協働

こんにちは、専務です。

 昨日、大阪府建築士会発行の業界紙『建築人』の年間掲載作品から選出される 建築人賞 で、弊社が施工を担当した 「クセのあるスタジオ」(設計:Kvalito/施主:マクセル株式会社)が佳作に選出され、その授賞式に参加して参りました。

こちらの賞は建築の設計者だけではなく、施主、施工者も賞の対象となっており、建築の機能性、デザイン性、社会性はもちろんのことながら施主・設計・施工の3者による協働関係も評価していただけるのは大変ありがたい限りです。確かに、そのどれが欠けても建築というものは完成しないことは事実で、これからも良い関係で仕事していけるように努めたいと思います。

 授賞式の後は万博総合プロデューサーである建築家の藤本壮介さんによる講演会。1時間程のお話は前段は近作について、そして後半はもちろん万博について。リングの中に多様性を内包させるDiversityとUnityの合わせたコンセプトの説明はとてもわかり易く明解で、機会があればぜひ聞いてみてください。
 たまたま万博本開催前の4月、テストラン初日の夜にも藤本さんの講演会を聞く機会があり、その時は万博のプロデューサー就任前の初期案から正円のリングまでの案の変遷や開催までの流れを詳しくご説明頂きました。超が付くほどの社会的重圧や責任感を背負いながら開催までたどり着き、ある種のハイ状態ですと御本人も仰っていて、最後に「僕のことを嫌いになっても、万博には行ってください」という冗談は本当に印象的で笑いながらも、もの凄い死線を越えてきたんだろうなと軽く震えました。

 万博には生野区からの展示のお手伝いや、家族でも訪れたり、でなんだかんだ四回行っています。どちらかというと事前予約ベタで当日に少しは頑張ろうとするのですが、子どもと行くとそれよりも各国のスタンプラリーに一生懸命になってしまい、気がつけば走り回って120個程スタンプを集めておりました。シグネチャーやイタリア館など有名どころはまだまだ全然訪れていないですが、河瀬直美館の奈良から移築してきた校舎の古いアルミサッシの向こうに見える万博会場の光景のアンバランスさに笑ったり、バーレーン館が日本的な105角の規格材での構成や太鼓張り障子の様な表現が面白かったり、

坂茂さんのドームの中に水玉が流れるの、これ一生見れるな、、、と思ったり、それなりに楽しんでおります。

 建築も見どころは一杯ですが、昨日の懇親会でもどなたかが言っていたのですが藤本壮介さんがSNS等の疾風怒濤の批判を乗り越えてやってきたにも関わらず、万博の公式パンフレットには各パビリオンの建築家のクレジットがある訳ではないし、そう考えると万博にとって建築は主役の様で主役でなく、やっぱり世界中から人が集まり、色んな文化をちょい齧り出来ることや、藤本さんも最後はリングから見上げる空の方が大事だと考えたと仰ってましたが、そこから見える夕日や景色なんかが感動を呼んだり面白かったりする訳で、其の為の装置として建築は在るんだなと思いました。

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byタカノリ

寒波と終わりと始まりと

こんにちは、専務です。

今月は引き渡しがいくつかあったり、地鎮祭があったりと終わりと始まりが怒涛の様に続いています。
和泉市K邸新築工事では寒波到来でまさかの雪のお引渡し。松の木に雪がチラついて風流でした。

堺市T邸蔵新築工事では、引き渡し後にお施主様とソファーを運び入れました。小さい建物でこじんまりとしていながらも独特の居心地良さがある不思議な空間です。担当設計の早川氏は現在サバティカル休暇を取得してヨーロッパ周遊へ。設計力がパワーアップして帰還するのが楽しみです。

巽東K邸新築工事は今月頭に引き渡しを終え、竣工写真の撮影を行いました。

今回は昼の部と夕方の部に分けて、ライトアップした夕景も撮影。設計さんもお施主様も一緒にワイワイと楽しく撮影出来ました。

小路東A邸新築工事はついに地鎮祭。来月からの着工に向けて大詰めの段階です。雲一つないピーカン照りの天気で、とても清々しい地鎮祭でした。

京都では以前maxellさんの新築工事でもお世話になったATVKで、新プロジェクトが始動。古材を設計、監督、大工、手伝みんなで寄って集ってああでもないこうでもないと小5時間くらい、、、。難易度高めの建築ですがどんなものが立ち上がってくるのか楽しみです。

