夕焼けの大阪万博

木村工務店では、暦通りのゴールデンウィーク。

その29日祝日に大阪万博に行く。雲ひとつない晴天。少し寒いぐらい。それなりの観客に、それなりの列ができ、並で待つが、それでも、建築を眺めるだけで、とっても楽しい。入場したパビリオンは少ないので、なんともいえないが、国によるコンテンツの出来不出来は大きい気がする….。コンビニでおにぎりを買って持っていったが、報道より食べられるところもいろいろあるし、予約入場のない、スペイン館でワイン飲んだり、ベルギー館でビール飲んだり、それなりに楽しめる。おそらく3回ぐらいは行くとおもう。

ワタシ的に初回は「リング」を体験するコトが最大の楽しみだったが、大阪のおばちゃん的奥方は、徹底的にパビリオンを攻略するコトだった。8時20分ぐらいに夢洲駅に到着したが、もうすでに凄い列。イヤホンを耳に挿入し、音楽聴きながら、ゲート越しのリングとパビリオンを眺めて待つと、それなりにテンションが上がってきた。これぐらいの待ち時間なら苦痛じゃないなぁ。きっちり9時にゲートがオープンし、空港のような厳重なセキュリティーチェックを通過して、9時15分には入場できた。で、とりあえず、フランス館の列に並んだ。事前予約が取れたのは、いのち動的平衡館とUAE館だった。3日前予約が午前0時に開始されるらしいが、その予約に「失敗」し、とっても悔しがっている奥方。

それで離婚の危機ぐらいに問題が勃発したのが当日予約だった。ゲート入場10分後に当日予約ができるシステムになっているらしい。で、そのフランス館の列に並ぶと、想定以上にとってもスムーズに流れ、9時25分に入館できてしまった。ところが、その入館時に当日予約が可能な時刻になったのだ。フランス的コンテンツを視たいが、まず日本館の当日予約をするのだぁ!っと指示が飛んできた。後からどんどん押される人並みに恐縮しながら、スマホを操作し、無事午前11時頃の日本館の予約を獲得したので、その報告をするために、すぐ後にいるはずの奥方に伝えようとすると、姿がまったく見えなかった。コンテンツを視聴するより、スマホの操作で下を向いたまま、後から押し寄せる観客に邪魔扱いされながら、当日予約に必至の奥方と、かなり、はぐれてしまったのだ。

電話で連絡まで取り合って、ようやく合流し、当日予約ゲットを報告すると、でかしたぁ!と褒められるとおもったら、私の分はっ!という。そうかっ、二人分を同時予約する必要があったのだな。確かに、あっゴメン。それにしても、そんな同伴者を一緒に登録するところあったっけ。と「コンテンツ半視、スマホ半視」の中途半端な状態で、操作するので、もう混乱状態。あとから同伴者分を追加することが出来ないようなのだ…..しらんけど。もぉ当日予約など、どぉでもエエ状態のワタシ。ふてくされ気味でもあって、フランス的コンテンツをただ視たいだけなのだぁ。と主張すると、その当日予約するスマホの操作も上手くできないオトコとしての不甲斐なさを嘆く奥方。とにかく、まず、その予約を取り消せっ!と、万華鏡の向こうから指示が飛ぶ。この万華鏡空間の全員から中心にいるワタシに指示が飛んできている気分だった。

「モン・サン=ミシェル」と「厳島神社」がしめ縄で結ばれているのは、いかにもフランス的だと想いながら、「モン・サン=ミシェル」に行った日の楽しかった想い出、「厳島神社」に行った楽しかった日の想い出が、走馬灯のように脳内を駆け巡ったが、フランスと日本の2つの文化を結ぶ「しめ縄」をみて、脳内をよぎったのは、唐突に襲ってきた当日予約システムによる、ワタシとオクガタの危機的関係性を回復することだった。

フランス館から出国し、ゲート近くまで戻ってインフォメーションセンターに向かい、当日予約のスマホ操作のレクチャーをうけ、もう一度二人分の日本館を当日予約しようとすると、既にいっぱいだった。とりあえず今日は日本館に行っておきたい!という奥方の希望が消え失せ、当日予約失敗による二人の微妙な関係性は持続されたままの状態だったが、その距離感が少し縮まったのが、昼前から飲んだスペイン館の赤ワインのお陰だったようにおもう。

「リング」はこの万博会場には、とっても相応し木組みのリングにおもえるし、木組みの中を歩くことを楽しみにしていたが、それ以上に、屋上を歩いて、万博会場内を上から俯瞰して建築を見下ろしたり、海を眺め、遙か向こうの淡路島や明石大橋や六甲山や関空を眺め、大阪の都心方面を眺めるのも楽しい。回遊路が2段になっているのが、おもいのほか良かった。動的平衡とは何なのかを学んだあとだったので、夕日のなかで、上の通路を歩く人と下の通路をあるく人の姿が、エネルギーの流れのように見えて、とっても美しく感じられた。

広い会場内で自分がどこにいるか方向性を見失なっても、必ず木組みのリングにぶちあたるので、いまとここを判断できた。この木組みのリンクは、万博会場をひとつにまとめ外との関係性もつくれる優れた回答のひとつにおもえた。それよりも、この地球上には、とっても多くの国々があり、それぞれの国と日本とに結びつきがあり、これからの日本との関係性を模索していることに、あらためて気付かされるし、日本人が世界で働き、世界から日本に働きに来るコトが、特別なコトでなく、とってもフツウになる時代にも感じた。また万博を楽しみたい。

皆さん、素敵なゴールデンウィークを!