2016年06月12日

ものづくりの潤滑油

夏が近づいてきたのを感じる蒸し暑い日曜日。今日は、住宅相談会があり、午前中のAさんは、堺で住宅の建て替えを検討中で、ハウスメーカーでプランを検討していたそうだが、どうも、おもうような、コストパフォーマンスな家にならないので、インターネットで見つけた弊社に、家族でお越しになった。

熊本であのような震災が起こると、まず耐震性能というのが、気にされるわけで、建築の専門誌には、耐震等級2の住宅でも倒壊した住宅があったという報告があり、今後の調査報告が待たれるところだが、それでも基本的には、長期優良住宅の基準である耐震等級2以上というのが、標準の時代になりつつあるのだろうし、そういう耐震や断熱の基本スペックを満たしつつ、間取りであるとか採光や素材や収納や居心地の良さなど、その住まい手のライフスタイルに合致した要素のコストパフォーマンスの良い家が求められているのだろう。

お昼からのBさんは、数年前の木村家本舗にお越しになったご家族で、今住んでいる駅近の新築か中古住宅の購入をお望みなのだが、ここ最近は、打ち合わせ室に、プロジェクターを設置して、それに、うちのホームページの施工例やインターネットの住宅情報やグーグル地図を表示し、大画面で共有しながら、一緒に打ち合わせをするスタイルで、これが、意外と楽しいコミュニケーションになって、画面をみながらコメントしあう事を通じて、土地や建物に対する知識や見立てを知ってもらい、私たちも、お客さんの好みを知る事になり、こんな感じの共有するコミュニケーションのスタイルから、ちょっとした好みやライフスタイルの違いを建築と暮らしの中に実現していくのが、家造りの面白さのひとつなのだろう。

午後3時からのCさんは、ご両親の実家の介護住宅をリフォームするためにご家族でお越しになって、リフォームですか?と問いかけると、リフォームというよりリノベーションです。というコトバが返ってきて、家全体の全面リフォームな、リフォームを、リノベーションと呼ぶ傾向にあるのだと、建築の専門家のなかでもリフォームとリノベーションをどのように区別するのか、微妙な傾向にあるのだけれど、そんな曖昧なコトバを、一般のお客さんが、感覚に基づいて、限定的なコトバに規定していくのが、コトバの持つ面白さだなぁ....なんて、ほんの一瞬だけ、脳裏を駆け巡った。

介護のための住宅リフォームの要望が最近増えてきて、多くが、2階に個室があり、1階に寝るための部屋がない住宅を介護的住宅として、どのように機能させれば良いのかが問われるわけで、食べるとか寛ぐより、まず寝る事が一番で、洗面便所浴室がすぐ隣にあり、そして簡単に食事が出来ればエエですよぉ。という順番になってきて、若い世代の住宅では、寝室は寝るだけですから、テキトーでエエですよぉ。っていう傾向からすると真逆で、こんな世代間のライフスタイルの違いが、間取りや予算配分として実現されていくのも、建築の面白さのひとつなのだろう。

そうそう、先週の日曜日と月曜日は、協力会社でつくる精親会という親睦会の総会と研修旅行があり、もちろん社員や大工さんや手伝いさんも一緒に参加して、ものづくりの仲間54名が、2階建てバスに封じ込められながら、旅をし、今年が60回目になると、もはや伝統といえる訳で、建築というものづくりは、なんだかんだ言っても最終的には現場の職人さんによって造られる訳で、その技術と共に、コミュニケーションが大切なのだと、徐々に徐々に理解してくるにつれ、旅や研修や宴会が、そのコミュニケーションの潤滑油のような役目を担ってくれるのだと、確かに、機械とかシステムなどは、潤滑油がないと、暫くすると壊れてしまうのが通例で、この精親会旅行という伝統としての研修旅行が、社員や職人さんや協力会社を大切にして、潤滑油が枯渇せぇへんようにせんと、ものづくりがでけへんでぇ...と、先代先々代が伝えてくれているのだろう。

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小雨降るなか、小路を2階建てバスで出発。

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肌寒い霧の比叡山延暦寺で坐禅体験をした。

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佐川美術館を見学。10人限定で茶室を見学したが、素晴らしかったなぁ...。

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小浜で宿泊し宴会。

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美山の田歌舎でキャニオニング体験。川を歩いたり泳いだり飛び込んだり滝を登ったりとエンターテイメントなプログラムを体験。

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河原でジビエのカレーを食べる。

投稿者 木村貴一 : 2016年06月12日 22:44 « リイマジン | メイン | お「トモダチ作戦」 »


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