毎年必ず訪れる竣工と着工が重なる月。年に一回終わりと始まりとみたいなタイトルのブログを書いてしまう時でもあります。ただ、時期が一定あればある種繁忙期とも言えるのですが、年末だったり、4月ごろだったり微妙に季節にばらつきがあり、予測もできず。今週はまた寒波がおとずれるそうで、大阪でも雪が降るとか降らないとか。この寒波を超えると春が見えてくるのだろうか。

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byタカノリ

熱気

こんにちは、専務です。
もう一月も終わりに近づいておりますが、2025年初ブログ。

新年は毎年妻の実家の福島県喜多方市へのロングドライブから始まります。ルートは北陸道経由。
途中石川県は加賀温泉郷の片山津温泉で去年お亡くなりになった谷口吉生設計の温泉に入って個人的追悼からスタートしました。

朝から営業していて高速降り場からも近く、サクッと入れる温泉としてオススメです。お風呂は露天風呂ではないにも関わらず、潟と連続する様なインフィニティ風呂に設計されていて、泉質は塩分強めの塩化物泉。浸透圧でぐいぐい来ます。心做しかすぐ喉が乾く気も。

そういえば先週本屋さんに行くと、建築家設計の温泉施設を纏めた本が発売されていて、意外と体系的に纏めた本っていうのも見たことなかったので思わず購入してしまいました。
隠れ温泉ファンとして長年活動しており、温泉好きとしてはキレイな施設というよりは、浴槽の周りが温泉成分で染まり、湯と向き合うしかない様なひなびた系温泉を好きであれ!というラディカルな思考が頭をよぎるのですが、建築に携わっている以上やっぱり建築家の関わっている温泉も気になってしまい、キレイに設計された温泉はそれはそれで泉質関係なく気持ちよかったりします。この本があれば、旅先で行きそびれた、、、なんてことが無くなりそうで捗ること間違いなし。

ちなみに帰り道にも、富山で ofa設計の宇奈月温泉総湯へ。
朝早くに到着したので、1番風呂で入浴したのですが、風呂場でその後いらっしゃった数名の日に焼けた男性が皆さん体感的にかなり長く体を洗っており、なんだろうと不思議に思っていると女性風呂でも同じ状況だったそうで、ふとここが立山連峰の麓で黒部への登山ルートの入り口だということに思い当たり、冬はトロッコ列車も動いてないので、正月早々から過酷な雪山に篭って数日過ごしていたんだろうなと、色んな冬休みの過ごし方に思いを馳せました。

さて、先日の早川氏や社長ブログにもあったように、先週末に開催されたお餅つきワークショップは大変盛況で、約200名にのぼるたくさんのご来場、本当にありがとうございました。久々にお顔を合わせることのできたお施主様や古い友人、近所の方々が入り乱れて熱気があるってこういうことだな、と。最近関西に越してきた、大学時代の友人が来てくれて、開口一番「もうフェスじゃん!」って言っていたので、社長ブログでも言っていた通り、来年からはお餅つきワークショップじゃなくてお餅つきフェスでいいかもしれません。毎年正月に福島に帰るのは餅つきの為のもち米を取りに行くという裏テーマもあって、また来年も喜多方まで取りに行ってまいりますので、ご来場お待ちしております。

さて、今年は建築の法改正や色んな変革もあり、住宅業界も過渡期という感じですが、良い建築をつくっていけるよう皆で力を合わせて励んでいきたいと思いますので、本年もよろしくお願いします!春頃までには新たな試みも準備しておりますので乞うご期待。

takanori

byタカノリ

渋さ しぶとさ

こんにちは、専務です。
師走とはよく言ったもので、まだ師匠でもないので、余計に走り回っております。
とはいえ今年の仕事も来週一杯、木村工務店は毎年12月28日は大掃除なので、本当にあと1週間です。今年の年末年始はほとんどの会社が28日から5日までのお休みなのではないでしょうか。休み中はどこも混み合いそうな予感、、

