「国宝」な連休になった。

猛暑が続く。magosたちの夏休みが始まって、日曜日の早朝から枕元に忍び込んできてたヤツがいて、なんだぁっ!と驚くと、プール開きをやって!っと云う。しゃぁないなっ! 朝の涼しいうちにやればエエのだが、日曜日の朝はダラダラして、スパー銭湯の朝風呂にはいってから、ようやく決心ついて、プール設営しだしたら、汗だく汗だく。朝風呂の意味なかったなっ。見かねたmagos母が一緒に手伝ってくれてなんとか完成。水を貯めるのに数時間かかる。これって省エネなのぉ…..。日が傾きだしてから水溜まってプール開き。監視員としてその様子を眺めながらビール飲んで、暫くしたらもう我慢出来ずにプールにドボン。

プールにつかりながら、庭の隅に小さなサウナ小屋作りたいなぁ。プライベートサウナ入ってプールにドボンしたら気持ちエエやろなぁ…..と、以前 ipad で描いた図面を思い浮かべながらジャブジャブした。

そうそう加工場で大工さんが古材と新材のハイブリットな構造材手加工をして3ヶ月ほどになる。ついに猛暑の季節になって、フミノ棟梁の服装が、現代的大工さんでエエ感じ。空調服着て、短パンにレギンスに、コンバースの一つ星。このコンバースは安全靴になっているそうで、つま先押して、ほらぁっ、硬いでしよぉっ!て。カッコエエなっ!

連休21日祭日の早朝。このごろ休日の前日に飲みに誘われる機会が多くなって、日曜日の朝は自転車乗る気力全くなし状態が続く。この連休月曜日の朝を逃したら…..と、朝早くから起きて、十三峠登ったら、日影やけど、あついあつい。しんどいしんどい。おそいおそい。唸るような自転車の音が後から迫ってきて、おはようございます!と爽やかな挨拶とともに電動ロードバイクに乗ったちょっとボリーミーな女子に抜かれた。もうそろそろ電動でもエエかなっ。

午前10時頃、あとの予定なかったので、「国宝」でも見にいけへんっ!と奥方にそれとなく誘うと、評判エエから見にいきたいわっ!という。ソソクサとミナミの東宝シネマの予約状況を調べると、20時35分から23時45分のヤツしか二人分隣席は空いてなかった。さすが人気映画。千日前線難波駅の南巽行き最終便12時1分発でギリギリ帰れそうなので、シニア券2枚で予約。こういう時がワタシタチシニアやなっと実感する瞬間。

映画始まって、つり橋の映像があって、学生時代の主人公二人が戯れるシーンに、あれっこれっ玉手橋ちゃぅ。今日、この石川沿いの橋の下を通るサイクリング道路を使って、富田林でモーニング食べるか、金剛ロープウェイまで行こうかともおもったが、この暑さにしてはスタートがちょっと遅いし、川沿い日陰なく暑いし、長いし、時間かかるし、十三峠往復で時短を選んだ。そのお陰でこの映画を見に行けたんだなっ。そんなこと浮かんで、脚ちょっと張ってるのも感じながら映像を視た。長さを全く感じさせないエエ映画だった。

「Expoの空」

7月13日日曜日。午後1時をちょっとまわった時刻に夢洲の駅に着いて、Expo東口ゲートに向かうと、メチャクチャの行列にたじろぐ。2週間ほど前に午後12時の予約が取れたからブルーインパルスを見に行くでぇっ!と奥方から指示がでて、素直にOKっと云ったものの、想像を上回るひとひとひと。ゲートを通過するのに1時間30分ちかくかかった。照りつける太陽。アスファルトからの輻射熱。汗だく。奥方はワークマンで買った黒の空調服で快適やわっと宣う。その姿を見ながら額から汗がおち、背中に汗も流れ出し、一瞬音をあげそうになったが、子供達や乳母車に乗った赤ちゃんたちが黙って文句も言わず待っている姿に、大人げのないワタシになってしまうことを恥じて踏みとどまった。それとこの特殊な状況下で、イヤホンから流れる音楽が、忍耐を楽しみに変換してくれた。

午後3時頃にブルーインパルスがこの万博の円形リングの上を通過するらしいが、ゲートをくぐれたのは午後2時30分をまわって、円形リングに上がる階段は既に閉鎖され入場制限されていた。何気にリングの上からブルーの空を見上げブルーインパルスの機体と白煙の軌跡を眺め、円形のリングに囲われたパビリオンの上を通過する勇姿を想像していたので、一瞬あっっと想ったが、気を取り直して、海に面したステージ近くの比較的すいている場所に移動して待つ。パビリオンには行列がまったくなく、閑散としていて、このチャンスにパビリオンを見学するアイデアもあるが、やっぱりブルーインパルスを見る方に心が動いた。

男性のエエ声の場内アナウンスが始まり、1番機から搭乗者の紹介が始まると、拍手が巻き起こる。特に搭乗者が大阪府出身の…..とアナウンスされると、とっても大きな拍手と歓声が巻き起こった。ブルーインパルス搭乗者はスターなのだな。正直、ブルーインパルスを見たいという衝動はとっても薄く、奥方の想いに乗っかった程度だったのに、なぜか胸が熱くなってくる。円形リングを突き抜けるようにブルーインパルスが飛んでくると、独特の響めきと歓声があがり白煙を引きながら真っ青な上空を通過し彼方に飛んで行く姿を見ると、涙が出そうな気分になる。なぜなんだぁ。不思議だ。

