住宅特集 2001年7月号

2001年E・家暮らし
住まいの設計コンテスト
佳作を受賞

桜ヶ丘の家

設計=伊東建築計画室
施工=木村工務店

細長い敷地を活かした縦長な
L D K は日当たりのよい、2 階に配置、
室外のデッキと室内を同じヒバの
床にすることで一体感が生まれ、
空間をより広く感じさせる。
南に向けて開いた形にデザインされた
屋根によって、光が降り注ぎ、
あたたかな空間となっている。
このヒバの床が施主と設計士を
結び付け、子供のアトピー、花粉症の
ために内装材を厳しく選んでいく
きっかけとなった。また、この家は
エアフローシステムによって
「呼吸する家」である。
最少のエネルギーで効率よく静かに
新鮮な空気を取込み、
不要な湿気や臭気を排気する。


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      講     評

南側に3 居以上の高い建物が建ち、東西に長い敷地という悪条
件のもとで、風通しがよく、開放的な空間構成を成功させている。
正面の片流れの大きな屋根をポイントにしたファサードも無理がない。
とくに、内外空間のつながりや、2 階のテンキと1 階の中庭もほどよ
いつながりがあり、おおらかで健康的な住まいとなっている。内装
にも自然素材が多く使用されており、建具を開け放てば充分換気
は可能と思われるが、アトピーの娘さんのために考慮された、全熱
交換型換気ユニットを利用したエアフローシステムによる換気方
式を採用することで、夜間や冷暖房時にも新鮮な空気を取り入れ
ることができる。そして何よりも爽やかな空間構成が魅力的である。
審査委員 吉村村篤−
( 建築家・奈良女子大学教授)