上棟式と木組

社員大工の平星くんのマイホームの上棟式があった金曜日。社員と大工さん皆が参加して上棟の祝宴を楽しんだ。それにしても生涯で家を新築出来る人は数少ないとおもうし、大工さんが自らの家を新築して自分で施工できるのは、もっともっと数少ないとおもう。ちなみに「私」は自分の家を新築したことがない。数多くの上棟式をお祝いしてきたが、木組みの下で、飲むビールと食事は格別な味のようにおもう。上棟を皆で祝福するエネルギーが家に宿ればなお嬉しい。
そうそうここ1ヶ月ほど日曜日になると自転車に乗るようにしている。それは「環島」とよばれている台湾一周サイクリングに誘われていて、そのトレーニングがてら乗っているのだけれど、その時、休憩がてら心引かれる景色の前で写真を撮影する。

家から淀川を通って木津川に入り京都から奈良を目指して東大寺を見て大和郡山に向かい珈琲休憩をしていたら、自転車乗りのひとがふらっと入って来て、あれやこれやと話しをしていると、法隆寺まで走って、かき氷を食べるという。私も帰り道は法隆寺に立ち寄って大和川を通って帰るつもりだったので、一緒に走ることになった。法隆寺の南大門前のお店で一緒にかき氷食べて、門前で自転車を並べて記念撮影し、お互いに気を付けてっ!とお別れした。
それにしても、いつみても屋根の庇の垂木が圧巻だとおもう。寄棟になっている角木の跳ねだしが特にエエ。斗栱(とうきょう)と柱のプロポーションもエエ感じ。でもこの門は創建当時(607年)ではなく1438年に再建されたらしい。塀の土壁の経年変化による素材感と色がエエよね。白い漆喰壁のツルッとしたテクスチャと対比になって好きだな。そうそう平星大工の上棟式に参加された奥さんのお祖父さんお祖母さんが、家が吉野の桧と杉で出来ているのを見て、こんな昔のような家、いまもやってるとこあるのですね。とってもエエコトですわっ。日本の森を守るコトにもなりますからねっ。と仰ったのが印象的だった。

しまなみ海道へ自転車を乗りに行った。土曜日に生口島にある輪空のご主人と一緒に自転車に乗って大三島を一周。その夕刻に高速バスで50分ほどの福山城下で開催されていた日本酒フェスティバルを楽しんだ。福山城がリニューアルされたらしく中は美術館のようになっていた。お城の背面だけが黒の鉄板張りになっているのが、意外性があってエエ感じ。天守閣から福山駅方面を見ると、目の前に飛び抜けた高さのマンションがひとつだけそびえ立っている。あのマンションから福山城を眺めたらエエ感じだろう。が、天守閣からの眺めはいまいち。福山駅は福山城内にある駅だそうだ。そんな駅前開発とかはむずいねっ。そのあと福山駅商店街外れの居酒屋で食事して、生口島まで戻ってまた飲んだら、次の日はなかなか目が覚めなかった。
この日曜日も自転車乗ってご主人と一緒に今治まで行く予定だったが、途中でポカリ飲んだりしても二人とも調子あがらず、伯方島のカフェで珈琲とケーキ食べて帰ろっとなった。丁度大潮の日らしく伯方島の渦潮が凄くて記念撮影。で、この海峡を渡って、難波宮までたどり着いて、法隆寺までやってきた木組みの技術をもった中国や韓国の職人集団があったのだろう。水先案内人がいなければこの海峡は通過できないよなぁ…..なんて考えながら眺めた。