あれやこれやの演技飛行が終わり、隊長機一機だけが、お礼に円形リングをぐるっと一周し、西の空に消えていく時、多くのひとが手を振り、拍手をして、ありがとう!って。「ブルーインパルスって演技のためだけに存在しているのとちゃうよねぇっ」とか「平和な空を飛び続けるブルーインパルスであってほしいねっ」とか「日本の空を守ってねっ」とか、そんな会話がちらほら聞こえてきた。

「横田ラプコン」というコトバをあらためて知る。横田基地が管轄する航空管制空域というのがあるらしく、米軍が関東圏の広域空域を掌握しているという。ブルーインパルスが東京上空を通過したのは、2020年の医療従事者への感謝飛行と2019年の天皇即位祝賀パレードだけらしい。米軍の許可がいるという。知らんけど。日米地位協定なんていうコトバをブルーインパルスが飛行する「Expoの空」を見上げながら考えてみた日曜日だった。今日は選挙の日曜日だな。

「バターシー発電所」

とにかく暑い日々。庭のモミジは、この暑さで葉っぱが縮こまって、3分の2ほど落葉した。身軽になってこの暑さを乗り切ろうとしているのだな。そうそう例年よりアゲハチョウがよく飛んでいる気がする。

「欧州建築視察ツアー」の余韻が残る…..ロンドンのテムズ川沿いに「バターシー発電所」という元発電所を再開発した複合商業施設があって、そこを見学する。発電所の四本の煙突は一度解体し再建築したそうだ。やるねぇ!ランドマークやしね。ハイブランドも入ってエエ感じの商業施設で川沿いには芝生があって気持ちよさそうにカップルが寛いでいた。この向こうには建築家フランク・オ・ゲーリーのゴチャゴチャしたデザインの高級マンションも建って、新しいロンドンの観光スポットらしい。

それで、上の写真は「ピンクフロイド」の「アニマルズ」という1977年のアルバムジャケット。下の写真は、2018年発売の「ピンクフロイド」の「アニマルズのリミックス版」のアルバムジャケット。工事中の様子がよくわかる。「ぶた」が浮いているので有名なアルバムで、当時18歳ぐらいだがなぜか買わなかった。FM放送で流れてくる「Pig」か「Dog」か忘れたが聴いた記憶が残る程度で、もうすっかり忘れていたが、この旅をきっかけに想い出した。一緒に旅行した埼玉の工務店のアジキさんが、この商業施設のお土産店で、1977年のこのレコードアルバムを買った姿を見て、ちょっと悔しかったなぁ…..。

「原子心母」「狂気」「炎」は買ったが、オンタイムの「アニマルズ」を避けた。ジャケットが不気味だったからなのか。ウエストコーストな軽い音楽のほうが良かったからなのか。気分の問題とレコードを買う優先順位があったようにおもう。いまApple Musicで古い音楽が気軽に聴けるようになって、それにコードレスのエエイヤホンがいろいろ発売されて、「狂気」はたまにイヤホンで聴く。音を縦横無尽にぐるぐる動かしまくるのが凄いし心地良い。それに大学生の頃に友人たちと車で旅した時、霧で覆われた箱根あたりで、カセットでかかった「狂気」が印象深く、その時のコトを想い出す。

帰国して「アニマルズ」を聴く。エエアルバムだな。旅した後の今なら、イギリス社会の労働者階級と支配者層の対立を動物に例えて風刺した歌詞と楽曲も理解しやすくなった。Dogs 犬(支配される側になりたくない野心家)Pigs 豚(権力を掌握し欺瞞を広める者)Seeps 羊(何も知らずに従う大衆)とChatGPTが解説してくれた。リミックス版を聴いてたら、石川さゆりの津軽海峡冬景色をおもいだした。で、ChatGPTくんに聞いたら…..ピンク・フロイドの『Animals』と石川さゆりの『津軽海峡・冬景色』は、ジャンルも文化も異なるものの、次の共通点において深い共鳴が見られます。・下降旋律と情念の波・語るような歌唱法・風景と感情を重ねる構成・音響で孤独や喪失を描写。したがって、『Animals』は西洋的形式の中で、演歌的情感を追求した作品とも言えるのです。ま、ほんとうにそうなのか…..しらんけど。

「ヒプノシス」というデザイン集団がピンクフロイドのアルバムジャケットのデザインを担当していたと知る。どれも独特にエエデザインだし、あっ、そういえば、ピンクフロイドのメンバーのニックメイソンのソロアルバムのこれをジャケ買いしたのをおもいだした。これもヒプノシスのデザインだったのだな。レッドツェッペリンやユーミンのアルバムもデザインしていたらしい。ちなみに木村工務店の社員紹介はブルーノートのリード・マイルスがデザインしたジャケットデザインをコラージュしている。ChatGPTちゃんがこんな比較をしてくれた。

項目リード・マイルス(Reid Miles)ヒプノシス(Hipgnosis)
活動ジャンルジャズ(主にBlue Note)ロック(プログレ/ハードロック)
ビジュアル手法モノクロ写真+タイポ写真合成+幻想的イメージ
主な表現技法トリミング/グリッド構成/制限色コラージュ/合成/超現実
タイポグラフィ強調(構成要素)抑制(または非表示)
色彩感覚限定色・寒色系が多い彩度高い、加工色
コンセプト都市的・知的クールさ神秘・概念・幻想の視覚化
デザインの目的音楽の「品格」や洗練を強調音楽の「世界観」や「謎」を創出

