて、それぞれがガスとIHで、コの字型カウンターの中にキッチンスタジアムのような雰囲気で、調理作業を魅せるキッチンになっていた。シェフの立ち居振る舞いが、うちの大工でいえば、沖棟梁のような立ち居振る舞いで、その醸し出す「職人」の空気感がとってもカッコエエ。

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今回は5人のメンバーによる食べ歩きで、女性のゲストは、「まちのえんがわ」ワークショップでステンドグラスの講師をしてくれている田中共子さん。丁度、来週の日曜日に彼女のワークショップがある。その日は、透明ガラスにグリーンのステンドグラスを竜安寺の石庭のように配置した硝子板を持参してくれていて、それにシェフが即興で盛りつけをしてくれたあたりが、とっても親切だな・・・とおもう。

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料理に関しては、全く説明能力に欠けているので、説明出来ないのが至極残念なのだけれど、5人それぞれで、別のチョイスにし、それぞれで分け合って食べたので、いろいろな味を食べられて、得したような気分だった。なによりも肉料理では、サーロインやヒレとあとひとつなんだか忘れたが、その肉を少しずつ分けて、そのソースが、肉によって微妙に味が違って、ソースこそプロフェッショナルな世界だなぁ・・・とおもった。そうそう、そんな料理やソースを家庭用の普通のキッチンと道具で作るという、拘りと反骨精神もオモロイ。

そういや、なんで、こんな「食」の話を書こうかとおもったのは、昨日の土曜日の夜、法隆寺で、ちょっとした内装工事をさせてもらっている産婦人科医院の開業10周年の食事会のお誘いがあって、奈良でミシュラン二つ星の日本料理の無窓庵さんにお邪魔した。数年前のある日、女将さんが、日本蜜蜂にまつわるご縁で、うちの会社にお見えになった出来事があり、そんなこんなで久しぶりにお会いし、あの椀ものの、美味しい料理をまた食べたいと思う誘惑が大いにあって、そのお誘いに、のこのこと乗っかった。その席で、女将さんから父の様子を聞かれて、体調を崩している話をすると、蜂蜜の小さな瓶を手に持ちながら栄養の話をされた。おそらく、それが、「食」の事を書いてみようとする衝動になったのだとおもう・・・・。

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投稿者 木村貴一 : 2014年04月13日 23:54 « まちのえんがわステンドグラスが結ぶ縁 | メイン | 「桜」と「行動」 »


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