仕事納めに向けて各所奔走日誌。
和泉市K邸では大詰めの庭工事。
和泉市の造園屋さんのJIHEEさんが立派な渋い松を運んできました。最近、また和の庭の依頼が多くなってきているらしく、BACK TO JAPANESESTYLE感があって完成が楽しみ。たしかに、株立ちのシャラシャラっとした木が生えた庭っていうのも、飽和状態になってきた気もしますし、何か新たな時代に突入しているのでしょうか。

堺市T邸では小さな小屋がダイナミックなキャンチレバーの住まいの横にちょこんと鎮座したのを確認いたしました。
ここからは別物として敢えて黒く作った小屋に共通言語を持たせるのかどうかを、お施主さま、設計のハヤカワくん、現場監督のヒダカくんとあーでもないこーでもないと議論。建築の難しさって大きさではないですね。

昨日は箕面の地鎮祭へ。テントを建て、紅白幕を張り、真砂土を敷いて執り行うのが長年の地鎮祭スタイル。今回は東京出身のお施主さんや設計事務所さんの地鎮祭だったのですが、東京ではなかなか大きい工事でもない限り、しっかりテントを建てて地鎮祭を執り行うことはないらしく、たいそう喜んで頂いてこちらも嬉しくなりました。
今回の地鎮祭では神社さんが祭壇の両サイドに真榊(まさかき)という三種の神器をかけた神具が備えた設えにして頂き、紅白幕と青白幕で囲まれた空間の中で、緑の発色が渋く佇んでいて普段より盛り目に「ちゃんとしてる感」がありました。


簡略化することと続けて行くこと、特にこういった儀式的なことや形式的なことは時代の流れの中で何度も存亡の危機が訪れるんだと思いますが、例えば地鎮祭もお施主さんにとっては一生に一度あるかないかの出来事。やっぱり、始まりの合図がハッキリとしていることは大切で、それが関西弁でいう「きっしょ」というやつなんだろうなと。ちなみに「きっしょ」ってどんな漢字なん、と思って調べたら「吉書」で、期日を選んで天皇に読み上げる文書が転じて、大事な節目・機会という意味に変わったそう。「吉祥」という仏教用語のめでたいことを表す言葉の、方言略しVerだとなんとなく勘違いしていましたが、そう遠からずな意味なんで個人的ダブルミーニングとして処理します。

生野区K邸新築工事も完成の姿が見えてきました。
設計は組織設計に務める施主の義理の息子さんで、まだたたき台のプラン相談段階から約2年半程関わらせて頂き、先日の打ち合わせではSOLIDOを使った渋い外観と内部のスキップフロアの気持ちいい空間に仕上がって来たのをお施主さまも喜んでおられてほっと一安心しました。

建築を出来上がるまでには、コロナ以降の資材高騰の影響や、職人不足による工期の問題などなど、スムーズな決定や進行を妨げるネガティブ要素も多分にあり、近頃はトントン拍子に決まるなんてことは本当に少なくなってきました。それでも、時間を掛けてでも、微妙な調整を繰り返すことで建築は立ち上がってくる。そんな感じがします。今の時代にこそ、「しぶとさ」みないなものが求められているのかもしれません。

先週土曜日の午後はMOKスクールで六車誠二さんと竹原義二さんの講義を受けてきました。
特に竹原さんの黒板授業は初受講。ルイス・カーン、チャールズ・ムーア、中村家住宅を通じて語る建築の見方、図面との対話、そして自らの建築への落とし込み方。圧巻の迫力と建築に対する「しぶとさ」で気圧されました。なんか学生に戻った気持ちになり、心が少し若返った気がしました。

さて、わたし恐らくこれが今年最後のブログ。
振り返るとこの年末は渋さとしぶとさに突き動かされている気がしました。渋い人間になるにはまだまだ修行が足りませんが、来年は少しでもしぶとさを身に着けることを目標にしようかと思います。
今年も1年ありがとうございました。よいお年をお迎えください!