「バターシー発電所」を見学して、その余韻を「ピンクフロイド」の「アニマルズ」で楽しんだ1ヶ月だった。

「サボア邸」と「ナポレオンの墓」

「ツール・ド・フランス」が、日本時間の土曜日の夜から始まって、J SPORTSで視聴していると、フランスのランスという町を通過し、ルーブル美術館ランス別館のヘリコプター映像が写った。解説者はちょっとだけ紹介して、すーっと流したが、この美術館の設計は、日本人の設計ユニットのSANAAなんやでぇっ!とテレビ画面に向かってツッコミを入れておいた。上から見たらこんな感じのランドスケープなのだな。人の目線で見れば、美術館の外壁のアルミパネルに、まわりの景色がぼんやりと映り込んでる建築写真を想い出した。

先月の「欧州建築視察ツアー」の余韻がまだ残っている…..。イギリスが中心だったが、最後の二日間はロンドンからTVGに乗ってパリで宿泊した。パリ郊外にある、ル・コルビジェのサボア邸は、コロナ前のこの同じツアーの時に、初訪問して、それなりに興奮しながら見学し、一生に一度の体験だと思っていたのに、人生で2度もサボア邸を見学出来るとは考えもしなかった。というより、1回見てるので、別に2回も行かなくても、他の見学場所でエエけど…..ぐらいの感覚だった。

2回目になると、1回目の興奮がなく、全体的に落ち着いた気分で見ることができて、より良く感じられ、2回行けて良かったなぁっと想ったが、それでもこの上の写真のように、道路から門扉を通り、左に折れて木々の間を通り抜けながら右に曲がると、木々越しにこの建物が見えて、建物に吸い込まれるように微妙な下り坂の芝生をワクワクしながら皆と一緒に歩いているワタシを発見するわけで、建築としてアプローチから良く出来ているのだなぁっと、あらためておもう。

そうそう日本に帰ってからの日曜日に、お風呂屋さんで湯船にどっぷり浸かりサウナに入って旅の疲れを癒やしたが、あらためてサボア邸でお風呂を撮影して、この写真を見て、おもうのは、右の白いタイルのところにサウナ部屋があって、このブルーのタイルの浴槽が水風呂で、タイルの寝椅子で、ととのう…..そんなコルビジェ・サボア邸デザインの水風呂一体型サウナってどうですか…..。ま、リミックスみたいな感覚。

サボア邸のお土産は、この「VILLA SAVOYE 0ユーロ」。サボア邸を見た翌日のパリ二日目は、帰国までの自由時間があって、二度目のルーブル美術館に行けるチャンスもあったが、出発前から予約はしなかった。それより秋山東一さんのお誘いで、ナポレオンの墓と軍事博物館を見学することになった。日本人見学者はたぶん私たち二人以外にいなかったようにおもう。

それはそれでとっても貴重な体験だったが、途中で、パリのナポレオンの墓は、日本では徳川家康の日光東照宮みたいなものかなぁっ。と考えながら歩いたが、何かが違うようにおもうし、それが何だろう…..と、日本に帰ってからChatGPTに聞いてみた。

  • ナポレオンの墓は、「フランス国家の軍事的栄光と近代史の象徴」。
  • 東照宮は、「日本の平和統治と神格化された家康の霊的支柱」。

つまり、どちらも「国家的英雄の記憶装置」としては似ていますが、
ナポレオンは近代的英雄
、家康は神として祀られる霊的存在という違いがあります。

ということらしい。そうなのぉ。それがワタシ日光東照宮に行ったことがない。こんなご縁をきっかけにして、一度行ってみようとおもう。

それはそれとして、その見学のあとに、パリのビストロ・ビクトワールで食べた鴨のコンフィが、この旅の一番美味しい食事だったなぁ。

「モチベーション」

「ものづくりセッション Vol.34」を開催した6月28日土曜日。えっ、梅雨が明けたらしい。

2018年から生野区行政マンの武田さんと私の二人で始めて、タケダさんが参加者を募り、当日のプレゼンターを人選し、ワタシは会場設営と司会担当なんだけど、7年近く、木村工務店の加工場稼働の隙間をぬって、上手く開催できていたが、いま工事中の古材と新材を組み合わせた手加工が、おもうように仕事がはかどらず、加工場には構造材が満載状態で、現状のプロジェクターとスクリーンを使っては開催できない状況になった。もう1ヶ月開催日をずらしてくれたらエエのにっ…..という社員や職人の声が聞こえてきたような…..。

こんな時に限って参加人数が40人を超えるという情報が流れてきて、普段は30人前後なのに…..。それに懇親会には「かなこ飯」さんが食事を提供してくれることになって、なのにいつもの懇親会場所にテーブルを設置することもできず…..だいたい神様って意地悪なんだなっとおもう。開催にこぎつけるには、少し強い向かい風だったが、そこは工務店力を発揮して、大工さんと専務で、こんなスクリーン設置の木枠とプロジェクター置き場を製作してくれて、なんとか開催できる状況になった。最後尾の椅子までの距離が長く、画面が小さくて見づらかったが、これはこれでカッコエエ設営と云ってもらえてほっとした。社員職人の皆さん「おおきに」です。

