2014年06月08日

火山のふもとで。しまなみ海道のもとで。

日曜日の今朝、パッと目が覚めて、時計を見ると、まだ午前3時30分を廻った時刻で、そういえば、昨晩は午前12時前に寝たのだけれど、ある理由で木曜日と金曜日と二日間を病院のベットで過ごす事になって、それが夜9時に寝て午前3時に目が覚めて、それから、痛みと共にうとうとと寝たり起きたりする二日間で、土曜日の午前中に退院したが、おそらくそんなのが「くせ」になっていたのだろう。再び寝ようと目をつぶってみたが、以外とシャキッとしていたので、ぎこちなく起き出して、リビングキッチンに行って、本を読むことにした。

水曜日の夜、病院のベットの前に奥方が立っていて、偶然、いま、奥方の同級生のカオルちゃんからメールがあって、こんな出来事があって緊急に入院したのぉ。っとメールすると、それやったら、入院中に、「松家仁之」の「火山のふもと」がとっても面白かって、建築家の物語で、タカイチくんフランクロイドライト好きやろ、この本読んで、わたし、アスプルンドの建築見に行きたくなったわ。と、そう伝えておいて。という・・・・。

カオルちゃんは二十歳からの友人で、奥方の同級生であり、奥方を知る前まらの友人で、前にも書いたけれど、当時、まばらにしか店がなかったアメリカ村の三角公園の前から周防町に向けて、その当時あった黒塗りの天牛書店の前を東に向かって南側の歩道をひとりで歩いていて、いまアップルの店舗がある前から北側の道を西に向けて歩いている女性グループがあって、その中にカオルちゃんがいて、その姿を見つけて、道越しに、カオルちゃーんと声を出して手を振ると、いやぁ~タカイチく~んと応えてくれて、二言三言道路越しにコトバを交わしながら別れた。そのグループの中に今の奥方がいて、そのカオルちゃんは、いま東京で、有名な雑誌の編集者をしていて、と、ま、そんな関係で、それよりあのカオルちゃんから「アスプルンド」なんてコトバが突然出てきて、驚いて、病院のベットの上で、たしか、北欧の、図書館とお墓の建築家やったけ。とおもいながら、寝た。

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テーブルの上に奥方が気を利かして、アマゾンから取り寄せてくれた本が置いてあって、その心遣いに感謝しながら、読み始めた。外は真っ暗で、シーンとしていた。「夏の家」という書き出しで始まって、どうも、吉村順三をモデルにしているような人物が出てきて、レーモンドとかライトとかタリアセンとか、軽井沢が舞台になり、昨年の夏休みに見た軽井沢タリアセンにあったレーモンドの夏の家を思い出すし、この登場人物は、ひょっとして、中村好文のコトなのか・・・とか。

そうそう、ちょうど、先週の日曜日と月曜日の精親会旅行で、松山にある中村好文設計による伊丹十三記念館を見学し、そいうえば、偶然、先週に、この外壁の杉板を納材した伊予にある共栄木材の社長が弊社まで営業に立ち寄ってくれて、エピソードのようなものを教えてくれたのもタイムリーだった。ちなみに、この建物を見学する前は淡路島で安藤忠雄の本福寺・水御堂を見学していた。月曜日は皆で、30kmと40kmの2チームに別れて、しまなみ海道をサイクリングして、全員完走した。といいたいが、「私」ひとりが40kmゴール手前1kmのところで、信じられないような、それは神のイタズラだとしか言いようのないアクシデントに見舞われて、完走できない状況になり、それでも旅行そのものは楽しい旅行として、行程通りつつがなく終了した。その「私」だけが、心と体に少々の傷を負う身となって、それが原因で、大阪に帰ってから三日間ほど入院することになった。その出来事はまた、つぎの機会に譲ろうとおもう・・・・。

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真っ暗な夜が、白々と明けだしてきて、雀がチュンチュウと鳴き始めた。こんな光景を聴きながら本を読んだのは何年ぶりのコトだろうか。ひょっとして学生時代以来かもしれない、これもカオルちゃんからの贈りものとお見舞いなのだろう。本の中で、「施主と呼ぶのかクライアントと呼ぶのか」みたいな会話があって、工務店に在籍する身としては、社会人になってからは、施主というコトバに、違和感はまったくなく、ただこの本では、終始クライアントというコトバが使用されていて、ま、それはそれで、それも違和感はないのだ。

午前6時をすぎ、庭に出て、本を読む事にする。両親と共有していた庭は両親ともが不在になり、必然的に、「私」が掃除する役目な訳で、三日間ほど庭木たちに会わないと、久しぶり!みたいな気持ちで木々たちに挨拶しながら、箒を持って、芝生の上の落ち葉を集めるが、手術の影響で、いまいち動作がぎこちなく、それでも粘り強く、やっているうちになんとかなるものだった・・・。掃除して、庭で本読んで、午前8時頃、朝食のパンを食べたとたんに、眠くなって、いびきをかきながら寝入ったらしい・・・・。

10時頃に目が覚めて、お風呂に入って、今度は居間の独りがけの椅子で本を読んで、お昼にスパゲッティーを食べるとまた眠たくなって1時間ほど寝てしまう。目が覚めて、「まちのえんがわ」に出向いて、本を読んでいると、ステンドグラス講師の田中共子ちゃんがやってきて、入れ替わりに、今度はトンちゃんもやってきて、本は読み進まないが、会話が嬉しくて、そうこうしているうちに、「街屋集団 初夏の交流会2014 @KATACHI」というイベントに参加することになっていて、うちで、リフォーム工事をした都島にある「KATACHI」というお店で開催される。その野江内代駅までの地下鉄で単行本の続きを読む。地下鉄で単行本を読んだのも久しぶりだった。帰りの地下鉄でも読んで、午後8時に帰宅して、テレビで黒田勘兵衛を見て、360ページの180ページが「いま」。

ランニングや自転車や登山などアウトドアーのスポーツが、集団や自然の中で、「ひとり」になれる「スペース」をつくりだしてくれるのだけれど、読書も「ひとり」になれる、「スペース」を作り出せる、そんな読書のやり方があったコトを、ここ暫く、すっかり忘れてた・・・。

投稿者 木村貴一 : 2014年06月08日 23:36 « スタイル | メイン | 慰安旅行問題 »


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