2016年05月08日

シニアーな人生の模索。

とっても心地良い天気の日曜日。住宅相談会がある日曜日で、お昼から、家族連れの方が、相談にお見えになって、うちで施工実績のある建築家に依頼するか、木村工務店の設計で依頼するかをお悩みのようで、建築家に依頼する場合と、うちの設計による場合の、それぞれの特徴をお伝えして、今までにも、何組かの方々に、建築家に依頼することに躊躇されている家族の後押しをした経験もあり、また、うちで設計をした経験もあるのだけれど、ハウスメーカーや建売住宅の、家を買うという感覚とは少し異にした、家を造るという感覚の第一歩目の踏みだしは、勇気のいるコトなのだと、お話を聞きながらあらためて感じた。

仕事と陽気が入り交じっている日曜日のせいか、時折、GWの想い出がフラッシュバックしてきて、3日4日と、昨年に引き続き、しまなみ海道のLINKさんという自転車乗りが集まる宿に、幼稚園、小学校、中学校の同級生3人で出かけた。3日は、雨が降り出しそうな生憎の天気で、午前中は、66歳になる宿の親父さんに先導してもらって、岩城島の積善山にヒルクライムと岩城島一周をし、よし正というお店で、レモンポークなるものを食した後から雲行きが怪しくなって、フェリーで生口島に戻ったあたりから、ポツリポツリと雨が降り出して、昼過ぎにライドを止めて宿に帰り着いた。

しまなみ海道積善山
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↑ 造船所の光景が、フランク・ゲーリーの美術館のようで....

昼からは雨が降ってきたので、伯方島の塩工場の横にあるお風呂屋さんで塩温泉に浸かって、大山祇神社で自転車の安全祈願をし、宿に戻っても、まだ午後4時だった。海と先ほどヒルクライムした積善山が見えるサンルームで、どしゃ降りの雨を眺めながら、ビールを飲むことにしたが、これが、ちょっとした事件になるとは、まったくおもわず、あーだこーだと、小学校の放課後のように、楽しんで、夕暮れとともに食事の時間になるまで、500㎖缶を飲み続けた。といっても、私の事を知る人はご存じのように、私は一本もあれば充分だが、同級生のMくんは、留まることを知らずテーブルの上は見事に空き缶が並んだ。

同宿のひとが、若いひとり旅の女性と56歳と63歳のシニアーのおじさんで、私たちも57歳と58歳のMくんとNくんのシニアーな3人組で、美味しい料理とお酒で話が盛り上がった。流石に若い女性は、おじさんのたわいもない話に飽きたのだろう、早々に部屋に戻ったが、暫くして、ひとりで、4ℓほどビールを飲んだMくんも2階の部屋に上がって行った。勿論、その後も、宿の親父も交えて、リタイヤ-後の話など、うだうだとした楽しい話が続いていたが、突然、階段から人が滑り落ちるダダダダダという音がして、見に行くと、Mくんが、階段の一段目に座って、きょとんとしている顔があり、いわゆる、酔っ払って階段を落ちたというやつで、右足首をちょっとだけ痛そうに触りながら、何が起こったのか、本人も全くわからず、きょとんとしている顔がとっても印象的だった。

お察しのように、あくる日、Mくんの右足は見事に腫れていて、たまたま、63歳の方が、形成外科のドクターだったこともあり、ライド前に見てもらうと、ひょっとして剥離骨折しているかもしれないけれど...どうかな...大丈夫かな?と云いながらテーピングもして頂いたが、流石に自転車に乗れる状況ではなく、自転車を宅配に梱包し、新幹線に乗って、現在住む、東京に戻ることになった。あの時大山祇神社でもらったお守りは、自転車のためだけにしか効かないのか...とNくん。ライド途中で、重要文化財の曹洞宗祥雲寺に立ち寄った時は、Mくんが、皆の分も含めてお賽銭を投げ入れてくれたのに!なんという神々!。

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↑ 宿のサンルーム前の朝日と鯉のぼりと岩城島積善山

あの雨からうって変わって、朝日が見えるほどの快晴で、この日、大島の亀老山にヒルクライムをしようよ!とビールを飲みながら楽しみにしていたMくんを欠くことになって、一抹の寂しさもあったが、先行して走っていったシニアーのお二人と宿の親父も亀老山に登る予定だったようで、Nくんと二人で、向かい風の強風の中を後を追っかけて、登り口手前で合流し、一緒に亀老山をヒルクライムすることになった。

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左の積善山展望台と右の亀老山展望台。こうやって写真を見ると、ひとりいてないなっ!とおもいながら、階段のドタドタドタという音と、きょとんとした顔と、皆が出発する時の残念そうな姿を想い出したりするのだった。

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↑ 隈研吾の亀老山展望台は一度見てみたかったが、敷地の高低差や眺めの方角をよく検討されたエエ展望台だとおもった。

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亀老山で、ご一緒したシニア-なグループの仲間の方も合流し、50・56・57・58・59・61・63・66のシニア-な8人で一緒に走る事になり、初めてのひと、二回目のひと、数回のひと、幼稚園からの同級生、職業バラバラで、山小屋のようなLINKという自転車の宿で知り合った縁で、出会ったひとが、一番元気で速い最年長の66歳の宿の親父に引っ張っられながら走る、妙に楽しいライドとなって、友浦サイトというエエ感じにリノベーションされたレストランでのデジャブのようなワンシーンや、玉屋さんというケーキ屋さんで、シニア-な8人がケーキを食べる特別奇妙なワンシーンもあるのだけれど、きっと、それぞれが、汗かいて、ハッハッいいながら走って、食べて、飲んで、楽しんで、家に帰って、静かになった時に、それぞれのシニア-な人生の在り方をなんだかんだと模索しているのだとおもう。

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ついでに、大阪市生野区出身のベタベタな同級生シニア-3人は、家に帰って、私は、Mくんの様子をNくんにメールで聞き、「Mくんのレントゲンの結果:安心してください、折れてますよ!」と返信がきて、大笑いしながら悲しむわけで、3人で快気祝いライドを誓いつつも、やっぱり静けさとともに、それぞれが、シニア-な存在のスタイルを、あれやこれやと模索していたりするのだった。

投稿者 木村貴一 : 2016年05月08日 23:25 « 上品 | メイン | GWを振り返ってみると。 »


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