毎回、冒頭で、武田さんの趣旨説明のプレゼンがあって、そのなかで、「まちのえんがわ」開催=「木村工務店加工場開催」が「クリエイティブな発想が生まれやすい」という、説明があるのだけれど、そこに木村工務店としての「モチベーション」があるのだなっと、あらためて気付かされた今回のセッション設営だった。

プレゼン1の江原さんは、ものづくりの「おっさん」が集まって「鳥人間コンテスト」に応募し、落選した話で、今年も挑戦するそうだ。作ったことのない飛行機をどう作って飛ばすか…..が、課題と楽しみなのだが「仕事をしながらどのようにそのモチベーションを保つか」が最大の課題だという。確かにねっ。それを聞いていたプレゼン2の「デ研」の女子学生は、鳥人間コンテストに応募する人が身近にいることに感激していたし、阪神タイガースのいつか優勝を期待する「ファン」のように、いつか飛べる。っていうことを楽しみしてくれる「ファン」づくりが「モチベーション」になるのかも…..なんて考えた。

プレゼン2の「デ研生」の発表のなかに、この「ものづくりセッション」に参加して、この参加者先企業に就職が決まった。という話があって、皆で喜びあった。就職先を求める学生達と就職希望者を求める企業との間には、それぞれの「好き」を見つけ「好き」を仕事にして「プロフェショナル」になっていく。っていう現代的課題があるようにおもう。そういう「好き」と「プロフェッショナル」の関係性を模索できる「ものづくりセッション」になれば嬉しい。学生のプレゼンを聞きながら「好き」こそ「モチベーション」の「素」のような気がした。

プレゼン3のビューティフルホームコットン田中さんは、おもにエアコンクリーニングを中心に「掃除」を仕事にしている方で、その仕事の話とともに、掃除の日本的意味合いが、プレゼンの最大のテーマだったようにおもう。きっと「掃除」を自分の「好き」にして、その「モチベーション」を保つための努力が、プレゼンにあった掃除の日本的探求や掃除イベントなんだろう。

工務店にとっては、現場で掃除をし整理整頓をしながら建築を造るのが、いまの工務店の在り様におもうが、それがなかなか面倒になってムツカシイ。さまざまな物事に対して「面倒くさいことを面倒くさがらずにできる」と、可能性が大きく広がるが、それがムツカシイく掃除がその代表格だな。江原さんのプレゼン聞いて「モチベーション」というコトバをあらためて考えさせられた今回の「ものづくりセッション」だった。

「ハイランド」

6月14日土曜日。協力会社の精親会のメンバーや大工さん、手伝いさん、社員が集まって、堺の原池公園のmatoiでBBQをする。コロナ禍があって、精親会のメンバーと一緒に行く旅行をどうするか検討し、50人ぐらいでの1泊2日のバス旅行が60年近く続くと、そのバス旅プランの限界があって、コロナ禍で中止になった旅行費用を合わせて飛行機旅に切り替えた。やっぱり快適で、飛行機なら国内の旅先のさまざまな可能性もあるので、2年に1回の飛行機旅にし、もう1回はBBQにしようということになった。午前11時から午後3時まで、あっっという間のBBQコミュニケーションだった。二次会は貸し切りバスで会社に戻って「加工Bar」で、ワイワイガヤガヤ。気心知れた、ものづくりの仲間たちとの懇親会は楽しい。

最近のこのブログに何度か登場している「欧州建築視察ツアー」の参加者は、全国の工務店の社長とその社員もしくは奥さん、息子さんを連れてこられた人もいて、プラス、その工務店の集まりのボスのような存在としての建築家秋山東一さんで、9日間も一緒に旅をすると、それなりに親しくなって、それぞれ自分の工務店のやってることを話しているうちに、ちょっとした気付きと発見がある。木村工務店には歴代続く「見積の型」があることに、あらためて気付かされたし「設計の型」は微妙だが「設計打ち合わせの型」があることを発見した。

その旅の宿泊地のひとつスコットランドのグラスコーは、どことなくゴチャゴチャした大阪的で、前日に宿泊したエジンバラは歴史ある京都的な感じだった。グラスコーでの夕食のあと、同室になった静岡の工務店のノザワさんと、地元のパブにいって地元のウィスキーを飲もう!となり、それで事前にグーグルで調べた The pot stillに行くコトになった。夜の9時でもこんなに明るいが、Barのなかはお客さんでぎっしりいっぱいだった。注文も出来にくい感じだったので、出直そうということになり、近くの別のパブの The Horseshoe barに行こうと、歩いている途中に、鹿児島の工務店のマツダさんとその社員のマツナガさんと会い、じゃぁ合流して、4人でウィスキーを飲もうとなった。

異国のBarに、ひとりでいくのは、ちょっと勇気がいるが、二人になって、それが四人になり、つたない英語を駆使する勇気もでて、それぞれ4種類のローカルウィスキーを頼んで、4人で乾杯した。とっても大きなカウンターがある広いBarで、サッカーのテレビ放映を一緒に視聴しながら1杯だけ飲んだ。もちろん最初のBarに4人連れで戻って、地元の人たちと肩を寄せ合いながら、また一緒に4種類のローカルウィスキーを楽しんだ。そういうローカルでのちょっとした冒険的な出来事が旅の良き想い出として残る。