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byタカノリ

TO FIND

こんにちは、専務です。
ただいまブログのサーバーの変更作業をしており、各blogの各所でリンクエラー等が発生中です。
迅速に修正していますので、
NOT FOUNDと表示されても、焦らず踊らず、ブラウザの戻るボタンをソッと押してください。

さて、和泉市K邸新築工事は足場が外れ、無事完了検査に合格しました。
写真は足場が取れた直後。

愛媛の共栄木材さん焼杉の外観、吉野の坂口製材さんの木組み、吉野の坂本林業さんの化粧材やフローリング。

完成まではもう少し、かなりパースに近づいてまいりました↓

完成までもう一踏ん張り!

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byタカノリ

雨あがる

こんにちは、専務です。

9月頭のお騒がせ台風も去って涼しくなるかと思いきや、まだまだ暑さが続きますね、、
バケツを引っくり返したような夕立もあったり、流石に一度に大量に雨が降ると雨漏り等がおきないか心配になります。でも夕立の後は少し涼しくなって、なんかシャワーを浴びた後感というか、あの感じは意外と嫌いじゃなかったり。

本日は巽東K邸新築工事の上棟式でした。
式が始まる直前に夕立が降り出し、少しバタバタしましたが、透湿防水シートや屋根の仕舞いはある程度終えていたので滞りなく進めることが出来ました。
それこそ昔は上棟式と言えば、本当に大工さんが建て方をしたその日、木組みだけの青空の下でやることが普通だったので、夏場は式中に夕立が来て大騒ぎなんてこともあったんだろうな。。
最近はやはり構造となる木材を不用意に濡らしたくないということもあり、建て方の約1週間後、周囲の透湿防水シートや、屋根の合板までは張り切った状態で上棟式をさせてもらっています。
上棟式を終え外に出ると雨雲の向こうから夕日が綺麗に建物を照らしていました。

こちらの住宅は、組織設計に勤める娘婿さんが義理のご両親の為に設計しています。
特徴はなんといってもスキップフロア。
インナーバルコニーもあり、広がりのある空間になりそうで楽しみです。

上棟を終えるとぱっと見ではかなり出来てきた様に思えますが、工事としてはここからが本番。

完成に向けて着実に進んでまいりたいと思います。

 

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byタカノリ

 

盆と本

こんにちは、専務です。

お盆休みも終わり、少し暑さもましになったような。
毎年ですがお盆休暇の前と後では気持ちが切り替わるといいますか、世界線が変わるといいますか
ふと一つの山を超えて次の山に向けて気持ちを整える様な感覚になります。

現場の話も少し前に感じるので夏の旅行の話でも
ルートはざっくりと↓

今回のメインは妻の祖母の米寿祝いで福島県は裏磐梯の中ノ沢温泉が目的地。その前後に寄り道をしながらという予定だったのですが、台風が太平洋側に来ていたので(しかも2つ)、なるべく東によらない様に台風情報とにらめっこしながら、その日その日で泊まるところ決めていく割とスリリングな旅となりました。にらめっこは割と勝利したようで、なんとかほぼ雨に振られずの5日間。ボロボロのステップワゴンの老体に鞭を打ちながらぐるぐると巡ってきました。
県としては新潟→福島→山形→長野。せっかくなので各県の寄り道先をいくつかご紹介。

新潟県カーブドッチワイナリー
ワイナリーと温泉・宿泊施設・レストランが集落の様になっている素敵なところ。15年ほど前にも来たことがあるのですが、なにやらワイナリーも増え、そして温泉は谷尻誠さんにより本の読めるお洒落空間にパワーアップしていました。単純に泊まりたい。。。

山形県 MOHZ
地元のイケてる畜産業者がやってる超絶オシャレスーパー。ローカルフードも満載でもちろん米沢牛・蔵王牛が割と安くこれでもかとあって、こんなのが近くにあるのは羨ましい。地元の人に聞いたら、オシャレ過ぎてあまり近寄れないと言ってました。

長野県 松本十帖

温泉宿のリノベーション。狙ってたわけではないけど、今回は何故か谷尻建築が多めの旅行でした。旅先では建築・温泉・本屋がキーワードで行き先を決めることが多く、松本十帖はベン図のど真ん中なので行かざるを得なくなるわけで、宿泊者以外は当日予約で1時間だけの滞在しかできませんが、ゆっくりダラダラしたい空間に仕上がっていました。

