2012年03月04日

LIVE!

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まちのえんがわ」主催で、谷口智則さんという絵本作家にによるモビール製作とライブペインティングというワークショップを木村工務店の加工場で催す。そのライブペインティングでは、普段は自転車置き場となっている壁に、絵を描く事になっていた。この壁に向かって大工さんが砥石でノミやカンナを研ぐ壁でもあって、何よりも、大工さんや手伝いさんや現場監督や、どちらかといえば、この絵本のような絵とは、全く「縁」のない職人気質な人たちが、毎日通過する壁だった。

DSC08187DSC08192その壁に向かうタニグチさん。それを見守る観客。両親に連れられた子供さん達が目を輝かせて最前列で見入る。その子供さんひとりひとりから動物の名前が飛び出す。トラ!ゾウ!キリン!サル!リュウ!サイ!親子のリス!イルカ!クジラ!タコ!テラノザウルス!などなど、尽きることなく連呼する子供達。その名前を聞いて即興で書き始めるタニグチさん。「見事!」なのだ。

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DSC0824550匹近い動物やサンタやピノキオが黒の線画で描かれた。山があり、海があり、空があり、動物たちが窓から顔を出す家がある。拍手が起こる。勿論、色付けをする予定だったが、もう4時を過ぎていたので、サイン会をする時間的な余裕がなくなっていた。それで、一端、作業を止めて、絵本を買った人たちにサイン会をする。その後、子供達と、この絵の前で記念撮影をして帰る笑顔のファミリー・・・・・。

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暫くして、数人しか残っていない、例の壁に、再び向かって、色を付け始めるタニグチさん。色に誤魔化されない、リアルなデザイン性としての白黒。光と影としての白黒。そんな白黒の世界からカラーの世界へと。そのフルカラーに変貌していく過程を背後から見守り続けると、色が、動物一匹一匹に、息吹を吹きかけ、命を宿すように見えてくる。山や海や家々に生命の気配が宿る瞬間でもあった。

近所からワークショップに参加した何人かの人たちが、家に帰って夕食を食べ終わり、色が付いた状態を見るために、この場所に戻ってきた。そして、誰もが「うゎーっ」というため息をもらす。きっと「生命の気配」を感じるのだなぁ。そのうちのひとりは、落ち込んだり元気がない時は、この絵を見に来ます・・・・と。

月曜日の朝。突然出現したこの絵を見た職人さん達は、どんなリアクションをしてくれるのだろうか・・・・。いままで、こんな絵と全く「縁」のなかった人たちに、この絵が、どんな「縁」をもたらすのだろうか・・・・。

PS
そうそう、昨日の土曜日、住宅風呂巡礼第4回撮影が、大阪茨城の建築家、橋本健二さんの自邸で催された。ちなみに橋本さんは、最近の高島屋にある吉兆を設計したひとでもある。こちらも「まちのえんがわ」プロデュースなのだけれど、今日の雰囲気とは全く異にする、かなり常軌を逸したムードだった。コドモ向けの世界とオトナ向けの世界との違い。とでも表現すれば良いのだろうか・・・。土曜日と日曜日にたて続けに起こった、この二つの出来事に共通するコトは、「モノづくり」と「LIVE!」なデキゴト。なのだ・・・・。

Making of 住宅風呂巡礼・大阪茨城・橋本邸編

主演:温泉ソムリエぐっち
助演:橋本健二(建築家)ギター生演奏
撮影:多田ユウコ
演出:矢部達也
企画:木村貴一
協力:加藤博久
観客:矢部夫人・加藤夫人
制作:まちのえんがわ
special thanks:橋本健二邸

このビデオ撮影は「私」。

投稿者 木村貴一 : 2012年03月04日 23:59 « 3・10初午祭 | メイン | 好気密好断熱好すすきの »


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