グラスコーからバスでハイランドに向かう。蒸留所がたくさんあって…..というバスガイドさんのアナウンスがあり、車窓からの北の牧歌的な風景を眺めながら、昨日の夜のBarを想い出した。別荘地のような一角にある、駐車場に到着して、建築家チャールズ・レニー・マッキントッシュのヒルハウスを見学することになった。正直、あの有名な椅子しか知らず、建築に関しては全く無知で、事前の下調べもせず、日程に含まれているから…..程度だった。

それが、とっても良かったのだ。このヒルハウスが建てられた1904年は明治37年で日露戦争があった年だそうだが、いまでも通用するモダンな内装で、家に帰って奥方にこの写真を見せると、エエねぇ住めそうやわっ!と云った。

入り口前に着くと、建物が覆い屋で覆われていて、それがとってもカッコ良かった。開場を待つ間、坂道のはるか下には入り江が見える美しい場所で、冷たい風が下から吹き上がってきて、寒くて寒くて、ダウンジャケット持ってきて良かったわっ!と震えながら待っていたが、それ以上に現代美術をみるようなワクワク感があって、期待値で寒さに耐えた。きっと多くの建築関係のひとは、この覆い屋がこのまま存続した方が良いのでは…..と考えるとおもう。外灯もマッキントッシュ的デザインだな。

まず、受付と土産物の小屋に入り、一端外に出てから、あらためて玄関から入るスタイルで、その小屋の上が、カフェやテラスになっていて、建物の外観を眺めながら食事ができるのは、最近の美術館的だった。薄暗い日本的な感じすらする廊下があって、まず玄関すぐ横の書斎を見学し、それから廊下の階段を数段上がり、木組みを模したようにもみえる黒い廊下ホールに至って、そこの扉を開けると、漆喰的な白い塗り壁の「ドローイングルーム」とよばれるリビングのような空間が出現し、その空間の居心地ち良さに心身が包まれた。

日本の長押というか鴨居というか、そういうような水平線がすぅっっと廻っていて、うっすら日本的ななにかを感じた。それで、ChatGPTにたずねてみると…..。

✅ なぜマッキントッシュの建築に「日本的な要素」を感じるのか?

1. 簡素で静謐な美意識

  • 日本の茶室のような静けさ無駄のなさ
  • 質素で洗練された空間構成(=「侘び寂び」に通じる)。
  • 白壁や直線的な構成、控えめな装飾などがその特徴です。

2. 自然素材の使い方

  • 木、石、漆喰といった自然由来の素材の組み合わせは、日本建築と共鳴します。
  • 空間全体が「自然と調和する場」として設計されています。

3. 「余白」の感覚

  • 部屋と部屋のあいだ、廊下、開口部などに日本的な「間(ま)」の思想が感じられます。
  • 家具の配置や窓の取り方も、光や風の流れを意識しており、日本建築と共通する美学です。

4. 装飾における抑制と線の美

  • ヒルハウスの装飾は繊細で、アール・ヌーヴォー的な曲線美に加え、直線的で幾何学的なパターンが多用されています。
  • これは、**日本の伝統文様(組子、障子など)**との共通性を感じさせます。

✅ マッキントッシュと日本美術のつながり

  • マッキントッシュとその妻マーガレット・マクドナルドは、19世紀末の**ジャポニスム(日本趣味)**の流行の中で、日本の浮世絵や工芸、建築に触れていました。
  • 特に、余白・対称・素材の活かし方に深く共鳴しており、これはアール・ヌーヴォーの中でも異彩を放つ存在になりました。

✅ 結論

あなたが「日本的な要素を感じた」のは、とても本質的な感覚です。マッキントッシュはスコットランドの風土と日本の美学を融合させた独自の建築を生み出しており、それはまさに「西洋と東洋の対話」の結晶とも言えます。

ChatGPTから引用した文章だが、ほんとうに、そうなのか、再考は必要だとおもうが、それにしても「スコットランドの風土と日本の美学を融合」と「西洋と東洋の対話の結晶」というコトバには魅力を感じた。で、その白いリビングから廊下に戻ると、その黒い感じに、また魅了される。

それぞれの部屋にはそれぞれの個性が付与されてあって、それが良かったのかもしれない…..。天井の回り縁がなく塗り廻されていて、壁には何らかのデザインの水平ラインが廻っていた。もちろんそれがない部屋もあった。

部屋の窓から外を眺めると、覆い屋と回廊的なグレーチング階段とネット越しに見える景色があって、それが現代美術のように魅力的で、早く外に出て、全体を眺め、階段を歩いてみたい気分になる。

覆い屋全体がカッコエエなぁっと眺め、グレーチング階段を上り下りしながら、さまざまな角度から外観を眺められるのが楽しい。現地のヒルハウスの説明文には「内部が決定するまで外部は考慮されませんでした。」と書かれてあって、こうやって様々な高さから外観を眺めると、外部を「考慮」する時のデザインの思考過程のようなものを感じ取れて、それがとっても面白かった。