そういえばこの前東京に行ったときも渋谷区の植物園で谷尻さんの本棚に出会ったな↓

本棚がある空間にリノベーションする施設は最近とても多くなっています。WEBやSNS、本も電子書籍が主流の時代に、本棚というのは書籍が持つ本来の機能よりも空間装置として機能しているようで、本棚があることで「まぁゆっくりしていってよ」という意思表明をしている様な、今で言うチルさを演出するというか。そういえば小説家の友人が、今や小説を読む人自体がニッチな存在で小説家は完全なコア向けの仕事になっているみたいなことを言っていました。なんだかんだ僕も積ん読するために本を買っている節もあり、読破しているのは買った本の1/3くらいかもしれません、、本読みとしてはある意味ダサい状態ですが、本棚と面白そうな背表紙を並べることも建築だと自分をごまかしています。
かくいう「まちのえんがわ」も本棚を持つ空間で、今は僕と妻の本が雑然と並んでいますが、色んな本棚を見るとかっこいい本棚(本のセレクトを含めて)とそうでないものがあり、やっぱりまだまだ偏りがあってもっと改善が必要だなと反省します。

さて、紹介しだすとキリがないので、続きはまたの機会で。
今回の旅行では地方都市もそれぞれ、既存のものを活かしながら、更新して、新しいことにチャレンジして頑張っているんだなとつくづく感じました。我が事に振り返ると私達もアップデートしながら進んでいかなければいけないんだなと、気が引き締まる盆休みでした。

さて、次は年末という山に向けて切り替えていきましょう。

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4年ぶりと67回目

こんにちは、専務です。
梅雨入り間近のようですが、今週は晴れ間が続きそうですね。
木村工務店は毎年6月の頭に協力業者との会「精親会」の総会と研修旅行に行っていました。
コロナ期間があり、2019年の吉野川へのラフティングを最後に、総会だけはなんとかオンラインで続けながらも研修旅行は中止、昨年は旅行代わりにBBQ大会を開催しながら、旅行再開の機会を虎視眈々と伺っておりました。

なんとか今年こそはということで昨年末から企画。協力業者合わせ総勢46名での旅行なので計画だけでなんだかんだ半年かかってしまいます。さらに今までは2階建てバスでの旅行が主体だったのですが、昨今は2階建てバスが世の中から消えていってしまっている様で、折角なら飛行機で遠出しようということになり、その中で東北への旅計画が持ち上がり、6/2・3と一泊二日で東北は三陸地方から平泉を巡る旅行に行ってまいりました。

午前9時10分、無事仙台空港到着。

そこからは駆け足で三陸に向けて宮城県を北上。最初のテーマは震災遺構を巡る旅。
目的地は昼食も兼ねて南三陸さんさん商店街へ。津波で被害を受けた南三陸の河口沿いを建築家隈研吾がマスターデザインから防災と復興の拠点として整備していった場所です。 

何気なく見える橋の横の赤い鉄骨。こちらは川沿いに建つ3階建ての庁舎だったそう。今は三階部分が護岸から少し顔を出しているのですが、この高さが震災後防災の為に盛り上げて整備した高さだそうです。昼食も頂き一路気仙沼へ。


気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館。震災の記憶を風化させない為、被災した水産高校をそのままに残してある場所です。校舎3階に車が流れ着いていたり、4階部分に冷凍工場の衝突跡があったり、まさに想像を絶する筆舌に尽くし難い場所でした。短い時間の見学ではありましたが、津波の記憶がもう一度心に刻まれたように感じます。

震災遺構、最後は陸前高田の高田松原津波記念公園。建築家内藤廣の建築。
津波から守る為の高い防潮堤が建設され、海が見えなくなってしまった場所に、海に向かっての祈りの軸を設計し、防潮堤の上に祈りの場が作られています。

気仙沼の震災遺構でみた映像とは正反対の、穏やかな海が祈りの場からは見えていました。

精親会の旅行の面白いところは、こういった建築家の設計手法の如何はさておき、それぞれの職種の職人さん目線であの納まりはどうだとか、もうちょっとビシッと通せるはずやとか、ぐつぐつあーだこーだ言いながら旅行できること。無論酔っ払いながらではありますが、、。