「ウィスキー」と「マッキントッシュ」を目的にして、もう一度「ハイランド」を訪れてみたいとおもう。そんなスコットランドになった。

「機転が利く」

名古屋のコスモホームの鈴木さん主催の「欧州建築視察ツアー」に参加し、大阪の自宅に無事帰りついて、もちろん、お米も食べたくなるが、それ以上に強く欲したのは、ウォシュレットだった。千葉の工務店のサノさんはTOTOの携帯ウォシュレットを持参したので、とっても快適だったよ!と言っていた。Amazonで買えるからっ!と教えてくれたので、次回海外旅行に行くときは購入しようとおもう。それにしても帰りの飛行機のなかでは、ぐっすり寝たので、早く帰りついた感じがしたが、パリから羽田へはこんなルートを通るのだな…..。

スコットランドとイングランドとパリでは、伝統的石造りの建築が、目の中にたっぷり飛び込んできて、その重厚さにどっぷりと浸かったが、そんななかで、視察ルートに、こんな近代建築があり、私の視覚のなかに、さまざまな印象が勃発し、その印象を咀嚼しながら楽しんだ…..。

イングランドのレスターという都市にジェームズ・スターリング設計によるレスター工科大学工学部棟がある。大学構内で貸し切りバスから降りて、校舎と校舎で挟まれた道を歩いて行くと、唐突に、赤いレンガ造りの上にガラスの造形物が出現し、ダイヤモンドが集まったようなガラスの天窓群は、近づくに連れて、現代美術のような存在感として、圧倒された。

見たこともない造形物の印象によって、気分が高揚して、歩くスピードが速まるのを感じながら歩いていると、水平方向に伸びるダイヤモンド型のガラス屋根の向こうに、垂直性のあるレンガとガラスでできた棟が飛び込んできて、で、あの角を早く右に曲がり全貌を見たいという気分にさせられた。

とっても歪んだ写真だが、目の中に飛び込んできた光景は、こんな感じだった。それにしても、なんで、こんな造形のガラス屋根群が成立するのか、まったく理解できなかったが、とにかく、ワタシ的には、とってもカッコエエ! だった。

今回の見学は、外観だけだったので、少し歩いて、引きのある場所から、全容をカメラに収めようとしていると、今回のツアーにはイヤホンガイドを付けた音声案内があったのだけれど「急遽、内部を見学出来ることになったので、集合してください」というアナウンスだった。スコットランド在住の日本人女性ガイドさんがロンドンまで案内してくれることになっていたので、入り口前で立ち話をしている先生のような方々に、お声がけをし、日本から見学に来ていることを伝えて、内部を少しだけ見るコトは出来ないでしょうか…..とお伺いをたてると、OKがでた。というのだった。「機転が利く」とはこういうコトを云うのだな。参加者皆で、ガイドさんの、そのプロフェッショナルな姿勢に感謝した。

玄関ホールだけでも見るコトができて、満足だったが、なんと内部の実験棟も案内して頂ける事になった。外観から想像していた以上に、美しい光に溢れた「工場」だった。こんな「工場」造れたらエエねぇっ。ま、でも、日本では、雨漏りだらけになって、アカンかも、夏は暑すぎるし、湿気多いので結露だらけかも…..。にしても、案内人の誇らしそうな説明を聞くと、1959年から1963年に建てられて、60年近く経つ今でも愛されている様子が伝わってきて、この場所の気候風土にも合っているのだろう。

内部を視て少し理解できたコトは、平面が矩形の「工場」に、よくあるノコギリ屋根のような屋根を、ガラスの三角屋根として、矩形のX軸Y軸に対して、平行でなく、斜め方向に掛けることで、「工場」が複雑で豊かな光に満ちあふれた天井空間になっていた。あらためて内部から、外周方向を視ると、外周部と接する部分のガラス天窓のデザイン的処理の仕方が、普通なら三角形の小口が見えて終わるところを、ダイヤモンド型に見えるように、なるほどなぁ…..凄いなぁ…..なんておもわせるデーティールと造形美の処理をしているように見えた。知らんけど。

「棟」の階段ホールの窓からガラス屋根群を眺めると、その階層によって、さまざまな見え方になり、とってもドラマチックだった。が…..、工務店のワタシとしては、この窓から視れば視るほど、雨仕舞いの難しさが伝わってきて、この建築を建設した方々に敬意を表したいし、今でも、雨漏りの補修もしながら、長く使い続られるように、持続的なメンテナンスを続けているのだろう…..。そういう点も含めて、凄いとおもう。

スコットランドでもイングランドでも、晴れたと想えば雨、雨降っても暫くしたら止んで、それの繰り返しだった。時にはダウンジャケットを着込まないと寒くて震えるぐらいの時間帯もあった。で、レスター工科大学工学部棟の見学が終わると、やっぱり雨が降って、傘をさしてバスの駐車場まで行くことになった…..。そこで偶然視た、雨仕舞いの方法が、こんな感じだった。カッコエエですね。レンガ壁の地面と接する部分の「斜め」は、雨仕舞いも兼ねていたのかね…..? あっ、ちなみに、この傘さしているひと、携帯ウォシュレット持ってきたひとです。

建築家秋山東一さんの想いによって、レスター工科大学工学部棟の見学が決まったそうだ。若い時に「衝撃」を受けた建築だそうだ。今の世代には忘れ去られたような建築におもうが、今回の参加者皆で、その「衝撃」を「共有」できた気がする。Thanks。

イギリスと日本人

名古屋のコスモホームさん主催の「欧州建築視察ツアー」に参加し、イギリスとパリを旅する真っ最中。今回のツアールートは建築家の秋山東一さんが企画に参加し、スコットランドのエジンバラからグラスコー、イングランドのダラム、レスター、ロンドンと南下し、TVGでパリに渡り、帰国する計画。

イギリスの橋で、日本人が設計と施工に深く関わった橋があると知ったのは、この旅の企画を聞いてからのことで、スコットランドの紙幣にもなっているエディンバラにあるフォース橋は、日本土木史の父とも称されているらしい渡邊嘉一氏が施工に関わり、以前「風景の中の視覚的効果」というブログで書いた、ダラムにあるキングストーンブリッジは、建築家三上祐三氏が設計に関わったのだという。その2つを見る機会を得た。

このフォース橋の手前には新しく完成した斜張橋と吊り橋があり3つの橋を同時に眺められるのが楽しい。斜張橋も吊り橋も1本ずつ見ればどちらも美しい橋だが、3本並ぶと、最も完成が古いフォース橋が、最も美しく感じるのだが…なぜなんだろう…人って、より手仕事的な建造物により魅力を感じるのでは…と、そんなことを考えさせられたフォース橋見学だった.

今回の旅行では、15人ほどでのバス移動が基本なのだが、鉄道オタクでもある秋山さんの要望で、フォース橋を列車で渡ることになった。この赤い恐竜のような橋を電車の中から眺めると、列車から発せられるディーゼルエンジンの音を聴き、その振動を感じながら、赤い鉄の太い斜材が、ある一定リズムで横切り続けるという、進行方向の左手に見える斜張橋と吊り橋の景色を邪魔する鉄骨の斜材で、決して美しい光景が眺められるのではなかったが、上のネットから取得した写真を見ると、この赤い恐竜のような橋を鉄道で渡ったんだぜぇ!という身体的振動の記憶がともなう視覚的経験値に、自己満足感があって、それがちょっと嬉しい。

それはそれとして、バスガイドさんが、スコットランド在住の日本人の女性の方で、とっても流暢な解説と美しい声のおかげで、イングランドとスコットランドの様々な文化の違いを学ぶ機会になり、彼女に感化されて、すっかりスコットランドloverになってしまった…。

イングランドのダラムという町にあるキングスゲートブリッジを見学する。日本人観光客15人ほどが集まって橋の上で記念写真を撮影すると、通り行く人々は、なんで、こんな橋で日本人が記念撮影をしているのか不思議そうだった。この写真の奥に映る大聖堂が世界遺産でとっても荘厳だったが、この橋はその革新的な設計と建築技術により、イングランドのグレードI指定建造物に登録されているという。その設計に関わった日本人建築家三上祐三氏が秋山さんと同じ大学の先輩だという。通常であれば、この写真の立ち位置から大聖堂に、直線的で、最短距離で、川を横切る橋を作るところを、「風景の中の視覚的効果」を狙って、この写真のように斜めに角度を振ったという。確かに現地で見るとこの橋を横から眺められる場所がなく、この斜めに角度を振る操作がなければ、この橋の美しい構造を見ることは出来なかったとおもう。

ロンドンで自由時間があり、秋山さんのお誘いで、鈴木さんと3人で、ロンドン トランスポーター ミュージアム デポットへ行く。秋山さんお知り合いのロンドン在住の日本人フォントデザイナーの河野英一さんにアテンドして頂いた。なんと、ロンドンの地下鉄の、この写真のフォントは、河野さんのデザインによるというのだ。ダイヤモンド形の点がとってもカッコエエ! イギリスの地下鉄のフォント「New Johnston」は日本人がデザインしていたのだな…。そのあと、日本食レストランで、ラーメンをともに食べながらお話しを聞いて、もっとも驚いたことは、ウィンドウズの「メイリオ」のフォントデザインは、河野英一さんによるというのだ…。

そんなこんなで、旅の途中なので、これぐらにして、日本に帰ってから、あらためて、この旅の印象を書こうとおもう……

菌類がつくりだすネットワーク

毎月19日に「空き家カフェ」を開催している。この5月19日月曜日で100回目を迎えるコトになり、常連参加者で、家主の立ち位置でもあるヤマダさんに、この100回をまとめるプレゼンテーションをして頂いた。おなじく常連参加者で、元生野区副区長でもあったタケザワさんが、その資料の「まとめ」をChatGPTも駆使しながらまとめたコトバが、「空き家カフェ」というものが何であるかをとっても上手く表現してあった。

「空き家から広がる人とまちの再生」

空き家カフェは「物件再利用」だけでなく
「人とのつながり」を育む場であり
地域を活性化する原動力です
空き家再生は単なるリフォームではなく
コミュニティー再生の象徴的な試みです

まちの「人とのつながり」とそのコミュニティーといっても、昔のような運動会をしたりする懇親会的なことは面倒だと感じる人が多いと思う。いまは、まちの安心安全を補えるるような、挨拶を交わせる程度の弱わい繋がりで良いのかもしれないが、案外、その挨拶を交わせる程度のコミュニティーがムツカシイのかもしれない。森林の微生物に関するテレビやネット上の資料を垣間見ると、木々の根に共生する菌類が作り出すネットワークが、木々の成長や森林の構成にダイナミックに影響を及ぼしているという。そういう菌類がつくりだすような地下ネットワークが「空き家カフェ」の菌類的コミュニティ−再生のような気がする。