続いては1日目もう一つのメイン三陸鉄道の旅、ではありますが、長くなってきたのでここからは別の方か、一番テンションの上がっていた弊社の鉄道番長a.k.a経理小林に任せるとして、本日はこの辺で。

 

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byタカノリ

始まりと終わりと始まりと

こんにちは、専務です。
いよいよ春、先日次男の入学式も終えて季節の移り変わりをしっかり感じています。
今年は小学校の桜もほぼ満開の本当に気持ちの良い入学式でした。しかし、季節の変わり目といえばの風邪を見事にくらってしまい、少し重い体を引きずりながら過ごしております。

近頃は新規案件のお問い合わせも多く頂いており、新築の計画やリフォームの現調などに赴いております。天王寺区では新築の計画に。木造で車を二台停めるには構造的にも土地の間口の問題など様々考慮する必要があり、敷地に簡易的な遣り方をして計画が本当に成立するか確かめることに。

前面道路との関係や、向かいの電信柱の位置など、やっぱり一度現場で実験してみないとわからないことって あります。図面に反映して良い計画を進めて行きたいと思います。

週末は以前リフォームさせて頂いた中央区I邸マンションへ。お子様の成長に伴って新たな計画が持ち上がりました。以前はローコストでの改修でしたがやはりマンションは無垢材の床に張り替えると一気に雰囲気が変わります。この頃はまだあった無垢のミャンマーチークがいい味を出していました。制作家具で作ったオークのテレビボードもピッタリ収まっています。
名残惜しい空間ではありますが新たな計画に向けていざっ!

 土曜の午後は現場監督の山元が担当した京都・Project Mの内覧会へ。
設計は今回、初めてお仕事させて頂いた設計事務所kvalitoの水上さん。基本設計から竣工までの初期設定スケジュールがものすごくタイトな中、以前ご相談頂いたことがあった縁で特命で弊社に概算見積からお声がけ頂き、初期のS造での計画からコストコントロールの為の木造への方向転換や、様々な難所を切り抜け無事先日竣工いたしました。
この建物は、京都の大山崎に昨年オープンしたATVK(Art and Technology Village Kyoto)の中の企業サイトにある、マクセル株式会社さんによる平屋建ての展示空間「クセがあるスタジオ」です。シルバーの内外装に、大きな庇を支える構造ワイヤーとストリングアートの様な緑化ワイヤーがとてもインパクトがあり、木造でありながら木造とは思えない軽やかさがあります。緑が育つとまた印象が変わっていきそう。内部のオリジナル什器が無機質さの中に自由に漂っているようで可愛らしいです。
夏に向けてU-35向けのアート&テクノロジーコンペが開催されるみたいなので、今後の展開が楽しみです。内覧会は沢山の建築関係者がいらっしゃっており、水上さんは同年代でもあるので、その設計者としての立ち振舞に本当に刺激を沢山うけました。

さて、明日は木村工務店恒例の花見。今日の雨で桜が散りすぎませんように。

 

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byタカノリ

 

 

灯りとお花の設え

こんにちは。

設計部のハヤカワです。

毎年花粉で調子悪くなるのですが、

今回は病院でもらった薬を飲んでいるので、

少しマシな気がしています。

 

東大阪・M邸新築工事では、

上棟式がありました。

現場用の照明は、作業性と明るさを優先して、

LEDの昼白色の色温度が高い(白っぽい光)照明が一般的ですが、

せっかくの人が集まる場ですので、会社から電球色の照明を持参し、

天井から出ている配線にぶら下げてみました。

 

現場の大工さんや職人さんたちからは、

何してるの?って感じでしたが、、、笑

周りが薄暗くて、

食事のする場だけが照らされて、

構造体の陰影が生まれて、

素敵な空間になったと思います。

 

合板を重ねただけの簡易な机に、きれいなお花を添えていただきました。

すごく良かったです。

いつもと違った食事の雰囲気が生まれており、

ワイワイ楽しみながら過ごすことができました。

 

お施主さんには、食事以外にも

色々と準備をしていただき、ありがとうございました!

 

では。

byハヤカワ

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