大阪府建築士会発行の業界紙「建築人」という雑誌に掲載されて、弊社が施工を担当した 「クセのあるスタジオ」(設計:Kvalito/施主:マクセル株式会社)が、建築人賞の佳作に選出されて、その表彰式があった28日木曜日。木村工務店代表で専務が賞状を頂戴したそのブログはこちらにあって。それはそれとして、その表彰式では、弊社での施工実績もある建築家の奥和田さんが、同じ表彰台で受賞してお互いの受賞を讃え合って、この同じ舞台で大阪建築コンクールの渡辺節賞を受賞した建築家が北村さんで、彼は「空き家カフェ」に何度も参加してくれているので、懇親会の席で祝福しあったし、竹中工務店の設計施工で受賞し、その設計担当者として表彰されていた、山崎さんも、うちの家で、何度か食事会をした縁もあって、懇親会では久しぶりの親交で楽しい時間を共有した。その席には自邸のマンションリフォームに関わらせて頂いた、竹中工務店のKさんもお見えで、少々驚いたが、関わりのある方々と、とっても良い時間を持てた懇親会だった。

この表彰式では、万博のリングを設計した藤本壮介さんの講演会が1時間ほどあり、それがとっても良い講演だった。あらためて、万博リングの設計意図と建築への想いを知るコトができたが、懇親会の席にも参加されて、とっても多くの建築士会の方々と、終始笑顔で、名刺交換をされ記念撮影をされている姿がとっても印象的だった。懇親会が終了する少し前に、私も名刺交換に行くコトにしたのは、以前に住宅の見積をしたことを伝えたかったことと、講演のプレゼンテーションに、万博リングでの夕焼けの話があり、その写真が、以前のブログの夕焼けの大阪万博の写真に近い角度のプレゼン写真で、開幕前なので、リングで夕焼けを見る人の姿がないのと夕日そのものは写ってなく、是非、万博リングの夕日と夕日を見る人を見てくださいというメッセージだった。ま、大阪人的に、この写真どないでっしゃろか…..というノリで、iPhoneの写真お見せして、ほんの1分ほどの懇親を楽しんだ。

懇親会終了後、竹中工務店さんや日建設計さんや鹿島さんの受賞した若い設計担当の皆さんとミナミのBarで一緒に飲んで、楽しかったのだけれど、それって菌糸的地下ネットワーク的飲み会だったようにおもう。

one world. one planet.

雨降る日曜日の朝。前日のウエザーニュースでは、大阪市内の朝の天気は曇りだったのに…..。

ゴールデンウィークから3週続けて、日曜日に、自転車に乗る気になったのは、台湾を自転車で周回するのを「環島」というらしく、秋にその台湾一周のお誘いを受けて、あまり考えもせず、軽やかに、行きましょかぁ…..と応じると、よくよく聞くと毎日100kmほどをを9日間で走るらしい。サポートカーもついたツアーらしいが、それでも、それは、ちょっと無理かも…..と、今年、全く自転車に乗っていないワタシの現実をようやく直視して、不安というのが、もたげてきた。それで、とりあえず、まず日曜日は自転車に乗ることにした。なので今日の日曜日も乗る気満々だったのに、朝からぐずぐずした天気で、道も濡れてるし、今日はや〜めた。そんな気分の日曜日の朝。

最初はあんまり頑張らず、とりあえず、45kmほどを午前11頃まで自転車に乗って、汗かいて、シャワー浴びて、小路のハンバーガーを食べるのを楽しみに自転車に乗ることにした。十三峠や葡萄坂を久しぶりに登ってみると、時間のかかることかかること、STRAVAの記録を見ると過去一遅かった。いまや登れるだけでもう充分。これぐらいの距離だけ乗って昼からあれやこれやできるぐらいが、いまのワタシには丁度良い加減だな。それにしても、朝の朝護孫子寺の清々しさと、ゲイジュツとさえおもえる葡萄畑のテント張り越しから眺める大和の景色と、八尾飛行場からの小型機の離発着が、楽しみ。

そうそう、今週は、社員OBの福本さんの葬儀があって、どこからともなく聞きつけた社員OBが、参列してくれたり、献花や弔電までだしてくれたことに、福本さんの社員への貢献度の大きさを実感したし、木村工務店の制服数枚が納棺されたシーンにはグッとくるものがあった。喪主の長男さんの挨拶を聞くと、福本さんが残してくれた、木村工務店の建築技術と建築に対する情熱を、守り育んでいくことが、私たちのミッションであるようにさえおもえた、そんな火曜日の葬儀だった。なので、今週はしっとりした日曜日の朝が丁度良い。

そんな、ぐずぐずした日曜日の朝だったが、昼から徐々に天気も回復し、夕方5時頃から、思い立ったように、奥方と万博に行くことにした。一度行くと通期パスの割引きがあるらしく、それで通期パスに変えた。メインの国々の海外パビリオンは、予約と行列でなかなか入れないので、周辺各国のコモンズ館のパビリオンを見て、食事して、リング周回して、ドローンショーみて、帰ろかっ…..みたいな感じ。ドローンの編隊が描く光のショーは、現代的な感じで良かったが、いま同じドローンが編隊を組んで爆撃をし破壊もしているのだから、空に表示されたこのコトバを見ながら、世界は複雑怪奇だとおもったし、コモンズ館で多くの国々のコトを垣間見ると、そんな国々に一度訪れてみたいな…..なんておもいながら帰路についた、日曜日の夜だった。

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